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原神 BL 短編集

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原神 BL 短編集

第1話 - 鍾離×タルタリヤ〜初恋編〜

530

2023年03月27日

#BL

#原神腐

腐ったほたる。

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530

腐ったほたる。

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ある日鍾離と共に稲津に訪れた旅人…

パイモン

稲津に到着だ！

鍾離

ここに来るのは、随分と久しいな

旅人

色々あったけど、鍾離先生が来れてよかったよ

パイモン

ほんとだぞ〜 …オイラ腹減った

旅人

あ、モラ…ない

パイモン

ないのかよ！？
鍾離が持ってるわけないじゃんか！

鍾離

む、毎回忘れてたが今回ばかりは遠出するからな…ちゃんと持ってきたぞ

鍾離は財布を取りだした

パイモン

おぉ？！ついに鍾離が財布持ってきた！！

鍾離

…ふむ、中身が空っぽだったな

旅人

……

パイモン

なんでだよっ！！！！！

タルタリヤ

相変わらずだねぇ…鍾離先生は

旅人

？！

パイモン

うわぁっ！でたぁ！！

タルタリヤ

あはは、俺はお化けじゃないよおチビちゃん

鍾離

公子殿も来ていたのか

タルタリヤ

ちょっと野暮用でね…

パイモン

まーーたなにか企んでるのか〜？？？

旅人

違うよパイモン

パイモン

へ？

タルタリヤ

んー、どうやら相棒にはバレてるみたいだね

パイモン

なんだよ！勿体ぶらないで教えろよ！！

タルタリヤ

せっかちだねぇ…ただの休暇だよ

鍾離

ほう…？

旅人

ただの休暇…ねぇ

パイモン

…って事はプライベートで来たってことだよな？わざわざ稲妻にくるなんて、珍しい…用事でもあんのか？

タルタリヤ

おチビちゃんには話せない大事な大事な用事だよ

パイモン

なんだよそれっ！

旅人

直接聞いたわけじゃないけど察するよ、今ここで声を大にして言わないであげるから…奢ってもらおうかな！

タルタリヤ

おっと〜？怖いことサラッと言うね

パイモン

そーだ！そーだ！

旅人

どうする？

タルタリヤ

わかったわかったよ、まぁ…正直そのつもりが無ければ声なんか掛けやしない

旅人

流石公子様

パイモン

よっ！太っ腹！

鍾離

む、いいのか？毎度申し訳ないな

タルタリヤ

はは、そう思ってくれるなら中身もちゃんと入れてくるようにしてくれよ先生

鍾離

あぁ…善処する

旅人

そうと決まれば…稲妻で美味しい料亭があるから、そこに行こうよ

パイモン

オイラはラーメンとか、団子とか、色々食べたたくて仕方ないぞ…っ

タルタリヤ

へぇ、それはいいね！楽しみだ

鍾離

(あまりにも偶然にしては…まぁ後で聞くとしよう)

