テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,180
180
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝
俺はコンビニに行こうとして、靴を履いた
解けていた靴紐を結ぼうとした、が 結べなかった
正確には、結べるはずなのに、 指が言うことを聞かなかった
あっきぃ
結ぶ、失敗 もう一回結ぶ、また失敗 やっと出来た… でも前よりも時間がかかっていた
──気のせい そう言い聞かせるのも、慣れてきていた
でも、その日のお昼配信準備中
マイクく位置を直そうとして、手が止まる
あっきぃ
俺は諦めて、誰にも言わず もう一度、病院に行くことにした
今回は、迷わなかった
診察室
前と同じ医者だった
医者
俺は隠さなかった 喋りにくさ、手の遅れ、疲れやすさ
お医者さんは静かに頷いて 検査を進めた
前より短くて、逆に怖かった 結果を見ながら、お医者さんが言う
医者
その言葉は、思ったより 普通の声で告げられた
医者
医者
"無理"
今まで全部を押し切ってきた言葉
あっきぃ
医者
医者
あっきぃ
あっきぃ
家に帰る途中
空が、前よりも近く感じた
同じ道、同じ景色 でも、確実に違う
家の前で、足が止まった ──まだ、言わない?
ポケットに入れてるスマホが振動する
ぷりっつ
まぜ太
画面を見つめて、深呼吸する
あっきぃ
誰もいない場所で、声に出してみる
完全に壊れてはいない でも、確実に前に進んでいる
それを知ってしまった今、 もう"何も無かった"とは言えなかった
ドアノブに手をかける 今日は、まだ言わない
でも、 いつか言わなきゃいけない日が近づいてくる
それだけは、はっきり分かっていた
主
主
主
主
主
主
主
主
主