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先生
先生
先生
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
じゅるるるるる。
じゅるじゅるじゅるじゅる。
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
翼が開く。
暴風が2人の体を大きく揺らした。
逢魔トキ
先生
先生
先生
先生
先生
先生
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
クチバシが大きく開かれ、叫びが圧を発する。
先生の身体は完全に押されていた。
先生
先生
その言葉届かず、そのくちばしに飲み込まれる。
すぐにはノドへいかなかった。
ボキボキボキッ。
ゴリゴリゴリ。
グリグリグリグリ。
ガムのように回され、全身を砕かれる。
砕かれた箇所すら、何度も何度も。
粉になるまで、血に溶けるまで。
暴走鸚鵡
ゴクン。
暴走鸚鵡
輪廻の閉じ込められている、扉にくちばしを掛ける。
どうやら、吉森さよを探しているようだ。
しかし、聴力はそれほどでも無いのか、
そこは彼女のいる部屋では無かった。
力が入り、扉が僅かに歪む。
―― 刹那 ――
先生
暴走鸚鵡
突如、背後に現れた先生が言葉を発した。
その直後、暴走鸚鵡の腹に巨大な穴が開く。
抉れたのでも、掘られたのでも無い。
その箇所が消えたのだ。
少しして、その身体が倒れる。
そして、次に穴をようやく認識した身体が。
じわじわと、窓に当たる雨垂のように血を出した。
先生
先生
先生
逢魔トキ
逢魔トキ
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
逢魔トキ
逢魔トキ
先生
先生
逢魔トキ
先生
先生
先生
先生
先生
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
ああ……、なんか視界が淡いぞ。
それに、感覚が鈍いんだ……。
俺は……死ぬのか?
…………
……いや、輪廻は死なない。
アイツもそう言ってた。
…………?
なんだ……?
そういや、聞いたことあんな。
死ぬ最後に残るのは"音"だって。
それだけは、感覚として残るって。
暗闇の中で響くって。
東雲ザンセイ
東雲ザンセイ
吉森さよ
吉森さよ
東雲ザンセイ
吉森さよ
聞こえていた。
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
確かに距離はあったけど。
微かではあったけれど。
それでも、教室の音は毎日聞こえていた。
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
醜い自分が嫌いだった。
大嫌いだった。
藤谷コタロウ
あの日、君へ酷い事をした。
それをずっと後悔していた。
言い訳にしかならないけれど、
本当はあんな事をしたかった訳じゃない。
ただ、好きだった。
それだけだったんだ。
自分のような人間がいてはいけない。
なぜ、生まれてきてしまったのかと。
何度、神と己を憎んだことか。
顔、体型、性格、臭い。
そのどれもが、歪んでいて禍々しい。
本当はあの日。
振ってもらいたかったんだ。
俺の好きという言葉に、君の口から出たとは思えないほどの、
強い言葉で。絶望的に。俺を虐げて。
現実を教えて。
俺を生かしてやってほしかった。
最低な話だ。
勝手に好きになった最低な男。
それが告白をするのに、それは本気じゃない。
初めから、その男の個人的理由による、
自分勝手なもの。
先生
藤谷コタロウ
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
藤谷コタロウ
吉森さよ
春風うすづく
春風うすづく
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
先生
先生
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
俺が性欲に目覚めたのは早かった。
小2の時には既に、女子を雌として見るようになっていた。
彼女らの髪の毛の一本一本。
それを眺めるだけで、授業は手につかなかった。
精通は小3の夏。
朝目が覚めるとべたぁっとしたものがついていて、病気を疑った事はよく覚えている。
それから、小4、小5と。
成長するほどに、性欲も増していき……
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
小6。
さよを犯した。
意識がなかったのか。それとも、それほどまでに忘れたかったのか。
なぜかはわからないが、
行為の記憶は無い。
しかし、思い返す時、いつもこの光景から始まる。
2人の息は切れていて、服は着ていない。
塗りたてのワックスの上には、白と赤。生と死を想起させる液が散っている。
ただ、彼女の瞳にいつものような輝きはなく、
全てを捨てたような、そういう闇を孕んでいた。
その空気の湿りと魔。
俺はすぐに理解できた。
やってしまったのだと。
教室にいれば、またいつ同じ事が起こってもおかしくない。
この性欲が、いつ俺を殺してしまうのか。
そんな恐怖から、トイレに籠もる生活を始めた。
ここに人は滅多に来ない。
初めの頃はザンセイが罵倒するために来ていたが、
2ヶ月もすれば、それは終わった。
先生は朝と夜。1日に2回来て、少しの会話をすると、食事を置いていく。
寂しいと思う日もあったが、俺にとって孤独とは安心でもあった。
誰もいない。そういった世界でのみ、俺は正しく俺でいられる。
誰かの迷惑になっていることには違いないが、最悪だけは避けられる。
このまま死んでいく事に対し、特に不満はなかった。
ただ、心残りがあるとするなら……
吉森さよ
それは間違いなく、彼女の事だろう。
ちゃんと笑えるようになっただろうか。
感情表現に悪影響は出ていないか。
普通に恋して、普通に幸せになってくれるだろうか。
…………
自分のためと言えば、それきりなのだろう。
それでも、それでも俺は、
彼女を愛していたのだと思う。
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
君の事は、下品な目で見てしまっていたと思う。
でも、それと同じくらい俺は、純粋な目でも見たつもりでいる。
君の声が好きだ。
驚くと吃るところが可愛い。
君の目が好きだ。
まっすぐ輝いている。
君の手のひらが好きだ。
いつも優しさを握っている。
君の耳が好きだ。
ちょっぴり尖ってて、恥ずかしがると赤くなる。
君の笑顔が好きだ。
それだけで俺は救われる。
俺は……俺は……
君が好きだ。
好きなんだ。
不思議……なんだ。
君に殺される前の記憶がない。
脳は潰れたけど、たぶんそれが原因じゃ無い。
輪廻になってからも、過去の記憶は変わらずある。
だから、何かをされたんだ。
先生
先生
先生
先生
…………
…………
なんだ、この記憶。
確か……最期の日の――。
そうだ。思い出した。
ここから、自分への怒りと性欲が、急に強くなってきて……
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
ずっと、先生の事は嫌いだった。
俺は自分が怖くてトイレに籠もっているのに、
話も聞かずにザンセイを恐れたと確信していたり。
やけに暴力的な思想を持っていて、
それを一生徒である俺へ、共感を求めてきたり。
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
首吊蝿
首吊蝿
吉森さよ
首吊蝿
首吊蝿
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
聞こえる。
聞こえるよ。
「綺麗に喘いでいる」だと……ふざけるな。
彼女のどこが、そう言っている。
ずっと聞いてきた。
君の声だ。俺にはわかる。
君は……君は……!
先生
先生
先生
先生
逢魔トキ
暴走鸚鵡
吉森さよ
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
暴走鸚鵡
ふわあ。
先生
先生
暴走鸚鵡の片翼が、一度動いた。
風が吹く。
歪んだ扉が震え、微かに動いた。
逢魔トキ
暴走鸚鵡