食事を済ませた一行は店を後にした

パイモン

げっぷ…オイラもう食べれない〜…

旅人

毎回食べ過ぎだと思うけど

タルタリヤ

ほんとよく食べるね、尊敬しちゃうよ

パイモン

えっへん！大食いだけはオイラ負けないぞ

旅人

そこドヤるとこかな…

タルタリヤ

さーて、君たちはこの後の予定は決まってるのかな？

旅人

特に決まってないよ、鍾離先生とは成り行きで来たからね…

鍾離

あぁ、確かに予定は決まっていない

パイモン

オイラ沢山食べたら眠くなってきちゃったぞ…

旅人

牛になるよパイモン

パイモン

うぅ…それは嫌だ、でも眠い

鍾離

なら2人は1度宿に戻って休むといい、俺は公子殿と回ろう

タルタリヤ

えっ！？

鍾離

先約が無ければ、だがな

タルタリヤ

あー…ないよ、ないの分かって言ったでしょ先生

鍾離

なら決まりだ

旅人

わかった、ならお言葉に甘えて休ませてもらうよ

パイモン

起きたらまた合流しような！

鍾離

あぁ、また後で

2人で稲津を観光することに

タルタリヤ

まさか先生と稲妻でこんな形で2人きりなるとはねー

鍾離

想定外だった訳でもないだろう？あまりにも偶然すぎる

タルタリヤ

……なんだ、やっぱり勘づかれてたか

鍾離

おかげで助かった

タルタリヤ

毎度そうとは限らないよ…とは言え財布持ち歩くようになっただけ少しは成長したかな

鍾離

せっかく貰ったプレゼントだからな

タルタリヤ

人から貰った物は大事にするのに、俺からの好意は受け取らないんだ？

鍾離

…なんの事だ？

タルタリヤ

はぁ…まぁいいさ、焦ったってなんも変わりやしないからね

鍾離

矢張り…冗談じゃないのか？

タルタリヤ

冗談で丸く収まるならどれほど良かったか

鍾離

そうか…すまない

タルタリヤ

ま、いいよ。今の距離感でも俺は嫌いじゃないからね

鍾離

……

遡ること数日前…

鍾離

公子殿…入るぞ

タルタリヤ

いいよ

鍾離

…失礼する

タルタリヤ

急に呼び出して申し訳ないけど、ちょっと先生に言いたいことがあってさ

鍾離

それは契約に関する事か？悪いが俺はもう凡人だ。ファデュイの力になれる事は何も無い

タルタリヤ

あはは…っ、大丈夫安心してよ。俺が今言いたいのは執行官としての話じゃなくて俺個人の話だから

鍾離

む、そうだったのか…すまない身構えてしまっていたようだ

タルタリヤ

全然大丈夫さ、相変わらず先生は面白い人だ

鍾離

2人きりで大事な話があると言われたからな…

タルタリヤ

大事なのは変わらないよ

鍾離

そうなのか？

タルタリヤ

あぁ、実は数日前から俺も驚く事に気付いたばかりでね…正直戸惑っていたんだ

鍾離

ほう…

タルタリヤ

単刀直入に言うと、先生の事好きみたいでね

鍾離

…ほう、？

タルタリヤ

んー…なんて言えば、あぁそうそう…恋愛対象って言えばわかるかな？いくら岩神様でもそれくらい分かるでしょ

鍾離

恋愛対象…なるほど、公子殿が言いたいことはわかった

タルタリヤ

うんうん

鍾離

……

タルタリヤ

…まぁ、先生からしたら何も感じないだろうけど

鍾離

少し、驚いてはいる

タルタリヤ

それは俺自身も驚いたよ、まさかってね

鍾離

いつからだ？

タルタリヤ

んー…1か月前、くらいかな…自覚はそれこそしてなかったよ。先生とは璃月の一件以来色々あってから俺も執行官の職務に追われてて話せてなかったし

鍾離

確かにそうだな

タルタリヤ

それから先生とは話せてなかったから心がぽっかり開いたように寂しくてね、いずれこの日が来るのは遅かれ早かれあっただろうし…分かってはいたけどさ

鍾離

……

タルタリヤ

先生には最後の最後まで騙されて挙句の果てには気まずい空気があるし、もう話してくれないんだなーって思っちゃったらモヤモヤしちゃってね。それで相棒に聞いたんだ

鍾離

旅人に？

タルタリヤ

そう、それって恋じゃない？ってシンプルに言われて納得しちゃった自分がいたのさ

鍾離

…ほう

タルタリヤ

確信をつく質問されたら、認めざるを得ないでしょ？

鍾離

公子殿は俺と話しがしたかったのか？

タルタリヤ

子供が寂しいって言うのとは違うね、先生と過ごした時間が俺にとって大切だったってわけさ

鍾離

それでこのような場を儲けたのか？

タルタリヤ

正直先生とどうなりたいとか、あわよくばお付き合いしてとか…今は考えてないよ。立場上難しいだろうし

鍾離

なるほど…ならば、俺はどうするべきだろうか

タルタリヤ

はは、いつも通りでいいよ。欲言うと先生とはもっと話せる機会が欲しいね

鍾離

そうか…それならいくらでも構わない

タルタリヤ

ありがとう先生、ちゃんと話せてスッキリしたよ

鍾離

…

タルタリヤ

先生も何かあったら遠慮なく言ってよ

鍾離

あぁ…すまない。まさか公子殿からその様な話を聞くとは思わなかったからな

タルタリヤ

自分でも驚いてるよ、俺の初恋だからね

鍾離

何、そうなのか？

タルタリヤ

そういう色恋沙汰は全く無かったから

鍾離

そうか…

タルタリヤ

先生を困らせたくて伝えたつもり無かったけど、そう深く考えなくていいよ

タルタリヤ

子供の戯言だと思って軽く捉えてくれれば俺はそれでいいから

鍾離

ふむ、公子殿がそう言うのであれば…

タルタリヤ

話聞いてくれてスッキリしたよ、それじゃ。今日はゆっくり休むよ

鍾離

あぁ、話してくれて感謝する。良き夜を

