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文ストBL短編集!

21 - 芥敦 『芥川龍之介』を殺したのは

♥

611

2022年07月13日

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おはようございます

今日は…

初めての…

芥敦、です…

チョット、双黒じゃ上手く行かなかったヨ…

伽羅崩壊してると思う

注意!

※BL ※芥敦 ※死ネタ ※話の展開やばい ※伽羅崩壊有 ※重い ※重い ※重い

最後は大事なので3回云いました

それではれつご

僕の名前は中島敦。

武装探偵社員だ。

一週間前の出来事の所為で少しの間休んで居たけど、今日から復帰するのだ。

出来事___

そう、芥川が死んでしまったのだ。

僕を庇って。

未だに、信じられない…

けれども芥川が繋いでくれた命で、僕は生きていきたい。

探偵社の戸を開ける。

中島 敦

お早う御座います

中島 敦

あれ…今日は太宰さんだけじゃなく、乱歩さんも居ないんですね…

中島 敦

何処に行ったんですか?…

如何したんだろう?皆が何も云ってくれない。ただ此方を見ている。

国木田 独歩

…お前…

中島 敦

あの…僕、何かしましたか?

国木田 独歩

否、お前…芥川は

中島 敦

厭だなあ

中島 敦

芥川は死んだじゃ無いですか

国木田 独歩

国木田 独歩

…辛くは無いのか、そんな風に振る舞って

中島 敦

確かに辛いですけど

中島 敦

崩壊は此の芥川が繋いでくれた命で今も生きて居る___

中島 敦

そうでしょう?

国木田 独歩

…そうだな

国木田 独歩

お前の中では、そうなっているんだな

中島 敦

…如何云う意味ですか

国木田さんの様子が可笑しい。

僕の反応が予想と違ったのだろうか。

中島 敦

あ、資料運ぶの手伝いますよ

国木田 独歩

いや…かなり重いからな…

中島 敦

大丈夫ですよ、虎の力が有れば!

その瞬間、国木田さんの眼が悲痛に歪められた。

国木田 独歩

良いんだ

国木田 独歩

もう一日…休め

そう云うと、国木田さんは理想の書かれた大切にしている手帳を握り締め、奥へ行ってしまった。

僕は何か間違えたのだろうか?

だとしたら、申し訳ない…。 国木田さんにも認められるように、僕は僕であろう。

与謝野 晶子

なァ

次に話しかけてきたのは、与謝野女医だ。

与謝野 晶子

妾は国木田みたいに優しくは無いからはっきり云ッてやるよ

中島 敦

何…の事ですか…?

与謝野 晶子

もう真似ッ子なんて止めな

中島 敦

ぇ?

中島 敦

ま、ね…?

何の事だろう?

だって僕は中島敦、疑う余地なんて…。

嗚呼!違う!

そうか、あの時少し頭を打ったから…。

そうか、其れで少し性格が変わったんだ…。

与謝野女医を困らせるなんて、申し訳ない。

ちゃんと元通りの中島敦になろう。

与謝野 晶子

…後は休ンで、考えな

中島 敦

…有難う御座います

笑ってその場を後にした。

与謝野女医が悲しそうにして居たのは気の所為だろう。

きっと。

気を晴らす為に街中を歩いていると、『おーい』と声が聞こえた。

江戸川 乱歩

こんな所で何してるんだ?

中島 敦

乱歩さん!

中島 敦

其れは此方の台詞ですよ、探偵社に居ないなんて珍しい___

江戸川 乱歩

敦の真似なんてして

中島 敦

っ!?

また、真似? 違う、そんな事してない、違う違う違う。

此れは頭を打ったから、多分そうだから…。

江戸川 乱歩

僕を誤魔化せるとでも思った?

江戸川 乱歩

人にはね、癖って物が在るんだよ

江戸川 乱歩

其れは外傷によってコロコロ変わるもんじゃ無い

江戸川 乱歩

違うんだよ、細かい所が

中島 敦

何、云って…

江戸川 乱歩

君がどんな振る舞いをして来たかは大体予想がつく

江戸川 乱歩

けど、そろそろ…

江戸川 乱歩

現実を見た方が良い

中島 敦

…見てますよ、そんなの…!

中島 敦

だって、芥川は、芥川が…

そう、芥川は死んだ。

現実なんて見えてる。

『芥川龍之介』は死んだんだ。

江戸川 乱歩

…お前

江戸川 乱歩

敦くんだけじゃなく、『芥川龍之介』まで殺す気かい?

江戸川 乱歩

そんな事をしたって

江戸川 乱歩

彼は喜ばないよ

中島 敦

如何云う…っ

違う、違う違う。 僕は敦、中島敦で…芥川に、庇われて…探偵社員で…芥川とは、犬猿の仲で…でも、あれ…?

