この街には、昔から伝われている〈物語〉がある。
それは……
黒猫の恩返し
昔ある貧しい婆さんが怪我をしていた黒猫に
手当をし、飯を上げたそうだ
その翌日以降おばあさんのとこには、きちんとした米が届き幸せに過ごせたという
その名の通り「黒猫の恩返し」である
女いち
男いち
女に
男に
結衣
今日もまた罵倒を浴びる
着崩れた制服、痣を隠すために履いたタイツ
結衣
みんな私を汚そうに、同調したり、何気なく通ったりしている
今にも泣き崩れそうな所を我慢する
さあ、帰ろう
黒猫
黒猫
結衣
帰路の途中の神社から猫の声がする
結衣
猫は木の影から出てきた。
しゃがみ猫を撫でる
黒猫
結衣
ゴロゴロ
結衣
黒の毛皮に隠れて傷が見える
黒猫
黒猫は私の足に巻き付く
結衣
結衣
避けながら撫でる
結衣
微かに血が出るキズ部分
あぁ、私と同じだ
虐められる私と黒猫を重ねる
結衣
結衣
黒猫は私をじっと見つめる
結衣
黒猫を抱きかかえ病院に向かった
結衣
黒猫
病院から帰宅した私はベットに座る
結衣
制服の下の痣が痛む
黒猫
心配そうに私の指を舐める
結衣
優しく頭を撫でる
猫の怪我はすぐに治るそうだ
当分の間預かっておこう
結衣
黒猫
返事をするかのように鳴く
結衣
女いち
男いち
女に
机の落書きをティッシュでふく
男に
結衣
女いち
女に
結衣
毎日こんな感じだ
女どものストレス発散方になり
日々虐められる
女いち
結衣
失敗した…
あぁ、『幸せになりたい』
いじめっ子女が私に向かって大きく殴ろうとする
ひらっ
黒猫
結衣
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!