後日公子は旅人に報告するべく呼び出した

旅人

おはようタルタリヤ

タルタリヤ

おはよう相棒

旅人

ちゃんと話せた？

タルタリヤ

話せたよ

旅人

なら良かった、どうだった？

タルタリヤ

どうもなにも、伝えただけでなんも変わらないさ

旅人

それで良かったの？

タルタリヤ

良かったかどうかは分からないね、ただ先生困らせるのは違うかなって

旅人

確かにそうかもしれないけど…

タルタリヤ

それに俺たちは立場上難しい、わかるだろ？相棒

旅人

わかるよ、でも

旅人

恋愛に立場とか、そう言うの関係ないよ

タルタリヤ

関係ない…か

旅人

じゃあ、仮にこのまま鍾離先生が誰かに取られていいのか？

タルタリヤ

……

旅人

少しでもモヤモヤしてるなら、後悔するよ

タルタリヤ

仮にさ、先生が俺の好意受け入れなかった時はどうするんだい？

旅人

その可能性はないと思う

タルタリヤ

キッパリ言い切るね…

旅人

あの人は押せば…タルタリヤだったら、受け入れてくれるはずだよ

タルタリヤ

なんでそう言い切れるのかな？

旅人

んー、直感

タルタリヤ

えーっと…相棒の直感は信用していいのかな？

旅人

信じなくてもいいけど、このまま何もしなかったら本当に終わるよ

タルタリヤ

ふーん？ハッキリ言うね

旅人

これも俺の直感だけど、伝えてから何か変化あった？

タルタリヤ

んー？特には…

旅人

ほんとに？鍾離先生はタルタリヤの気持ち聞いてどう接したらいいか分からなくなってるんじゃない？

タルタリヤ

……

タルタリヤ

相棒の言うことは信じた方が良さそうだね、伝えた日から…確かに先生と目が合うだけですぐ逃げられる。とてもじゃないけど話すのは難しくなっちゃったね

旅人

鍾離先生なりに考えてるとは思うけど、結局今のままじゃ伝える前と変わらない

タルタリヤ

なら、流れを変える方法は？

旅人

猛アタック

タルタリヤ

うーん、シンプル

旅人

グイグイ行った方がいい

タルタリヤ

グイグイ…ねぇ

旅人

ま、頑張りなよ。応援してる

タルタリヤ

あはは、ありがとう相棒。助かるよ

旅人のアドバイス通り公子は鍾離にアタックする事に

鍾離

……

タルタリヤ

やぁ、先生

鍾離

…公子殿か

タルタリヤ

少し時間あるかな？

鍾離

すまないが後にできるだろうか？

タルタリヤ

この後予定ないのに？

鍾離

…知ってて聞いたのか

タルタリヤ

はは、ごめんごめん

鍾離

いや、そうだな…話がしたいならいいだろう

タルタリヤ

ありがとう先生

タルタリヤ

実は前話したことの続きになるんだけど

鍾離

…あぁ

タルタリヤ

何も変わらないし何もしなくていいって言ったの、全部無しにするよ

鍾離

…無しに？

タルタリヤ

どうも俺の味方してくれる恋のキューピット曰く猛アタックするべきだって助言してくれてね

鍾離

恋の…きゅーぴっと、？そうなのか…

タルタリヤ

そうそう、だから先生と両想いになれるようにアタックさせてもらうよ

鍾離

…立場上難しいと言うのは、いいのか？

タルタリヤ

執行官として先生を口説いてる訳じゃないからね

鍾離

公子殿、一ついいだろうか

タルタリヤ

ん？いいよ

鍾離

俺は今まで恋愛というものを経験した事がない、それに感情も分からなければどう受け取るべきか…ここ数日考えていたところだ

タルタリヤ

だろうね、凡人になって日も浅いだろうし理解はしてるよ

鍾離

それにそういう話は異性の間でおこることだ同性だからこそ悩ましい

タルタリヤ

先生は真面目だ、ただ安心して欲しいけど同性相手にこんな気持ちになるの先生くらいだと思うよ

鍾離

なぜそう言い切れる？

タルタリヤ

この歳まで戦うことしか頭になかった俺が先生に恋した、これだけで十分だと思わない？

鍾離

…

タルタリヤ

先生からしたら俺の言う事なんて理解できないだろうけど、本気だからこそ先生には振り向いてもらいたい。そう思うようになった…それだけだよ

鍾離

もし、断る…と言ったらどうする？

タルタリヤ

想定内だよ、だから宣言通りアタックさせてもらう

鍾離

先に聞いておきたいのだが

タルタリヤ

うん？

鍾離

具体的に、どんな感情になるのか…聞いてもいいだろうか？

タルタリヤ

みんながそうかは分からないけど、俺の感情は…まず先生と居るだけで心が踊るね。時にはドキドキで爆発しそうだよ

鍾離

それは逆に心配だ…

タルタリヤ

それくらい感情は舞い上がるってことさ
他は…独占欲かな？

鍾離

ほう…

タルタリヤ

それから先生に触れたいとさえ思うよ

鍾離

…触れたい、のか

タルタリヤ

恥ずかしいからしないけどね

鍾離

数日前旅人が恋仲同士で手を繋ぐのは当たり前だと聞いたが…

タルタリヤ

あー…うん、まぁそれもあるかな？

鍾離

他にもあるのか？

タルタリヤ

それ以上は…言わないでおくよ

鍾離

？そうか

タルタリヤ

とにかく先生には悪いけど、この恋が冷めるまではアタックさせてもらうよ

鍾離

…何度断ってもか？

タルタリヤ

断る理由があるのかな？

鍾離

公子殿はまだまだ若い、俺にするのはお勧めしない…それだけだ

タルタリヤ

好きな人は決められないんだよ

鍾離

しかし…

タルタリヤ

先生は優しいね、でもごめん…この気持ちは止められそうにないや

鍾離

…

パイモン

おーーい！2人とも何話してるんだ？？

旅人

こらパイモン！！

パイモン

