繋ぐバトン

私はやっと気づいた

苦手な相手だって知りもせず 決めつけて

逃げてただけなんだって

私は中学三年生の女

彩街 苑夏！(あやまちそのか)

次の授業は体育！

体育祭まで3週間を切って 全員リレーの練習だって

50m走のタイムは11秒

私が走ったところでみんな迷惑に決まってる！！

キーンコーンカーンコーン

授業が終わった ついでに人生も終わった

蓬沢 夢李(よもぎさわゆり)

私の親友 5教科は普通の平均で 運動も普通の女

位置について

よーい

ドン

第1走者が走り出した

周りの声援は止まない

「本気出してよ」

「わざとでしょ」

走り終えた夢李は苑夏の元に来る

杉岡さんのバトンを受け取る

走る

バトンを持ち替える

このリレーは4クラス対抗

今3人に抜かされた

つまり

最下位

次の走者にバトンを渡して 指定された列にしゃがむ

陰口が聞こえた

そういう奴らは苦手だ

夢李から距離を置いた

何かあればすぐ落ち込んで友人にあたる私の悪い癖

もう走りたくない

私達のクラスの順位は3位だった

名前は 文貴 薫

陰口を言ってきた女子生徒

放課後

「後悔はしたくない」

クラスがざわつく

「 」

投票の結果 夢李が苑夏の前になる

その後

体育祭の順位は2位だったけれど

悔いなく終われた2人の最後だった