沈黙の夏、壊れゆく僕ら

合宿七日目。朝。

食堂に彼女の姿はなかった。

練習にも現れず、

呼び出しても応答なし。

慌てて部屋を確認したスタッフが

見たのは、

冷えきった空気と、

机に置かれた1枚の手紙だけだった

誰も信じられませんでした。 だから私はこれで終わりにします。

血の跡はない。

ただ、筆跡の乱れた手紙と、

乱雑に畳まれたユニフォーム。

合宿中止の知らせが、

すぐに飛び交った。

選手達も動揺していた。

だが、誰一人、

自分が原因かもしれない

とは思わなかった。

沈黙だけが残った。

彼女のように、重たく、冷たく。