え？！？

鍾離

すまない公子殿、また今度話そう

タルタリヤ

あはは、仕方ないね。いいよ

旅人

ご、ごめんパイモンが

パイモン

なんでだよっ！オイラ何かしたか？！

鍾離

はは、大丈夫だ気にするな

タルタリヤ

相変わらず元気だねおチビちゃんは

パイモン

オイラはいつだって元気いっぱいだからな！

旅人

元気すぎて心配だよ俺は

パイモン

心配する要素ないだろ！

パイモン

所で何話してたんだ？

タルタリヤ

え？あー…

鍾離

近場に美味しい料亭があるから食べに来ないか？と誘っていたところだ

タルタリヤ

！、そうそう！先生がお勧めしてくれるみたいだよ

旅人

…

パイモン

おぉ！！なんだそれずるいぞ！オイラも行きたい！！

鍾離

あぁ勿論だ、また日を改めて行こう

パイモン

やったぁ！！

旅人

はぁ、全く…

鍾離

元気なことはいい事だ

タルタリヤ

さーて、俺は仕事に戻る事にするよ。相棒とおチビちゃん、またね

旅人

あ、うん。またね

パイモン

また悪いことたくらむなよな！

タルタリヤ

あはは、しないよ安心して！先生もまたね

鍾離

…あぁ、また

旅人

鍾離先生、この後少しいい？

鍾離

どうした旅人、俺は構わないが

パイモン

おぉなんだ、話でもするのかー？

旅人

ごめんパイモン、鍾離先生と話がしたいんだ。これ…好きなだけ食べていいから2人きりにしてもらっていいか？

モラが入った袋をパイモンに渡して

パイモン

ほわっ！モラだ！好きなだけ食べていいのかー？！

旅人

全額入れてないから、それ使っていいよ

パイモン

へへ、仕方ないなぁ〜！

旅人

ありがとうパイモン、また後で

パイモン

分かったぞ！また後でなー！

鍾離

…

旅人

ごめんね鍾離先生

鍾離

いや、構わない…俺も少し聞きたいことがあったからな

旅人

よかった、場所変えて話そう

鍾離

あぁ、分かった

鍾離を連れて旅人は街の外れまで移動した

旅人

ここなら大丈夫かな

鍾離

あぁ、問題ないだろう

旅人

恐らく俺が話そうとしてること、鍾離先生と同じだと思う

鍾離

それは薄々気付いていた、公子殿の事だろう？

旅人

なら単刀直入に聞くけど、どう考えてた？

鍾離

正直、分からないな。なぜ俺なのかずっと考えていた

旅人

俺もこの話聞いた時は驚いたよ。彼から恋愛相談されるなんてね

鍾離

公子殿が言っていた恋のきゅー…とやらは
矢張り旅人だったか

旅人

はは、そんな事言ってたんだ。まぁ間違ってはいないかな

鍾離

勘違い…であればそれでいいんだが

旅人

俺もそう思ったよ…公子なんか特に恋愛しなさそうだから

鍾離

しかし、目が嘘ついてるとは思えなかった

旅人

そう、だから真剣に聞いた

鍾離

だがその好意を受け取るべきか否か…

旅人

鍾離先生の考えはどうなの？

鍾離

断れるのは想定内だからこそ猛アタックすると言われたが、好意を持たれるのは悪い気はしない

旅人

うん

鍾離

しかし、公子殿はまだ若い

旅人

鍾離先生からしたらそうだよね

鍾離

あぁ…だからこそ俺ではなく別の者と幸せに暮らすべきだと、考えた

旅人

依頼で散々そういう悩みも聞いたけど…年の差があったり、立場の問題があったり。そう思うのは仕方ないと思うよ

旅人

けど、鍾離先生はもう凡人だからみんなと同じ一人の人間だ

鍾離

あぁ、確かにそうだな

旅人

なら、その一人の人間として改めて聞くけど鍾離先生の気持ちはどう？

鍾離

…

旅人

嬉しいとか、ドキドキしたとか…

鍾離

…手離したくないな

旅人

…！

鍾離

1度、俺の元に来る事を選んだのなら
傍に置いておきたい。そう思う

旅人

(あれ、思ってたより…独占欲強いのか？)

鍾離

しかし、このような交際関係に契約をするというのはそう簡単では無い

旅人

…うん

鍾離

異性関係であれば、婚姻を結べば解決するが俺と公子殿とは同性だ

旅人

う、うん？

旅人

(婚姻って…気が早いよ先生)

鍾離

と、なると…公子殿の事だ。離れるのは容易い

旅人

もしかしなくても鍾離先生って公子の事すっごい好きだね

鍾離

そうなのだろうか…

旅人

(え？無自覚怖いな)

旅人

でもなんか…良かった、安心したよ

鍾離

そうか？

旅人

うん、手離したくないと思うなら。縛っとけば離れないよきっと

鍾離

神の座を降りる前ならいくらでも出来たかもしれないが…

鍾離

今は凡人だ

旅人

(今さらっとすごいこと言った…)

鍾離

無理矢理縛り付けることはなるべくしたくない

旅人

でも鍾離先生がそうやってくよくよ悩んでるうちにふらっと何処か消えるかも、公子だし

鍾離

……

旅人

気持ちは誤魔化しても意味無いよ

鍾離

分からないからこそ…戸惑いが生じている

鍾離

彼は触れたいとも言ったが…

旅人

うん…？

鍾離

俺は恐らくそれでは足りない

旅人

(うん、末期だ)

鍾離

しかし加減が分からない、永らく生きたがこのような機会はなかった

旅人

なるほど

鍾離

だが…どうするかと1人で悩んでいたのも旅人と会話をすることで少し整理が出来た

旅人

ほんと？お役に立てたなら何よりだよ

鍾離

あぁ、助かった

旅人

あまり深く考えなくても答えは出てるみたいだから、ゆっくり進めば大丈夫だよ

鍾離

答えが出ていたのか…？流石旅人、何でもお見通しだ

旅人

(色々無自覚なのが厄介だ)

