95番
離せ…!!
看守「おら着いてこい!!」
源
どうした?
看守「こいつがまた看守を噛んだんだよ」
95番
ガヴ!!
95番は口輪を着けられ手足が拘束されていた。
看守「上から痛みを与えてでも更生させろってさ」
源
…そうか
源
おい大人しく着いていけば楽だぞ
95番
ガルルルル
数時間後、95番はボロボロになりぐったりしていた。
源
…
源
95番…
95番
ヴゥ゙ゥ゙…
源
頼む教えてくれお前は…
源
何故人を喰った?
95番
…お父さんが食べてた
源
お前のお父さんはどんな人だ?
95番
人じゃない…犬だ…
源
犬?
95番
俺は6歳の誕生日にお母さんとお父さんに置いていかれた…
95番
でも…今のお父さんが俺の面倒を見てくれた…
源
そういうことか…
源
(けどそれくらいなら警察も分かるはずだ…)
源
(いや…分かった上で死刑囚にしたのか…)
源
(理不尽に捨てられ何も知らない状態でここに閉じ込められているのか…)
95番
なぁ…俺いつになったら出れる…?
源
…お前は死刑囚だ…だから出れない
95番
死刑囚?
源
お前は一週間後死ぬ
95番
え…?なんで…?なんで…俺死ぬの…?
源
…なんでだろうな…俺も分からなくなった
95番
なんで…?俺…急にここに連れてこられて…痛い事もされて…死ぬの…?
95番は恐怖で泣いてしまう。なぜ自分が死ぬのか…何も知らずに死刑を待つしかない。
95番
嫌だ…死にたくないよ…なんで…なんで俺死ぬの…!!
源
…
源はただ見る事しか出来なかった。
95番の幼さが残る泣き顔に複雑な感情が頭を支配する。
源
…俺がお前を殺す、出来るだけ楽にしてやる
源は95番の頭を撫でる。噛まれることは無く95番はただ泣いている。
しばらくして95番は泣き疲れて寝てしまった。
95番
…zzZ
源
…
源
お前は何も知らないんだな…
源
知らない方が良いのか…
源
お前を守りたいと思ってしまう俺は看守失格だな…
95番
お父さん…zzZ
源
お父さんか…お前を守ってくれていたのは犬の父親だったんだな…
95番
…zzZ
源
さて…死刑まで面倒見てやるか






