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……その日の夜。

俺は、俺以外誰もいない家で、1人テレビを見ていた。

tr

krさん……いくらなんでも遅すぎるよな……

大丈夫、きっと帰ってくると信じて待っていたけど、朝に出かけて夜まで帰ってこないのは中々だ。

さすがに心配になって、今日何度目か分からない、krさんの連絡先確認をした。

tr

……え?

俺は思わず声を漏らした。

何度も画面を行ったり来たりする。 だが……

tr

……連絡先が……ない……?

何処を何度見ても、krさんの連絡先が見つからないのだ。

さっきまで、さっき確認した時にはあったのに。

その後も、何時間かしばらく彼の連絡先を探したが、どこにもない。

彼への連絡手段が、消えた。

tr

なんで……

俺はしばらく思考を巡らした。

もしかして、誘拐された?事故にあった?

いや、でも、それで連絡先が消えるってどうなんだ……?

その後もしばらく唸り続けていると、ふと1つの答えが導き出された。

信じたくない、あの人はそんなことするような人じゃ……

でも、気づいたときには、口に出していた。

tr

俺……捨てられた……?

と。

断じて有り得ない。絶対違う。 きっと他に何か理由があるんだ。

そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、自分は捨てられたんじゃないかという不安が重くのしかかってくる。

〈大体、krさんみたいな人がこんな奴を好きになるわけないじゃん〉

〈あの顔ならいいお相手くらい簡単に見つかるよ〉

〈所詮遊びだったんだよ〉

〈めんどくさくなったんじゃないの?〉

よく分からない声が、俺の脳内にぐじゃぐじゃになって響く。

あぁ、うるさい、

うるさいうるさい うるさい……!!

違う、ちがう、krさんはそんな人じゃない。

俺たちは、俺たちはちゃんと、ちゃんとした、

tr

あ、あぁ、くろ、krさん……

俺は泣き崩れながらひたすら彼の名前を紡いだ。

わかってる、わかってるのに。

貴方がそんなことしないってことくらい、分かりきってるのに。

助けて、苦しい、この苦しみを止められるのは貴方しかいないのに。

俺は一晩中泣き続けて、そのうち疲れて寝てしまった。

tr

……

次の日の朝、貴方はやっぱりどこにもいなかった。

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