鍾離

色々助かった、また機会があれば旅人に聞いてもらうとしよう

旅人

うん、いつでもきくよ

鍾離

感謝する、では戻るとしよう

時は戻り、稲津を観光した2人は景色が見れる場所へと移動した

タルタリヤ

稲津も中々いい景色だね！とても綺麗だ

鍾離

あぁそうだな…璃月では見れない景色が沢山ある

タルタリヤ

先生と見れてるのも嬉しいよ

鍾離

はは、そうか

タルタリヤ

こういうの“デート”って言うらしいよ？

鍾離

……

タルタリヤ

ま、傍から見ても分からないだろうけど

鍾離

公子殿

タルタリヤ

ん？

鍾離

手を繋いでみよう

タルタリヤ

え？！

鍾離

…嫌か？公子殿がしたいのであれば、と思ったのだが

タルタリヤ

え、いや…えっと、嬉しいけどさ！どうしたの先生急に

鍾離

手を繋げばそう見られるのだろう？

タルタリヤ

んん？先生は見られたいのかい？

鍾離

いや、すまない…変なこと言った

タルタリヤ

あぁもう分かった！今更離せって言われてもダメだからね！

鍾離

あ、あぁ…

そっと鍾離の手を取り繋ぐ公子

鍾離

……

タルタリヤ

…ちょっと黙ってないでよ先生

鍾離

……

タルタリヤ

……先生？ちょっと、恥ずかしいからさ

鍾離

す、すまない…

タルタリヤ

あはは…ねぇ先生？俺の心臓はち切れそうなくらいとんでもなく暴れてるよ

鍾離

…そう、なのか

タルタリヤ

先生はさ、特に何も感じてないだろうけど

鍾離

……そうでもない

タルタリヤ

…え？

鍾離

……

タルタリヤ

…先生？

鍾離

公子殿すまない…

タルタリヤ

なになに先生どうし…

繋いだ手を引き寄せれば公子を抱き締めて

タルタリヤ

…っ？！

鍾離

……公子殿

タルタリヤ

…ん、？？？？ちょ、先生？！

鍾離

今後俺じゃない相手を選ぶなど…

タルタリヤ

えっ、と…先生、何言って…？！

鍾離

断じて許さないが…いいか？それでも

タルタリヤ

許さないって、それどういう…まって、先生どういう状況かな？！

鍾離

婚姻は無理だからな、しかし俺が公子殿を手放さなければ全て丸く収まるだろう

タルタリヤ

へ？！婚姻？！ちょっ、ちょっと先生ぶっ飛びすぎじゃない？！？

唐突な急展開に声を荒らげる公子は鍾離を引き離そうと力を入れるもビクともせず

鍾離

つまり…いずれ離れるつもりなのか？

タルタリヤ

そ、そういう訳じゃないけどさ！！

鍾離

だがもう遅い、公子殿が猛アタックしてくれるのなら…俺もそうさせてもらう

タルタリヤ

えぇ？！なんでそうなった？！！？

鍾離

決定事項だ、契約は出来ないが…決めたことだ

タルタリヤ

先生…ちょっとさ、ほんと急に飛びすぎじゃない？！恋とか分からないんじゃなかったの？

鍾離

あぁ、分からない。だが悔いがないようにと助言を貰ったからな…考えるのはやめた

タルタリヤ

え…えぇ…？

鍾離

公子殿は俺とどうなりたいのか、聞いてもいいだろうか

抱き締める力を弱め真剣な眼差しで公子を見つめる鍾離

タルタリヤ

どうって…急だなぁほんと…

タルタリヤ

まぁ…まずは、お付き合いからじゃないかな…？？

鍾離

ふむ、ならそうしよう

タルタリヤ

あ、いいんだ…先生ってほんと面白いね

鍾離

あまりしたくないが、俺の恋人だと分かる印でも付けよう…どこがいい？

タルタリヤ

ん？印？ちょっと何しようとしてるの先生

鍾離

体の一部に付けるだけだぞ？

タルタリヤ

え？先生それ凡人もしてると思ってる？

鍾離

なに、しないのか？

タルタリヤ

いや…うーん？しない訳じゃないけどさ…なんか、絶対違うよそれは

鍾離

違うのか…

タルタリヤ

先生って…案外激重なんだね。はぁ…今まで悩んでたのが馬鹿みたいだよ

鍾離

む、そうなのか？

タルタリヤ

無自覚なの怖いよ先生？

鍾離

無自覚…？

タルタリヤ

んー…なんだかなぁ、嬉しいけどまだまだ乗り越える壁は沢山ありそうだ

鍾離

案ずるな、公子殿は俺が無条件で守ろう

タルタリヤ

んー…そういう訳じゃないんだけど、頼もしいね

鍾離

日もくれてきた、そろそろ合流しよう

タルタリヤ

確かに、あっという間だ

鍾離

ならば早速だが、公子殿手を繋いでいこう

タルタリヤ

え？！それはちょっと…大胆過ぎないかな？

鍾離

見られて困る事があるのか？

タルタリヤ

あー…いや、ちょっと、周りの目がさ？

鍾離

大丈夫だ、俺達は恋仲なのだろう？

タルタリヤ

っ！

鍾離の言葉に顔を真っ赤にする公子

鍾離

ふ、やはりまだ公子殿は若いな

タルタリヤ

心臓が持たないよ…

旅人達と合流する為公子と鍾離は街へ戻った

パイモン

ふぁ〜…いっぱい寝たぞ！

旅人

おはようパイモン、まぁ夜だけど

パイモン

そういえば鍾離と公子はまだ戻ってないのか〜？

旅人

そろそろだと思うけど…

鍾離

遅くなってすまない

旅人

あ、噂すれば……！

パイモン

おー！2人ともおかえり…って

タルタリヤ

や…やぁ、あはは…

旅人

おぉ…うまくいったんだ

パイモン

え？！なんでお前ら手なんか繋いで…まるで恋人じゃないか！！！

鍾離

あはは、勘がいいな

旅人

まぁ良かったよ

パイモン

え？！どういう事だ…オイラにも分かるように説明してくれよ！！

タルタリヤ

おチビちゃんには早いよ…あはは

鍾離

早さなんて関係ない、簡単な事だ

鍾離

公子殿…タルタリヤ殿とは正式に恋仲になった

パイモン

えぇっ？！？

旅人

おめでとう、良かった

パイモン

旅人はなんでそんな冷静なんだっ？！

旅人

知ってたからだよ

タルタリヤ

はぁ、もう…穴があったら入りたいよ

鍾離

その時は俺も入ろう

タルタリヤ

どこまでも付いて来ようとしてるよね先生？

鍾離

当たり前だ、離すつもりは無いからな

旅人

(相変わらず激重感情だな)

パイモン

お、オイラ…頭がゴチャゴチャしてるぞ…そんなふうに見えなかったのに…

鍾離

見せてなかったからな

タルタリヤ

おチビちゃんには話してないからね…

パイモン

うぇえ、ずるいぞ…そうやってオイラだけ…

旅人

パイモンは墓穴掘りかねないからさ

パイモン

なんだよそれ！！

旅人

現に大事な話してるのに空気読まなかった

パイモン

へ…？いつだ？

パイモンは今までの事を振り返った

パイモン

も、もしかして…あの時か？！オイラ知らずに声掛けちゃったぞ……

鍾離

何もそこまで気を使わなくても大丈夫だ

タルタリヤ

まぁ…結果オーライだし、いいんじゃないかな？なんてね

鍾離

あぁそうだな、公子殿とはこれからだ

タルタリヤ

仮に俺が離れようとしても無理そうだしね

鍾離

離すつもりは無いからな

旅人

タルタリヤ…鍾離先生だいぶ無自覚な上に激重だよ(小声)

タルタリヤ

あはは…みたいだね…嬉しいけど、刺激が強過ぎるね

鍾離

コソコソ何話している？

タルタリヤ

え？ぁあ、いや〜先生と両想いでよかったって！

鍾離

ふ、そうか。可愛いな

タルタリヤ

かわ…っ？！

旅人

うーん、頑張って公子

パイモン

あの公子が悶えてる！！！

タルタリヤ

俺先生に殺されちゃうかも…

鍾離

先に逝かせはしない

タルタリヤ

先生さぁ…

パイモン

旅人これが！！！惚気なのか！！！

旅人

うんうん、そう

鍾離

なるほど、これが惚気か…

タルタリヤ

(うーん、誰か助けて欲しいなぁ)

