先生失格

私は今現役の高校教師と連絡をとっている。 …しかも同じ学校で、美術部の、私の顧問である。 何故こんな「バレたらヤバい」事をしているかって？ それは少し遡って2時間前ー...

15分後……

そんなこんなで手に入れた先生の連絡先。 罪悪感もあるけど、喉から出るほど欲しかったものだ。 大丈夫、嘘は言ってない。うん。 …でもどうしよう、緊張と動悸でどうにかなっちゃいそう…。 先生は私の初恋の人、だから…。 平常心を保つんだ！ひまり！ この想いは、バレちゃ駄目なんだ…。

私は紹介文をやや詩的に書くことが多かったから、 先生に直接伝えるのはかなり恥ずかしかった。 その後、その他の記入事項も伝え終わった。 私が最後の作品に込めた想いは、先生への 伝えることのない愛情。 私の三年間は先生との三年間だった。 「最後の作品」と考えた時、これしかないと思えた。

題名を伝えた後、 何故だかもう先生と会えないような気がした。 そんな焦りが生まれると、どんどん加速していき、 気がつくと私は自分の決意など忘れたように、 意味のない言葉を紡いで、意味のあるものを掴もうとしていた…

2年後……