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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
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第49話『決断の影』
朝。
雲はまだ厚く、細い雨粒が街を覆っていた。
らんは目を開けると、昨夜の夢の残滓が頭にこびりついているのを感じた。
暗闇の中で向き合った「もう一人のらん」の表情――あの穏やかな目は、敵のものではなく、まるで兄弟のように寄り添おうとするものだった。
胸に刺さる痛みと共に、混乱だけが残っている。
らん
らん
だが認めることは、自分の存在を揺るがす。
昨日まで「敵」だと信じてきたものを、今日「仲間」と呼ぶなんて。
布団から出るとき、足が鉛のように重かった。
リビングに降りると、いるまがすでにテーブルに座っていた。
無言でカップを傾け、らんを一瞥する。
観察する視線。
いるま
低く問われ、らんの心臓が跳ねる。
らん
正直に吐き出すと、いるまは少し目を細めた。
いるま
いるま
らん
らん
らんの声は震えていた。
いるまは黙り、カップを置いた。
その仕草は冷たいが、どこか待ってくれているようでもあった。
午前。
一人になった部屋で、らんは再びノートPCを開いた。
保存された映像のサムネイルが、無数の瞳のようにこちらを見返してくる。
再生。
映像の中の「自分」は、笑っていた。
仲間と共に歌い、走り、手を叩き合う。
だがその笑顔の裏に、ふとした瞬間「別の影」が滲み出る。
画面の中の自分がふとカメラを見つめ、口を動かす。
らん?
らん?
らん
反射的に画面を閉じる。
だがもう遅い。
声は耳の奥に残り続ける。
らん?
らん?
頭の内側から、昨日と同じ声が重なる。
らん
らん
信じたい自分と、疑う自分。
その間で揺れる胸が痛い。
昼。
パンをかじる手が止まる。
いるまが視線を向ける。
いるま
いるま
らん
らん
いるま
即答。
らん
いるま
いるまは遮る。
いるま
いるま
いるま
らんは口をつぐんだ。
理屈では理解できる。
だが恐怖は理屈を超えていた。
午後。
外に出た。
雨は小降りになり、街には湿った匂いが漂っている。
公園のベンチに座り、空を仰ぐ。
水滴の落ちる音が、やけに鮮明に響いた。
瞼を閉じれば、すぐに声が現れる。
らん?
らん
らん?
らん
脳裏に蘇る、こさめの涙。
その横で揺れていた「もう一人のらん」の視線。
敵意ではなく、必死に訴えるような――守ろうとする目だった。
らん
らん?
声は淡々としていた。
けれどその響きは、らんの心を少しずつ溶かしていく。
夕方。
帰宅すると、いるまが窓際に立っていた。
いるま
らん
いるま
いるまの言葉は刃のようだった。
いるま
いるま
らんは唇を噛んだ。
痛みで血の味が広がる。
心臓が乱れ打つ。
らん
らん
らん
夜。
暗闇の中、布団に横たわる。
呼吸が浅くなり、胸の奥で声が囁く。
らん?
らん
らん?
らん?
鏡に映る自分の顔が重なる。
同じ輪郭、同じ目。
違うのは、隠してきた「影」を抱えているかどうかだけ。
らん
声が震える。
だがその震えの奥で、決意が芽吹き始めていた。
らん
闇の中で、「もう一人のらん」の口元が静かに緩んだ。
それは初めて見る、安堵の笑みだった。
第49話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
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コメント
5件
ついに受け入れられたのか... この後がたのしみです!!
これで記憶が戻れば、
続きが楽しみ✨