俺と…委員長と…

あと少し

それで今日はお別れ

バス停までの道のりは 思ったより短く

バスが遅れてこないかなとか 愚かなことを考えてた

目の前にバスが止まり プシューと大きな音を立てて ドアが開いた

ヒカルの言葉を遮るように ドアが閉まった

ヒカルは見えなくなるまで 手を振ってた

おれは 見えなくなっても 過ぎ去ったバスを見ていた

そして気合いを入れて 自分を家に帰らせた

月曜日

えっと… 時計…

たぶん5分しか超えてない

はぁ～ マジ こぇ～

色んな意味で

強烈な起こされかたを したせいか

今日はシャキッとしてる

そして学校の校門に近付いてきたとき やたらと騒がしいことに気がついた

嫌な予感がした

ユウヒロ黙れ と心の中で叫びながら

おれの脳内で30回くらい コイツを殺した

ちょっとまてよ… おれらが名前で呼び合ってる ところを

あまり人には知られたくない…

おれは渋々 学校の中に入った

ザワザワ

かっ… 会長がまた… 不敵な笑みでぼくの

近くに寄ってきた

ぼくは会長みたいに 自信があるわけじゃないし

周りの女子を上手くあしらってる 姿をみると

純粋に 凄いなぁと思った

そんなに大っぴらに宣伝 しなくてもっ…

会長の鶴のひと声で 女子たちは

喜びながら はーいと返事をし ある程度静まった

会長がこんなにも 生徒たちの統率を 取れているなんて

思ってもなかったから

風紀委員長としての ぼくの力のなさに 大きな差を感じた

しかし 堂々と 颯爽と歩く姿は

やはりかっこよかった

会長に頭をなでなでされたけど

確かにぼくは 変わりたいという 気持ちが芽生え始め

こうやって人の手も 借りながら おどおどした自分と 別れを告げたいと感じた

調子に乗ってるのは 会長…って思ったけど みんなからの信用は 絶大だから

何だか難しい

おれは窓の外を向きながら ふか～～～～～いため息を ついてやった

暫くは 学校で

特に同学年では ヒカルフィーバーが巻き起こり

下級生も3年の廊下に来るのは 引けながらも 見に来ている子が

後を絶たなかった

とは言え 当の本人は女子と 委員会上で話はできるものの

何の脈絡もなく話す ことは出来ず

それが逆に 女子たちを燃え上がらせた

数日後 放課後

久々に会える…

と思ったのに… コイツかよ…

帰るときですら騒がしい

気が重い…

俺は窓を開け 窓枠に肘をついて 外を眺め

なんとかこの場をやすりごす 算段を考える…

会長はおれの背中に ポンと手を乗せた

おれの背中の手は 背筋をなぞって

首に伝ってきた

あの時の… キ…キスといい…

この人は…

この人はどこに目が付いてるのか それとも監視カメラでも あるのか…

おれは 会長の方を向いたが

グイグイくるから 後ずさりしながら

ついに 背中は壁に当たった

さすが… 生徒会長… 論的に何か言ってるけど おれにはよくわからない

おれ… どうなる！？