中島 敦

ゲホッ…

中島 敦

あ、れ…?

中島 敦

違う…っ

江戸川 乱歩

もう一度云おうか?

乱歩さんの目が今迄見た中で、一番と云って良い程冷たかった。

全てを見通した彼が、真実を含んだ息を吸う。

嫌だ、聞かせないでくれ。

中島 敦

う…

中島 敦

うわぁぁああぁあああっ!!

耳を押さえて、乱歩さんを押し退けて逃げた。

聞きたく無い。

現実を、見たくない。

どれだけ走っただろうか。

気付いた時には、細い路地に居た。

荒い息を吐き乍ら、壁に手をつく。

ふと、背後で足音がした。

中島 敦

…太宰、さん

太宰 治

中島 敦

如何したんですか、こんな所で

中島 敦

早く探偵社に…

太宰 治

もう、止めなよ

中島 敦

っ!

中島 敦

太宰さん迄…

太宰 治

もう、良いんだ

太宰 治

・・・
芥川君

中島 敦

___ぁ…っ

芥川?

違う、僕は、僕は僕は…中島、敦、で…

あれ?

中島 敦

ち、が…僕、は…

太宰 治

芥川君

太宰さんが僕を抱き締めた。

太宰 治

もう、良いんだよ…

中島 敦

僕は、敦ですよ…?

太宰 治

…私と初めて会った時を憶えてる?

中島 敦

そんなの…

憶えて居ない筈が無い。 孤児だった頃、森を抜けた所に未だマフィアに居た貴方が___

中島 敦

あ…

太宰 治

違うだろう?

太宰 治

敦君と会ったのは、河原だったよ

太宰 治

芥川君

嫌だ。

太宰 治

君は芥川君だ

嫌だ、云わないで下さい…!

太宰 治

・・・・・ ・・
死んだのは、敦君だよ…

息を呑む。

記憶が再生される。

中島 敦

芥川!!

敦が、自分を押す。

敵の攻撃から僕を守る為に。

芥川 龍之介

人虎…!?

敦の背が切り裂かれる。

だが、其の顔は安心した様だった。

守れて良かった___

そう云う様に。

気付けば、敵は死んで居た。

如何やって殺したのかも覚えて居ない。

其の姿は、最早原型を留めて居なかった。

だがそんな事は如何でも良かった。

芥川 龍之介

人虎…!

急いで横たわる敦へと駆け寄る。

中島 敦

…っ

芥川 龍之介

確りしろ!直ぐに助けを…!

中島 敦

良い、良いから

中島 敦

何となく、分かる

中島 敦

もう助からない気がする

掠れた声で、彼は云った。

芥川 龍之介

何を云って…

中島 敦

御免な、芥川…

中島 敦

一つだけ、伝えたい事が残ってるんだ

待て、行くな、行くな、逝くな。

嘘だ。お前は…お前は、太宰さんから…皆から期待されて居るだろう。

何故僕なんかを。

敦が声を出して居る。 表情を動かして居る。 僕の顔に触れて居る。

聞こえない。 見えない。 感じられない。

もっと聞かせて欲しかった。 もっと見せて欲しかった。 もっと触れて欲しかった。

お前を___

お前が、

お前と

芥川 龍之介

敦…っ

もっと、一緒に居たかった。

もう、出来ない。

あの後、泣いて、泣いて、敦を抱いてひたすらに泣いた。

其れから、魂が抜けてしまった様になって。

其の内、自分が中島敦になれば良いと思った。

死んだのは芥川龍之介。

中島敦の死を、無かった事に。

先ずは見た目と口調を___

そして仕草を、表情を、性格を。

完璧だと思って居た。

でも、駄目だった。

芥川 龍之介

太宰さん…っ

芥川 龍之介

僕のした事は…間違いですか…っ?

太宰 治

そんな事は、私には分からない

太宰 治

云えるのは、謝罪だけだ

太宰 治

御免ね、二人共___

彷徨う禍狗の、号哭が響いた。

芥川 龍之介

…其処に居たんだな

芥川 龍之介

中島 敦

芥川

中島 敦

やっと見つけてくれたんだね

芥川 龍之介

嗚呼

中島 敦

…伝えたかった事

中島 敦

今、もう一回云うよ

中島 敦

…好きだったよ

中島 敦

今迄も、これからも

芥川 龍之介

…僕もだ

芥川 龍之介

また会う日まで、誰にも取られるなよ…

中島 敦

当たり前だよ

中島 敦

いつでも此処に居るから___

君は、何時でも僕の心の中に。

はい

読んで頂き有難う御座いました

色々と拙い部分、ベタな部分ありましたが、気に入っていただければ幸いです

それでは

♡、コメ、フォローお願いします

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