便利屋 紫雲
男の声
便利屋 紫雲
男の声
男の声
便利屋 紫雲
男の声
便利屋 紫雲
男の声
男の声
───ゴッ!!
女の声
便利屋 紫雲
男の声
男の声
男の声
便利屋 紫雲
男の声
男の声
男の声
便利屋 紫雲
・
・
紫雲 かぎり
それは今までにないことだった。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
・
・
依頼人から指定された場所は、
別荘地の一角に建つ
立派な屋敷だった。
駐車場には高級車が一台。
チャイムを鳴らすと、
カメラ付きインターホンから
声が聞こえた。
男の声
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
男の声
男の声
男の声
男の声
紫雲 かぎり
言われるがまま屋敷の裏に回ると、
一人の男性がドアを開けて顔を覗かせていた。
”佐藤 太郎”
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
屋敷の中に入ってすぐ
紫雲は異臭に気が付く。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
脳裏を過るのは、
豊潤を愛でる会の
”狂宴”
だが、
屋敷には目の前にいる
佐藤の姿しかなかった。
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
佐藤はお酒の入ったグラスを片手に
広い居間に置かれた
二つの大きなキャリーケースを叩く。
”人を入れる”には
充分な大きさがあった。
紫雲は、
そのキャリーケースから垂れる血と
床に広がる血の海、
そして、
返り血を浴びている佐藤を見る。
目の焦点が合わず、
瞳孔が開きっぱなしだ。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
佐藤はグラスをテーブルの上に置き
血に濡れたままの手で
スマホを操作し
画面を見せてきた。
それは県境付近の地図だった。
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
佐藤は両手を大きく広げ、
自慢げな表情を浮かべた。
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
紫雲 かぎり
”佐藤 太郎”
”佐藤 太郎”
佐藤は悪態を吐き、
紫雲に背を向けて
居間を出ていく。
紫雲 かぎり
紫雲はポケットから取り出した薬を、
テーブルに置かれたグラスに入れる。
マドラーでかき混ぜながら、
かたわらに置かれたスマホを手にし、
操作する。
足音が戻って来るのを察して、
素早く全てを元に戻した。
”佐藤 太郎”
そう言いながら現れた佐藤の手には
札束が一つ握り締められていた。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲は作り笑顔を浮かべて
札束を受け取った。
・
・
車に戻り、
指定された場所付近に
監視カメラが無いか確認する。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
重いため息をこぼし、
パソコンの画面に目をむける。
そこには”佐藤太郎”の顔が映っていた。
スマホのインカメラの映像だ。
”佐藤”は一人で喋りながら酒を飲んでいる。
睡眠薬を入れた酒を。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
そう思ってエンジンをかけると、
目的地へと車を走らせた。
・
・
崖を見下ろしても、
鬱蒼と茂る木々が見えるだけで
底がどうなっているのかまでは
わからなかった。
ただ一つ言えることがあるとすれば、
それは
ここに捨てられた死体は
余程のことが無い限り
見つかることはないだろう、
ということだ。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
車のトランクを開け、
二つのキャリーケースを下ろす。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
崖から落とされた二つのキャリーケースは
太い木の根元に引っ掛かり
崖の上からでもよく見えた。
紫雲 かぎり
紫雲は来た道を戻り、
”佐藤太郎”の家をもう一度訪れた。
・
・
今度はインターフォンを鳴らさず、
そのまま裏口に向かい
そっと家の中に入った。
”佐藤”は居間の床にうつ伏せの状態で
よく寝ているようだった。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲は”佐藤”のスマホを手に取り、
その中のデータを全て
手持ちのパソコンの中にコピーした。
・
・
『不用品の処分』 END
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