テラーノベル
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午後五時。 時雨はようやく地元に帰ってきた。 あなたのアパートは知っている。一度送ったことがあるから。 路肩に停めてメッセージを送る。
時雨
すぐに既読が付き、すぐにあなたが現れる。 ホッとした。助手席に置いてあった貝殻をそっと持ち上げ、車を降りる。
時雨
あなた
時雨
時雨は掌につつみ込んでいた貝殻を差し出す。大きな淡いパープルのと、小さな白いの。
時雨
あなた
時雨
あなた
嬉しそうな笑顔に時雨も嬉しくなり、そして気づいた。細い白い指先に塗られた、珊瑚色のネイル。
あなた
はにかんで笑う。 珊瑚色のネイルは、時雨が思った通り、よく似合う。
時雨
時雨
あなた
何を言われたのか理解できないというほどの驚きぶり。時雨も、早まりすぎだと思う。 もう一度、ゆっくり言う。控えめに。
時雨
あなた
その白い肌が耳まで一瞬で赤くなる。俯いたまぶたの、まつ毛が長い。 時雨は、貝殻ごと、あなたの両手を温かい手で包み込んだ。
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨はわかりやすくションボリうなだれる。
あなた
わかりやすく立ち直る。
時雨
あなた
確かに、ろくに休憩もとらずに関越道を飛ばしてきたのだ。 時雨は最寄りのコインパーキングに車を停めて、初めてあなたの部屋を訪れた。 玄関を開けると廊下があって、右側に小さなキッチンスペース、左側にトイレと浴室が並ぶ、よくあるワンルーム。 部屋は、アイボリーとブラウンで整えられている。小さな本棚に、本がみっしり並んでいた。
時雨
あなた
クッションを勧められ、腰を下ろす。 ローテーブルに、珊瑚色のネイルの瓶。嬉しくて笑う。
あなた
時雨
あなた
コーヒーカップと一緒に、カップケーキがついてきた。
時雨
あなた
照れくさそうに笑った。 時雨は早速一口かじり、「美味い」と言う。
あなた
時雨
あなた
時雨
コーヒーを飲んで、カップケーキを食べて、疲労感が一気に来た。
あなた
寝ている。 座ったまま、ベッドにもたれかかってすうすうと眠っていた。 窮屈そうなので、ローテーブルをずらす。タオルケットをかける。 初めて見る寝顔をまじまじと見つめた。にっこり笑う。
あなた
時雨の隣に座って、読みかけの小説を開いた。
コメント
1件
うわああああ第10話……! 時雨さんが「好き。付き合って」って直球すぎてこっちまでドキドキしたよ😳💕 しかも佐渡からわざわざウニの貝殻持って帰ってくるとか、不器用な優しさが刺さる……。最後にあなたが寝顔見ながら「私も、大好きです」って呟くところ、もう尊すぎて胸がぎゅってなった。たゆさんの描く距離感がすごく好きです🫶🥀