episode three . それでいいんだよ
br
sm
この天パの眼鏡は霧哉光黄。俺を含む友人達からは、krと呼ばれている。
kr
sm
そう言って場を濁す。
nk
nkはkrの様子を窺いながら、記憶を絞り出して名前を聞こうとしていた。
nk(そして俺)とkrはクラスが別であり、二人は接点があまり無いんだった、とふと思う。
kr
krの自己紹介に nkとbrも、名前とあだ名を告げていた。 その後brは、また俯いていたが、大丈夫なのだろうか。
sm
nk
kr
二人はそこそこに盛り上がっている。 目線の先には、完全に二人だけの世界が構築されていた。
...俺もなんだか気まずくなってきたな。 暇で、時計を見たりもする。
昼休みもあと半分、というところか。 午後の授業は何だったか__
br
横からbrの声がする。 すまさん、って弱々しい声で呼ばれると、不意にも落ち着かなくなってしまった。
sm
br
sm
声量が増し、俺の腕を掴みながら勢いよく早歩きしだす。
その勢いときたら、俺が驚くのも無理はないだろう。 気づけば、生徒会室からはあっという間に退出していた。
sm
ここは、おそらくだが、よっぽどの用事がない限り立ち入ることの無さそうな校舎の端。
ようやく足を止めたと思えば、今度はなんだ。全く見当がつかない。
br
sm
...brを前に、あのときのnkとの会話がフラッシュバックする。
nk
sm
sm
ああ、nkの予想は本当だったのか。 他人事みたいな感想が残った。
br
...黙っていた俺を見兼ねたのか、brは自分の髪を耳にかけ、右耳を俺の瞳に映らせる。
そこには確かに、ピアス用の人工的な穴が空いていた。
つまり...
sm
未だ黙っているbrを前に、確認を取るように何の躊躇もなく、呟いてしまった。 ...気遣いのかけらも無い言い方だ。
...brのその繊細な心に、気に、障ってしまったか。
別に、brを気味悪がりたい 蔑みたい なんて思ってないし、人をいじめるような、そんな趣味もない。
...こういうのは言葉にしなきゃ、伝わらないよな。 きっとbrだって、「ピアスを付ける」という表現の方法で伝えているのだから。
きっと、言葉にするのは勇気が伴うはずで。
brは顔を上げ、俺を見た。
br
br
sm
kr。いきなり知っている名前が出てきて、困惑する。だがお得意のポーカーフェイスを利用して、なんとか取り繕う。
...毒を喰らったように、苦しそうに呟くbrの姿は、見ていて居た堪れなかった。
どう声をかけるべきなのか...わからない。 そして、brは今にも泣き出しそうな表情でいた。
br
br
似合わない作り笑顔は、見ているこちらまで苦しくなる。 br...
sm
sm
br
sm
stay tuned....。.:*+
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