モブ
天乃 絵斗
世間体を気にして塾の送り迎えだけは今回はしてくれるらしい
道も全くわからなかったので、助かるなどと思いながら母さんの車を見送った
天乃 絵斗
問題は山積みなのだがまずは暗証番号に辿り着くところからだ
ホームボタンがないスマホなんて初めて触るので若操作仕方がよくわからない
猿山 らだ男
あたふたしていると、後ろからいるはずもない猿山が呆れと心配が入り混じった顔で声をかけてきた
天乃 絵斗
何故彼がここにいるのかは、俺と同じ荷物でなんとなく察せる
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
冗談半分で言っただけなのに、本当にしてくれるとは思わず、彼の顔が息のかかるほど近づき体温が一気に上昇する
猿山 らだ男
天乃 絵斗
わかっている 彼にはそんなつもりがない事は
自惚れてはいけない
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
先程の困っている理由を口にすれば怪しまれてしまうだろうと感じ、一旦それっぽい言い訳を並べ俺は彼と一緒に中に入った
勉強内容は俺が昔よくやった範囲で聞かなくてもすべてわかったので先に問題を解き、現時点の状況をノートにまとめた
天乃 絵斗
天乃 絵斗
前回の世界と似ていながら全く異なる世界に早く適応して仲良くしなければいけないのに、雲行きが怪しすぎてため息が出る
猿山 らだ男
気分転換に彼の表情を見れば一生懸命に課題に取り組んでいてとても偉いし、
前髪が邪魔なのか少し耳にかける仕草すら可愛い
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
心でつぶやいたはずなのに教室の先生までもが俺に目線を向けていた
猿山 らだ男
天乃 絵斗
天乃 絵斗
天乃 絵斗
猿山 らだ男
モブ
全員が同情した目で俺を見てくるので、苦笑いでその場をやり過ごすしかなかった
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
気まずさと怠さで机に突っ伏している間に眠ってしまったらしく猿山が俺の身体を揺すって起こしてくれた
天乃 絵斗
ぐっすり眠ったおかげか体の重さが消え、頭もスッキリとしている
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
悲しそうな彼には悪いが、親のあんな暴言傷ついてもいないし覚えちゃいない
逆に嬉しいぐらいだ
天乃 絵斗
彼も親に連絡しなきゃいけないのか、スマホをスライドして顔を認証?させてロックを解除しLINEを開いた
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
自分も同じようにスマホを触ってみると、ロック画面が現れ顔認証の画面に辿り着いた
天乃 絵斗
自分の顔の目の前にスマホを持っていき猿山と同じようにするとロックを解除する事に成功した
天乃 絵斗
もしやこの世界は自分の世界よりも進歩しているのではないだろうか??
少なくとも俺のいた世界ではスマホのホームボタンが当たり前だった
天乃 絵斗
感心しつつも俺はLINEを開きクソ親と書いてある画面を開いた
天乃 絵斗
モブ
モブ
天乃 絵斗
モブ
天乃 絵斗
モブ
天乃 絵斗
テストが悪かったら罵声を浴びせられるのだろうか?
それとも殴られるのだろうか?
天乃 絵斗
塾の最初に全五教科の復習テストがあったがこの程度なら元々の知識で十分なんとかなりはする
天乃 絵斗
殴られたいわけではないが、前回と今回の猿山の気持ちを知るためにわざと悪い点を取る考えも浮かんだが
心に響かない上、反射的にやり返してしまいそうだったのでやめておいたのだ
猿山 らだ男
天乃 絵斗
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山は一度だけ振り返り俺に向かって微笑むと教室を出ていき、俺は言いつけ通り十分前まで休んでから玄関へ向かった
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