夏休みの先輩

※WARNING※ 少し苦手な方がいらっしゃるかもしれません。 微ホラー・微恋愛注意

昨日、家に帰ってから自室に引きこもってアイデアを出してたんだが、 俺は一体いつ寝たのか分からない。 しかもなんか焦って登校してきちまったし…

まあいい。とにかく科学室に行こう。

グラウンドではもうすでに運動部が筋トレや走り込みを始めている。

顧問に鍵を借りて教室に入る。 まぁ中には誰も居ないだろうなと思いながらも挨拶してしまう。

こんにちは。

誰だ？今の声…女か？

ちょうど扉の対角線上の机の椅子に白髪の綺麗な人が座っていた。 白髪をハーフアップにして、 目には綺麗な水色のビー玉が入っているように澄んだ色だ。

この人誰だ？俺が知らないだけで科学部の先輩か？

でも今日は部活日じゃないし、…まじで誰だ⁉

他の部活の先輩？ いや、なんでここにいるんだよ…

どれにしろ全部おかしいんだが… いや、でも他の部活はありえる…

いつの間にか至近距離まで来てる…！？ てか身長高くないか？

…ずっと笑顔だな。口角を上品に上げて…。 絹のように艶やかな髪えで、制服の赤いリボンタイが髪を引き立てている。

やばいなんか驚いた顔されてる。

笑顔がまぶしい。 もともと彩音先輩が座っていた席まで進んでいく。

いや、普通の部活でも見たことないけど

いやいやいや…一回でも十分すごいだろ！？ だって、全日本、全ての県の何万人という人が投稿してる。 しかも中には大学生、高校生もいるんだぞ⁉ しかも中学の時！？

紙を渡した途端、彩音先輩の顔つきが、 女子高生から一人の科学者へ変化した。

先ほどのように笑顔ではなく、口を閉じて。

真剣に紙を覗き、視線を滑らせていく。

今気が付いたが、彩音先輩は論文を読んでいたようだ。 机の上には、科学論文や医学論文などがまとめてある。

笑顔と共に紙が返ってきた。

なんてモン持ってんだこの人⁉

素晴らしすぎるだろ！

その後は彩音先輩と少し打合せしてたらいつのまにか夕方だった

なんだかあっという間で終わってほしくなかった。

あの人はどんな無理難題でもできるようなルートを作ってくれる。 本当にすごい。 すごいルートを開拓して、笑顔で教えてくれる。

美しい人だ。