僕の家は
狂っていた
…あぁ、私の可愛い可愛いそうちゃん
ここは安全だから…
…ねぇ?
蒼真
母は
僕の父に捨てられた時から おかしくなっていた
なんでよ!!
なんで…嫌!置いていかないで!!
ねぇ…!!私を愛してよ!!
うるせぇ!!
もうてめぇの相手はうんざりなんだ!!
嫌!!私を置いていかないで!!
っち…さっさとどけよ!!
ドンッ!!
いやっ!!
ドサッ…
…じゃあな
いや…いやぁぁぁぁぁ!!
蒼真
父は…きっと限界だったんだろう
束縛の強い
全てを管理しようとする
そんな母に
ねぇ…そうちゃんは私を捨てないよね?
ねぇ…あなたまでいなくなったら、私…
蒼真
僕はどこにも行かないよ
僕はどこにも行けないよ
そうちゃん…♡
スリスリ…♡
蒼真
あの人に似て、整った顔に、スリムな体…
可愛い…♡
蒼真
母は僕を見てくれない
母がみているのは父に似た 僕の容姿
僕じゃない
ご飯作ってくるから、大人しくしててね、♡
蒼真
トットットッ…
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
蒼真
なに
━━━━━━ ━━━━━
プツンッ…
その時
僕の中で何かがちぎれた
そうちゃんご飯…
…そうちゃん?
そうちゃん!!
えっ、いや…どこに行ったの!?
そうちゃん…
そうちゃんそうちゃんそうちゃんそうちゃんそうちゃんそうちゃん!!
…いや…私から
あの人の容姿まで、奪わないで!!
気づいたら僕は、建物の屋上に来ていた
なんで屋上を選んだか…
そんなの、理由は1つしかないだろう
ギィィィ…
楽になるためだ
蒼真
蒼真
…?
なに…?
楽になろうと思った
地獄から抜け出そうと思った
絶望の世界から逃げたかった
だから逝こうとした
彼女と会うまでは
蒼真
……
私は…
"紅羽"
紅羽
紅羽
蒼真
紅羽
紅羽
蒼真
彼女は
不思議なくらい可憐で
美しく
散った花のように
幻想的だった






