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――ICU
白い光
無機質な天井
永夢は処置台の上
ピッ…ピッ…
モニターが不安定に波打っている
胸のドレーンバッグ
さっきまで穏やかだった液体が、急に増えていく
看護師
医者
飛彩
無影灯が再び照らす
胸腔は再開
医者
ガーゼは既に赤く染っている
飛彩
ズッーズズッーー
血液が吸い上げられる
飛彩
鉗子が渡される
縫合糸が通る
看護師
飛彩
飛彩の額に汗が滲む
縫合
圧迫
モニターが乱れる
波形が細くなる
看護師
飛彩
薬剤が流れ込む
一瞬、波形が戻る
しかし――
モニターにギザギザの波形
医者
モニターが荒れる
飛彩の声が低く、鋭くなる
飛彩
開胸状態
直接心臓マッサージ
飛彩の手が心臓を包み込む
医者
医者
衝撃
心筋が一瞬大きく収縮する
一瞬波形が戻るが――
すぐに崩れる
看護師
飛彩
針が刺さり、薬剤が流れ込む
飛彩
飛彩の手は止まらない
飛彩
そして
再度除細動
衝撃
心臓が跳ねる
ーーピーーーーー
音が空気を裂く
一瞬だけ、世界が止まる
飛彩
押す
離す
押す
離す
ピッ
小さな、波形
ピッ……ピッ……
弱い
だが、確実に鼓動
飛彩は一瞬、安堵する
飛彩
出血点を縫合
グリップ追加
胸腔ドレーン再留置
閉胸
飛彩
胸が、機械に合わせて上下する
自発呼吸はない
飛彩
静かな病室
シュー…
シュー…
人工呼吸器の規則的な音
永夢は眠ったまま
チューブが喉に入り、点滴が腕に繋がる
だが、自分の力では呼吸していない
飛彩は椅子に座っている
白衣の袖はシワだらけ
目の下に影
ガチャ
貴利矢
振り返らなくてもわかる
監察医だ
貴利矢
飛彩は目を逸らさずに答える
飛彩
貴利矢
貴利矢はベッドの足元に寄りかかる
貴利矢
貴利矢
飛彩の眉が僅かに動く
貴利矢
飛彩
飛彩の声が響く
飛彩
飛彩
飛彩
貴利矢
貴利矢
貴利矢
飛彩
貴利矢
飛彩
貴利矢
飛彩
貴利矢
飛彩の視線が永夢に落ちる
飛彩
声がかすれる
飛彩
貴利矢
貴利矢は肩をすくめる
貴利矢
貴利矢
貴利矢
貴利矢
貴利矢
貴利矢
飛彩
ピッ……ピッ……
永夢の心音が鳴り響く
飛彩の拳がゆっくりとほどける
貴利矢は永夢の寝顔を見る
貴利矢
貴利矢
ほんのわずか、飛彩の口元がゆるむ
飛彩
貴利矢
貴利矢はドアへ向かう
貴利矢
貴利矢
ガチャ
飛彩は永夢の手に触れる
飛彩
今度の声は責める響きではない
ただ、待つ声だった。
飛彩
俺は、永夢の手を握ったまま眠りについた