ーオフ日ー
純喜
よいしょ…
瑠姫
…え?どこ行くの?
純喜
あぁ、ちょっと気晴らしに出かけてくるわ。
瑠姫
何時に帰ってくんの?
純喜
んー…、今は分からん。また連絡するな。
瑠姫
…分かった。
純喜
じゃ、いってきま~す
瑠姫
…ん。
瑠姫
…はぁ……
午後1時。 今日はオフだというのに、純喜が出かけてしまった。
純喜のいない部屋は、驚くほど静かで、寂しい。
瑠姫
気晴らし、、か。
家にいてもつまらない。
俺は外をぶらつくことにした。
ガヤガヤ…
瑠姫
うわ…騒がし…。
瑠姫
やっぱ帰ろうかなぁ…、笑
騒音が苦手な俺は、コーラだけでも買って帰ろうと、引き返そうとした。 その時ー
瑠姫
……は?
純喜
でな、翔也ががそん時な!~~
景瑚
ふははっ笑笑
あれやばかったよな~笑
あれやばかったよな~笑
声が出そうになった。 純喜…だよな?…なんで? 自分の目を疑った。
純喜が、景瑚と2人で楽しそうに歩いている。 …しかも、手繋いでる、、?
瑠姫
っ……
見てはいけないものを見てしまった。 もう取り返しがつかない。
気がついたら、目頭から熱いものが込み上げてきていた。
瑠姫
っはぁ……
無意識のうちに、近くの公園へ来ていた。
瑠姫
……はぁっ…はぁ…っ
ショックと走った苦しさで、まともに息ができない。
瑠姫
忘れろ……あれは夢で…、、うぅっ…
純喜の楽しそうな顔。声。固く繋いだ手が、皮肉にも鮮明に蘇る。
瑠姫
なんで…?
朝、元気に家を出て行った純喜。あれは、景瑚に会えるから…?
考え過ぎとは分かっているけど、どうしても良くない方向に引っ張られる。
頭を抱えて、目を瞑った。 …もう家に帰ろう。
公園に若い女性が何人かやってきた。
帽子を深く被り直して、その場を去った。
家に帰るなり、自分の部屋へ直行。 電気もつけずにベッドに倒れ込んだ。
瑠姫
うぁ……いって…
置いてあった充電器が腕に刺さって、痛みが走る。
瑠姫
っは……。俺ついてねー…。
なにもかもがうまく行かず、また目から溢れそうになるものをこらえる。
瑠姫
………
昨日はハードスケジュールだった。 目を瞑ると、すぐに寝てしまった。