名もない時代の集落と
名もない幼い少年がいた
誰も知らない…この時代のお話…
生まれついた時から俺は母親などいなかった…
ただただ、「忌み子」として…
過ごしただけだ…
彼
っ…
…
気持ち悪いのよ!
…
来ないで!
…
お前はさっさとあっちへ行ってろ!
その身に余る…罰を受けていた…
彼
もう…悲しいことはないんだけどな…
手を…引かれてみたいな…
彼は何も知らない
僕は何も知らない…
彼
叱られたこともない…
彼
優しくされたこともない…
彼
そんな感情分からない…
死なない
死ねない
彼
俺は何で死ねないんだろう…
彼
「不老不死」なんて体じゃなければ…
夢も希望も1つも見れないくせに…!
そんなおとぎ話はいつしか夕焼けと一緒に消えていった…
彼
生きたくない…
彼
死にたい…
吐き出すような暴力、蔑んだ目の毎日なのに…!
少女
ねえ、
話しかけちゃダメだ…
少女
君の名前が知りたいな(*´﹀`*)
ごめんね…
名前も無ければ舌もないから話せないんだ…
少女
ねぇ、一緒に帰ろうよ…!
彼
僕の居場所はどこにもないのに…
少女
ほら速く!
手を引かれたんだ…
彼
っ…!
彼は知らない
僕は知らない
もうあの子は子供じゃないことも…
彼
そっか…
彼
あの子も人じゃないんだ…
少女
ほら、こっちこっち!
彼女は辞めない
君は何で辞めない…?
彼
見つかったら…君は死んじゃうのに…
彼
君は僕と違うんだから…
そして、日が暮れ夜が開ける
遊び疲れた彼と少女は
捕まった
彼
ダメだ…!
彼
君は捕まれば死んでしまう…!
彼
せっかくあんなところから逃げたのに…!
彼
こんな世界…
彼
僕と君以外…
彼
いなくなればいいのに…!
皆いなくなれば…いいのにな…
…
…
知らない声が聞こえた
君と僕以外の全人類の声がね…
抗うことなんてない…
君を守れるのであれば…
抗う間もないんだ…
手を引かれて…彼はまた地獄の日々を過ごす…
彼
でも…でも…
彼
君の名前も知らないけど…
今はそれでもいいんだ…
彼
また…会いに行くから…
おしまい
はい!
どうでしたでしょうか!
前置きやると場を乱すので今回は無しにさせていただきました
このストーリーを見て、六兆年と一夜物語がどうして辛いのかという意味が少しでも分かっていただければ幸いです
いいなと思ってくれたらコメントしていただければ嬉しいです!
それでは!
またね!