無事交際がスタートした2人は璃月に戻ってから初デートに行くことに

鍾離

公子殿、待たせたな

タルタリヤ

やぁ先生、全然だよ

鍾離

そうか、では行こう

タルタリヤ

…先に聞いておきたいんだけどさ

鍾離

？どうした

タルタリヤ

モラ、ちゃんとあるよね？

鍾離

ふ、今日は公子殿と待ちに待ったデートだ。忘れるわけが無い

タルタリヤ

あはは、ならいいけどさ

鍾離

男女の交際関係でよく聞くが、割り勘するべきだと言う者もいれば…男性がだすべきだとか…色々派閥があるようだ

タルタリヤ

へぇ、そんなのあるんだ…

鍾離

俺達の場合どう区別するべきか悩んだが…

タルタリヤ

うん？それはつまり先生が彼氏側なのか俺がそうなのか…って話かな

鍾離

まぁそうなるな

タルタリヤ

先生は面白い事ばかり考えてるね？そうだなぁ…いつも俺が払ってるから俺が彼氏側じゃない？なんてね

鍾離

…ほう？

タルタリヤ

不服そうだねぇ

鍾離

…逆転はいつでも可能だ、今日はそういう事にしておこう

タルタリヤ

えぇ…？先生なんか企んでる？

鍾離

…さて、まずは腹ごしらえをしよう

タルタリヤ

あ、受け流された

鍾離

公子殿は何がいいだろうか？

タルタリヤ

んー…先生がいいかな

鍾離

…

タルタリヤ

あはは、冗談だよ…！

鍾離

それは誘っているのか？

タルタリヤ

え？！いや…どんな反応するかなって思ってね！うん！よし、このお店にしよう先生！

鍾離

……ふむ、いいだろう

タルタリヤ

(すごい圧力感じる…)

食事を楽しみその後のデートは順調に進んだ

タルタリヤ

あー今日もあっという間だったねえ先生

鍾離

そうだな、時間が過ぎるのは早いな

タルタリヤ

また明日から忙しくなりそうだ

鍾離

璃月を離れる予定はあるのか？

タルタリヤ

今の所は無いよ、北国銀行で面倒事が残っててね

鍾離

ふむ…なら良かった

タルタリヤ

なーに？俺がもしスネージナヤ戻るってなったらどうするつもりだったのかな？

鍾離

何もしない、安心してくれ

タルタリヤ

ふーん？

鍾離

流石に着いてくのはしない、だが…

タルタリヤ

？

鍾離

いや、なんでもない

タルタリヤ

えぇ？気になるんだけどな

鍾離

…

タルタリヤ

先生の激重感情さらけ出していいんだよ？

鍾離

…心細く感じた

タルタリヤ

へぇ？

鍾離

無自覚…そう言われてたが、これが人を好きになるということなのだろうか

タルタリヤ

先生さー…うーん、可愛いなぁもう

鍾離

可愛い…？のか

タルタリヤ

今とても可愛かったよ、流石にね

鍾離

はは、何とも不思議な感覚だ

タルタリヤ

良かったよ、とんでもないこと言い出すと思ったから

鍾離

ついでに公子殿に変な虫がつかないよう魔除けと言うほど強力では無いが、印をつけるのもありだな

タルタリヤ

あ、やっぱり激重だった

鍾離

普通じゃないのか？

タルタリヤ

うん、凡人はしないよね普通

鍾離

そうなのか…

タルタリヤ

先生はさ、俺のこと信じれない？

鍾離

信じてないわけでは無い

タルタリヤ

なら大丈夫だよ、俺は先生の事しか見ない

鍾離

！…そうか、なら安心だな

タルタリヤ

俺も寂しいよ勿論

鍾離

…ふむ

タルタリヤ

でも先生がちゃんと俺の事好きなんだなって、伝わるから安心出来るよ

鍾離

今までは上手く言葉にするのも難しいとさえ思ったが…伝わってるのであれば何よりだ

タルタリヤ

先生も俺も初めに近いからね

鍾離

あぁ、だが旅人から色々聞いて分かったことも沢山ある

タルタリヤ

お？例えば何かな？

鍾離

公子殿と居るこの時間が愛おしく思う

タルタリヤ

わぁお、すごい事言われたよ今

鍾離

恋というものは…中々深い

タルタリヤ

先生には敵わないな〜

鍾離

このまま時が止まるといいのだが

タルタリヤ

俺はまた次先生とデート出来るのが楽しみだから、そのワクワクだけで乗り越えられるよ

鍾離

それも確かにそうだな、ならば次回会える日を楽しみに待つ事にしよう

タルタリヤ

それじゃ、先生明日も早いから帰らせてもらうよ！

鍾離

あぁ、ゆっくり休むといい

時は流れ、公子は旅人ととあるものを探しに浜辺に来ていた

旅人

この辺かな…

パイモン

あ！旅人あったぞ！

旅人

ほんとだ！タルタリヤ見つけたよ

タルタリヤ

お、これはすごく綺麗な星螺だね

パイモン

オイラ天才だ！

タルタリヤ

流石だよ、おチビちゃんやればできる子だね

パイモン

えっへん！

旅人

(子供の扱い慣れてる)

タルタリヤ

さて、と…これだけ集まれば問題ないよ。ありがとう相棒とおチビちゃん助かった

旅人

どういたしまして

パイモン

そんなに集めて、鍾離にあげるのか？

タルタリヤ

2人のおかげで余るほど集められたからね、一応考えてるよ

旅人

順調そうで良かったよ

パイモン

オイラ未だに実感湧かないぞ…

旅人

元々仲良かったし…2人が並んでるの見ても違和感ないからだよきっと

パイモン

オイラ思うんだけど…

タルタリヤ

うん？

パイモン

付き合ってるってことは、キスとかするんだよな？

旅人

ﾌﾞｯ(吹き出す)

タルタリヤ

？！？

パイモン

え？！オイラ変な事聞いたか？！

旅人

げほっ、パイモンの口からそんな言葉出てくると思わなかった

タルタリヤ

お、おチビちゃん…どこで覚えたんだい？

パイモン

な、なんだよ！オイラを子供扱いして！！それくらい知ってるぞ？2人してバカにするなよっ！！

旅人

ご、ごめんごめん！

タルタリヤ

あはは…

旅人

あれ…その反応、もしかして未遂？

パイモン

えっ！？もう何ヶ月も経ってるんだぞ？！

タルタリヤ

はぁ…まぁ恥ずかしいからさ、言わなかったけどそうだよ

旅人

そうだったんだ…

パイモン

お、オイラ…余計な事聞いたよな…

タルタリヤ

いや、おチビちゃんは悪くないよ

タルタリヤ

実は…少しだけそれで悩んでてね

旅人

うん

タルタリヤ

先生とは何度かデートもして順調だよ勿論

旅人

惚気は沢山聞かされたからね

パイモン

そうだぞ、だからてっきり…

タルタリヤ

うん、先生といい雰囲気にはなるんだけど

旅人

うん

タルタリヤ

逃げられるんだよね

パイモン

なんだって？！

旅人

パイモン…うるさい…

パイモン

ご……ごめん

タルタリヤ

あはは…勿論嫌われてないのはわかるんだけど…

旅人

……

タルタリヤ

やんわり俺を傷つけないように避けられる感じかな？

旅人

うーん…多分だけど…

タルタリヤ

うん

旅人

あの人加減分からない言ってたからさ

パイモン

ほぇ…そうなのか

旅人

まぁあれだよ…耳貸して

タルタリヤ

ん、なんだい？

旅人

我慢出来なくなって犯したくなるからだと思う(小声)

