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その後
約束通りかすみさんは警察署へ出向き
優真さんへの訴えを取り下げる手続きをした
あすみさんの彼への思いを痛感した静(じん)さんは
いつものようにあの部屋に入ると
既にぐったりと横たわる彼女を強引に起こし
井川静(じん)
ほぼ無抵抗の彼女に自身の巨体を突き立てた
井川あすみ
痛々しく咲き乱れる紅い華が地を濡らす
井川あすみ
瘡蓋だらけの腕を掴み
井川静(じん)
抑えきれなくなった想いをぶつける
井川静(じん)
井川あすみ
井川静(じん)
井川静(じん)
井川あすみ
彼女にはもう抵抗する力は残っていなかった
弱々しい言葉も静さんには届かず
井川静(じん)
静さんの言葉に全身を震わせ
彼女は大粒の涙を流した
井川静(じん)
さっきまでの興奮状態から
静さんは少しずつ冷静さを取り戻し
目の前の惨状に胸が苦しくなった
こんなことを望んでいたわけではない
愛する妹を他の男に取られたくない
その想いが爆発して
余計に彼女を傷つけてしまった
井川静(じん)
井川静(じん)
部屋を飛び出し自室に戻る
微かに感じるあの部屋の臭い
また傷つけてしまった
そんな後悔の念が押し寄せる
井川静(じん)
井川静(じん)
どんなに想っても報われない
手に入れたいと願っても……
井川静(じん)
井川静(じん)
それでも妹を守るため
静さんは猛攻を止めるわけにはいかなかった
自分が手を止めてしまえば
かすみさんが容赦なく彼女を傷つける
下手をすれば彼女の命が危ない
静さんは何度も自分に言い聞かせた
井川静(じん)
井川静(じん)
再びあの部屋へ向かうと
背中や腹部を数回殴打し
鍵をかけて自室に戻った
次の日も
また次の日も
静さんは同じ時間にあの部屋に向かい
彼女を守るために彼女を傷つけ続けた
井川静(じん)
井川あすみ
井川静(じん)
カメラの向こうのかすみさんに聞こえるように
わざと暴言を吐く
井川静(じん)
彼女からの返答はなかった
井川静(じん)
井川静(じん)
でも溢れる想いを抑えることができず
井川静(じん)
井川静(じん)
かすみさんが見ていることを忘れて叫んでいた
苦しそうな彼女の身体を無理矢理起こし
強引に唇を奪った
彼女に抵抗する力はもうなく
流れ落ちる涙だけが
彼女の心を映し出しているようだった
瘡蓋だらけの身体を抱き寄せ
溢れる想いをぶつけ続ける静さんの姿を
かすみさんはどんな目で見つめていたのだろうか?