それは突然の話だった
ひまり
わりと好きかも。きみのこと
ひまり
付き合わない?
彼女はブランコに乗りながらそう言った
颯
え…?!
ひまり
嫌?
颯
嬉しいけど…
颯
なんで急に…?
ひまり
こうしてたらやっぱり君のこと好きだなって思って
もちろん大歓迎だったし、僕がここに来るようになったのも、彼女と一緒に居たかったからだ。
颯
僕でよければ
そうやって僕達は付き合うことになった
ひまり
今日は夕日が綺麗だねー
颯
あれに向かって走ろうか
ひまり
応援してるね
颯
ひどい!
恋人になったからといってそんなに変わったことは無い 強いていてばよく話すようになったことと、冗談を言えるようになったことくらいだ
颯
(付き合う前は君の方が綺麗とか絶対言うことないと思ってたもんな…)
颯
明日から夏休みだね
ひまり
だね
颯
…
颯
まあ、休みなんて形だけだけどね
ひまり
そんなに少ないの?
颯
いや、課題が多い
颯
学校に行った方がましなくらい
ひまり
私に会いに来るためならすぐに終わらせれるとか言って欲しかったな
颯
う…
颯
そりゃ会えるのは嬉しいよ
颯
そうだ
颯
一緒に勉強会でもどう?
ひまり
お茶でもどう?みたいな誘いだね
颯
駄目?
ひまり
もちろん
ひまり
いいよ
その言葉に僕は笑顔になった
それからも、ひまりといるのは楽しかった
彼女は僕にとっては唯一だった
ひまり
あ、雀だ
颯
どこ?
ひまり
…
ひまり
嘘
そう言いながら彼女はいたずらっ子のように笑う
颯
なんだ…
ひまり
颯は本当引っかかりやすいよね
颯
うるさい…
ひまり
あのさ
ひまり
…………
ひまり
別れよ
颯
え…?
颯
さっきの続き?
ひまり
いや、…
颯
本当に…? なんで…
ひまり
…
ひまり
ごめんね
ひまり
騙して…
颯
どういうこと?
ひまり
告白した時から
ひまり
私は恋が分からなくて
ひまり
告白してみたら何か変わると思った
ひまり
わかると思ったんだけどね
ひまり
やっぱり私は恋に執着してるだけだった…
ひまり
本当に君が好きな人もいるはずなのに…
颯
僕はひまりのことが好きだよ
颯
その他
ひまり
…
ひまり
でも好きでもないのに付き合うのは失…
颯
別にいいんじゃない?
ひまり
…!
颯
僕はひまりの彼氏として一緒に居られる
颯
ひまりも僕の彼女でいることで、恋してるんだと思える
颯
どちらも幸せでしょ?
ひまり
颯はそれでいいの…?
颯
運命とか信じていないし、どちらも幸せなのになんで迷うの?
ひまり
颯に失礼だから…
颯
僕が失礼じゃないって言うんだから気にしなくていいんじゃない?
ひまり
…
ひまり
本当にそれでいいの…?
颯
うん
ひまり
……!
ひまり
…改めて
ひまり
これからもよろしく
颯
こちらこそ