タルタリヤ

…！

パイモン

え！ちょ、オイラにも聞かせてくれよ！
ずるいぞ！！

タルタリヤ

んん…な、なるほどねぇ…っ

パイモン

顔真っ赤だぞ？！何言ったんだ旅人！

旅人

あはは…パイモンにはちょっと早い…かな？

パイモン

また子供扱い！！

旅人

だって本当に早い

パイモン

うぅ…大人ってずるいぞ…

タルタリヤ

あー…うん、ありがとう旅人…理解出来たよ…

旅人

恐らく…だけどね？

タルタリヤ

あの人なら…うん、想定できるよ…

旅人

後はタルタリヤがどうしたいか、だね

タルタリヤ

この後会う約束してるのに…はぁ、緊張してきたよ

パイモン

ふん！オイラもう拗ねた

旅人

え？

パイモン

早くキスしなかったらオイラが邪魔しちゃうからな！

タルタリヤ

えぇ…？？

旅人

こらこら

パイモン

オイラ本気だぞ！！ふん！

タルタリヤ

おチビちゃん…そう言われてもね

パイモン

なんでだよっ！お互い好きならしたいだろ！

タルタリヤ

そりゃ…ね？

パイモン

ならする！しない理由なんてないと思うぞ！

旅人

(パイモンがいつになく気合いがすごい)

タルタリヤ

確かに…おチビちゃんの言うことは一理あるね…少し自信が出たよ

パイモン

そーだ！公子がヒヨってるなんてらしくないぞ！！

旅人

(なんかいい方向に行ってるからいいか)

タルタリヤ

あはは、おチビちゃんの言う通りだ！

旅人

まぁ何はともあれ、上手く言うこと願ってるよ

タルタリヤ

そうだね、2人のおかげでまた1歩進めそうだよ

パイモン

その意気だ！応援してるぞ！！

タルタリヤ

ありがとう！またこのお礼は日を改めてさせてくれよ

旅人

うん、分かった

パイモン

楽しみにしてるぞ！またな公子！

旅人と解散した後公子は待ち合わせ場所へ向かった

鍾離

早く着きすぎたな…

タルタリヤ

あ、先生ちょうど良かった

鍾離

！

タルタリヤ

最近早く来てるからね、予想通りだ

鍾離

はは、楽しみで待ってられなくてな

タルタリヤ

これじゃあ毎回約束の時間より早く来る事になっちゃうじゃないか

鍾離

ふ、確かにそうだな

タルタリヤ

あ、そうそう…先生にこれプレゼントするよ

鍾離

これは…

タルタリヤ

俺が愛用してる貝殻をストラップにしてみた星螺だよ、弟達にいつもあげてるんだけど…先生にも良かったらと思ってね

鍾離

いいのか？ありがとう、大切にさせてもらう

タルタリヤ

どういたしまして、喜んでもらえてよかったよ

鍾離

公子殿

タルタリヤ

うん？どうしたの先生

鍾離

今日は公子殿と交際をして半年だ

タルタリヤ

あはは、先生覚えてるんだ？

鍾離

当たり前だ、契約はしてないとはいえ忘れる訳には行かない

タルタリヤ

流石鍾離先生だ

鍾離

そこで、公子殿の願いを聞こう

タルタリヤ

願い？また急だね

鍾離

俺は公子殿からプレゼントを貰ったが俺はまだ渡せていない

タルタリヤ

なるほどね

鍾離

何が欲しい？

タルタリヤ

んー…

鍾離

なんでもいい

タルタリヤ

ならさ…

鍾離

あぁ、言ってみろ

タルタリヤ

キスしてほしいな

鍾離

…！

タルタリヤ

なんでもいいなら、ありでしょ？先生

鍾離

…

タルタリヤ

半年も経つのにしてないよ、今日おチビちゃんにすら言われたんだからね先生

鍾離

…しかし

タルタリヤ

大丈夫だよ、先生の事は受け入れてる

鍾離

…公子殿

タルタリヤ

なに？

鍾離

幻滅するかもしれないぞ

タルタリヤ

しないよ、受け入れるさ

鍾離

その…口づけだけで抑えられる自信が無い

タルタリヤ

あはは、やっぱりそういう事なんだ

鍾離

その覚悟もあるのか？

タルタリヤ

もちろん、全て受け止めるよ俺は

鍾離

公子殿…すまない、ずっと触れたいという衝動が収まらなくてな…永らく悩んでいた

タルタリヤ

んん、先生って…ほんとさぁ…

鍾離

す、すまない公子殿…

タルタリヤ

俺だって同じ気持ちだよ

鍾離

…！そうだったのか

タルタリヤ

逆に嫌なのかなって考えちゃったよ

鍾離

まさか…！

タルタリヤ

うん、なら躊躇う必要ないよね？先生

鍾離

…はは、難しいものだな恋愛というものは

タルタリヤ

それは本当に思うよ、何も知らなすぎたんだね俺達は

鍾離

なら…公子殿、今すぐ宿に行くぞ

タルタリヤ

うん？

鍾離

ここでは人目が気になるだろう

タルタリヤ

え？あ、そうだけど…

鍾離

永らく悩み、我慢していたのだからな…遠慮なく堪能させてもらう

タルタリヤ

ん？先生…？？

鍾離

なんだ、躊躇う必要などないのだろう？

タルタリヤ

な、ないけどさ！俺が希望したのキスだよ？

鍾離

それだけでは足りない

公子の手を取り急ぎ足で歩き始める鍾離

タルタリヤ

ちょ、先生…

鍾離

今日は帰すつもりは無い

タルタリヤ

…っ

タルタリヤ

(やっぱりこの人は只者じゃない…)

