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何も考えずにスマホへと視線を落とした。

やはり、スマホの待ち受け画面にはメールアプリの通知が表示されていた。

気になって画面を優しくタップした。

赤城 柚杏

突然すみません。
はじめまして。ゆあんくんの姉の乃亜といいます。
いつもゆあんくんと仲良くしてもらっているみたいなのでお礼をしようと思い、ゆあんくんのスマホを使っています。それと、長文ですみません。

画面には【赤城 柚杏】という名前にアイコンが映っていた。

アイコンから広がる吹き出しには【乃亜】(のあ)という名前が表示されており、メールの送り主はゆあんくんでは無い事がわかった。

蒼田 直樹

いえ、僕も楽しくて行ってますので全然大丈夫です。

赤城 柚杏

ゆあんくんも楽しそうにしてます。またゆあんくんの笑顔が見れたのも直樹さんのお陰ですので。

赤城 柚杏

本当にありがとうございます。

僕が返信をすると直ぐに通知がなった。

この言い分からして送り主はまたもやゆあんくんのお姉さんなのだろう。

お姉さんから送られてきた文章は少し気になったが、あまり気にせず画面のキーボードに触れた。

蒼田 直樹

ゆあんくんが楽しそうにしているのなら、嬉しいです。近いうちに、ゆあんくんのお見舞いに行きます。ゆあんくんに伝えてくれると嬉しいです。

赤城 柚杏

分かりました。伝えておきます。

赤城 柚杏

直樹さんもお忙しいのに。本当にすみません。

蒼田 直樹

いえ、僕は全然大丈夫です。
謝らないでください。

るなには悪いがゆあんくんのお姉さんの方が信用できた。

きっとお姉さんならゆあんくんに伝えてくれるだろう。そう確信して会話を終えた。

画面を消して、スマホをソファの隅に放り投げ、クッションに抱きついた。

ソファに体重をかけて、ふぅー。と深呼吸した

明日も学校がある。だけど行く気になれない。

どうせ授業なんて聞かない僕は学校に行こうが行かまいが変わらない。

どうせなら、明日学校を休んでゆあんくんのお見舞いへ行こう。

そんなことを考えながら寝室へ向かった。

翌日

あの後結局、寝ないまま朝が来た。

だから、朝の8時から準備をして病院へ足を運んだ。

流石にゆあんくんの病室は覚えた。だから自信有りげに歩いた。

入った病室は真っ暗で相変わらずなんにも無かった。

ポツンとベッドがあって、そこに横たわって眠るゆあんくんの姿があった。

ただ、2ついつもと違うことがあった。

それは、花瓶だ。いつも空っぽの花瓶に美しい黄色のマリーゴールドが刺さっていた。

それともうひとつは、ゆあんくんの横腹辺りに頭を置いて寝る女性がいたこと。

 

ふぁ〜……

すると突然その女性が顔を上げて欠伸をした。

 

あれ、?えーと……?

蒼田 直樹

あー、すみません。起こしてしまいました、?

 

あ、いえ大丈夫です。

訝しげにこちらを見るものだから怒ってるのかと思い、謝罪の言葉をいれた。

そして次に耳に入った言葉は否定の言葉。

 

もしかして、直樹さんですか、?

蒼田 直樹

え、?そう、です。

なぜこの女性は僕のことを知っているのだろうか。 疑問の2文字が頭によぎった。

蒼田 直樹

なぜ?僕のことを……?

 

昨日のメールを送ったの私ですよ

その疑問をそのまま言葉に言い表すと、衝撃の一言が帰ってきた。

蒼田 直樹

え、!?

赤城 乃亜

すみません。びっくりさせてしまいましたね。

衝撃のあまり妙な声が出てしまった。

お姉さんは謝り癖があるのだろうか。昨日のメールでもずっと謝っていた気がする。

赤城 乃亜

あ、すみません。お見舞いに来てもらったのに。まだゆあんくん寝てて、

蒼田 直樹

いえ、大丈夫ですよ

赤城 乃亜

では、私はこれで……

そう言ってお姉さんは部屋を出た。

病室は静まり返って、僕の心音とゆあんくんの寝息の音がただずっと病室を満たしていた。

ゆあんくんが起きるまで待とうと不意にゆあんくんに視線を投げた。

意外なことに、素のゆあんくんは少年っぽいのだが、寝顔は女の子のような雰囲気を感じた。

ゆうならば、眠り姫。

そんなことを考えていると。眠り姫がフッと目を開けた。まるで王子様が迎えに来たかのように。

♡130 NEXT……

僕の花が枯れるまでの話

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最後の所好きすぎる! みこの文書力(っ'ヮ'c)>エグスギイイイイ

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