「この世界」
「この国」
「この街」
「この家」
「あの人」
「あの猫」
「全部消えてしまえよ」
「人間には」
人間には
一人一人"個性"がある
絵を描くのが好きだったり
動物と遊ぶのが好きだったり
走るのが好きだったり
ゲームするのが好きだったり
なんて
放課後の
誰もいない教室で
そんなくだらないことを考える
ねえ
ぜーんぶぜんぶ
「消えてしまえよ」
ユウナ
はぁ
消えてしまえよ
て思っても
思うだけじゃ通じない
だからこう思ったんだ
通じないなら
「自分が消えよう」
ユウナ
おー
ユウナ
こんな綺麗な場所あるなんて
ユウナ
ここで死ぬなら
ユウナ
幸せだ
ユウナ
はーーーーーーーぁああああ!!
ユウナ
全っぜん響かねぇぇぇえ!!
ユウナ
...
ユウナ
気を取り直して
ユウナ
聞こえてる訳でもないからなんていえば
ユウナ
いいのか分からないけど
ユウナ
産んでくれた母さん
ユウナ
私のために働いてくれた父さん
ユウナ
私さ
ユウナ
楽しかったよ
ユウナ
この17年
ユウナ
でも
ユウナ
ごめんね。
ユウナ
いじめに耐えられなかった
ユウナ
強く育たなくてごめん....
ユウナ
自分勝手でごめん
ユウナ
わがままでごめん
ユウナ
でもね
ユウナ
もう私は満たされた
ユウナ
満足したんだよ
ユウナ
17年間
ユウナ
すっごく楽しかったんだよ!
ユウナ
だけどもういいの
ユウナ
満足した
ユウナ
今まで正直に言えなくてごめんね
ユウナ
「ありがとう」