別日、突然鍾離から相談があると旅人達は集まっていた

パイモン

なぁなぁ鍾離

鍾離

なんだ？

パイモン

オイラ…聞いていいのかすごく悩んだけど

パイモン

公子と喧嘩しちゃったのか？

鍾離

喧嘩…そうだな、少し怒らせたようだ

パイモン

何したんだよ…頬っぺ痛そうだぞ、真っ赤だ

鍾離

それが、正直分からない

パイモン

わかんないのかよっ！！

鍾離

だからこそ悩んでいる

パイモン

ほんと…お前らって手が焼けるぞ…

旅人

お待たせ、ごめん待たせて

鍾離

問題ない、大丈夫だ

パイモン

旅人〜…オイラじゃ手に負えない

旅人

うーん、まずは鍾離先生の話を聞いてみよう。なんで喧嘩したのか思い出せる範囲で聞いてもいいかな

鍾離

あぁ、構わない

鍾離

君達二人のお陰で公子殿とは順調に仲を深めることが出来たのは良かったのだが

旅人

うん

鍾離

その日を境に会う度に公子殿を堪能できると楽しみでな、彼も遠慮はせずとも大丈夫だと話していたから良かったが…

鍾離

どうやら公子殿曰くもう少し加減して欲しいと申し出があった。腰が痛いそうだ

旅人

あー…うん

鍾離

あまりにも可愛すぎるが故に我慢が出来ず無理をさせてしまったようだ、しかし…そこまでは理解できているが

旅人

…うん

パイモン

喧嘩してるのにサラッと惚気けるのやめろよな…

鍾離

そこで先日公子殿は腰痛いと起きれない日があった、その日はもう仕事は厳しいだろうと俺は考えた。無理をさせてしまった俺にも責任はある、そこで彼がゆっくり休んでる間に俺は北国銀行へ向かい事情を説明した

旅人

んん…？

鍾離

交際してる事を公にしてなかったのかそれがバレてしまったと公子殿は顔真っ赤にして怒ってしまった

旅人

なるほど、ファデュイの部下にバレちゃったからか…？

鍾離

単なる照れ隠しならいいのだが、盛大にビンタを食らったのは驚いた

旅人

まぁ俺が言うのもあれだけど…若いし、立場とかも考えてたから余計にかも

パイモン

公子でもあるんだな…

鍾離

口を聞いてくれない訳では無いが、仕事がある前日は時間を決めてお開きにすると制限をかけられてしまった

旅人

難しいけど…そういうもんだよ

パイモン

大体鍾離は大胆すぎるぞ！

鍾離

そうなのか？

パイモン

愛情表現なんて人それぞれかもしれないけどオイラだって聞いてるだけでも思うんだからな！

旅人

(パイモンって恋愛割と分かるんだ)

鍾離

なるほど…難しいものだな、加減とは

旅人

思ったより深刻じゃなくて良かったよ、少しずつ慣れて加減を知れば大丈夫

鍾離

そうか…なら良かった

パイモン

一応公子にはちゃんと謝るんだぞ？

鍾離

あぁ、助言感謝する

その後旅人と別れた後公子に会うことにした鍾離

タルタリヤ

先生来たよ、話って何かな？

鍾離

忙しい所すまないな

タルタリヤ

本当だよ、執行官の仕事は忙しいんだ。手短に頼むよ

鍾離

その、先日の事だが…すまなかった

タルタリヤ

この前の事かい？もう過ぎたことだから今更気にしてないさ。もう職場では公認だよ

鍾離

言いたくなかったとは知らずに…

タルタリヤ

言いたくなかったと言うより、ファデュイに知られない方が良かったかなって思うだけだよ

タルタリヤ

仮にも先生は元々岩神だ、それを他の誰も知らないとは言えあの淑女は知ってるんだ。変に捜索されたら面倒事になるのは分かるよね？

鍾離

ふむ…確かにそうだな

タルタリヤ

先生の為でもあるんだよ？

タルタリヤ

まぁ…半分は確かに恥ずかしいのもあるよ、だからつい思わず先生の事ビンタしちゃったけど…普通にやり過ぎちゃったね、ごめんよ

　おもったより赤くなった鍾離の頬を申し訳なさそうに見つめる公子

鍾離

問題ない、驚いだが…

タルタリヤ

先生はもう少し…うん、どの道我慢覚えないとだね

鍾離

…善処はする

タルタリヤ

仕事がない日は…遠慮しなくていいからさ

鍾離

！

タルタリヤ

…我慢してくれるよね？先生

鍾離

もちろんだ

タルタリヤ

あはは、分かりやすいなぁ先生は

鍾離

次の休暇はいつだ？

タルタリヤ

次は明後日かな？任務が上手く行けばだけどね

鍾離

人手が足りないなら手伝うぞ

タルタリヤ

必死だなぁ先生…

鍾離

当たり前だ、公子殿に触れたくて仕方ない

タルタリヤ

うーん、とっても素直

タルタリヤ

でもごめんね、俺一人でもすぐに終わる簡単な仕事だから大丈夫だよ先生

鍾離

そうか？

タルタリヤ

あぁ、だから先生はいい子に待ってて

鍾離

あぁ、わかった

タルタリヤ

じゃあ…俺は仕事に戻るよ

鍾離

む、そうか…ではまた

タルタリヤ

そうあからさまに落ち込まないよ

鍾離

分かりやすかったか…？

タルタリヤ

うん、とっても

タルタリヤ

先生のこと愛してるよ、じゃ！またね！

鍾離に投げキッスをして走り去った公子

鍾離

！

鍾離

可愛いな、耐えられるだろうか

続く……