総司
総司
総司
総司
総司
総司
8月31日 夏休み最終日
俺は何故かこの日の「ループ」から抜けられない。
総司
俺は変わらない日付を見ながら地団駄を踏んだ。
最初はループが始まってラッキー!
そう思ってまだまだ終わらない夏休みを満喫していたんだ。
だが夏休みの最終日に遊んでくれるやつなんかもいないし、やってるのは同じテレビ番組だけ。
続きを知りたいのに発行されない漫画も、一向に上手くならないカラオケも
ずっと同じ返事しかしてこない友達も
その全てに飽きてようやく、この無限ループから抜け出す方法を考えていたところだ。
総司
総司
机の上の山積みの宿題を前に考える。
この無限ループの起きた原因、解除の仕方。
総司
総司
俺は何と言っても努力のできない遊び人。
夏休みの大半はダラダラして、遊んで、寝てを繰り返し、
気付いた頃にはさっぱりやってない宿題の言い訳を考えていた。
確かそう、このループが始まった日も宿題を必死にやろうとして結局何もできず、
寝坊して急いで学校に行く途中に黒いブラックホールが突然現れて俺を襲ったんだ…。
そして…気付くとまた8月31日の朝に戻っている。
それの繰り返しだ…
総司
総司
総司
27回目 8月31日 早朝
総司
総司
総司
数学、漢字、英語は分厚いドリルが3冊。
理科、社会は数枚のでかいプリント…
読書感想文の作文用紙が5枚と…
何より問題なのが自由研究だ…
総司
総司
総司
総司
総司
…そう、俺にはこのループを抜け出したい理由がもう一つあった。
それはずっと好きだった美希に告白をしてみて…成功だったから…!
総司
総司
総司
総司
総司
…そう決意して俺は机へ向かった。
数時間後…
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
俺はさっそくこの宿題の量と問題の解けなさにへばった。
たかが数枚の紙切れなのに、その一枚すらもまともにやれはしない。
総司
そして、単純脳な俺はパッと逃げ道を思い付く。
総司
総司
雄太
総司
雄太
総司
総司
雄太
雄太
雄太
総司
総司
総司
雄太
雄太
雄太
総司
総司
雄太
雄太
雄太
総司
雄太
雄太
総司
総司
総司
ツーツーツー
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
27回目 8月31日 深夜
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
28回目 8月31日 早朝
総司
総司
目覚めると俺はしっかりベットの中に入り眠っていた。
総司
総司
総司
総司
総司
総司
俺は急いで勉強机へ向かう。
総司
総司
総司
総司
総司
総司
前回、あれだけ頑張った宿題は
全部白紙に戻っていた。
総司
総司
総司
総司
総司
総司
俺は目に涙を浮かべた。
俺が生きた14年間であれだけ真剣に机に向かって
あれだけ真剣に考えたのに、結局何もかもが水の泡になったのだから…
総司
総司
それでもラッキーな事はあった。
前回の記憶が全部が全部じゃないが残っていたんだ…。
理科や社会の穴埋め。
印象に残った問題は、自然とスラスラ書けるようになっていた。
総司
総司
総司
俺はこの宿題を完成させるため、計画を練った。
総司
総司
総司
総司
俺は科目別に記憶を育てる計画を立てた。
何故なら時間はたっぷりある。
どうせできなくて白紙に戻ってしまうくらいなら
この頭に記憶を詰め込み、整った所で24時間以内にそれを書き出せばいいだけ…!!
総司
総司
総司
総司
総司
28回目 8月31日
総司
総司
総司
29回目 8月31日
総司
総司
総司
総司
30回目 8月31日
総司
総司
総司
総司
31回目 8月31日
総司
32回目 8月31日
総司
33回目 8月31日
総司
・
・
・
49回目 8月31日 早朝
総司
総司
総司
総司
総司
総司
俺の頭は完璧に冴えわたっていた。
読書感想文の本も読み、自由研究のテーマと結果も書く内容も全て決まっている。
社会や理科の暗記は何度もやって完璧に覚え、数学も解き方をしっかりと理解した。
総司
総司
総司
49回目 8月31日 早朝
総司
総司
総司
49回目 8月31日 昼
総司
総司
総司
49回目 8月31日 夕方
総司
総司
総司
総司
49回目 8月31日 夜
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
49回目 8月31日 深夜
総司
総司
総司
総司
総司
総司
9月1日 早朝
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
俺は眠たさと疲労でくたくたになった身体を持ち上げ、天高く拳を上げた。
総司
総司
総司
俺は急いで着替え、しっかりと宿題達を鞄に入れ、学校へと向かった。
9月1日 8時10分
総司
総司
総司
総司
最初、ブラックホールに襲われたのは学校の手前にある、あの曲がり角。
総司
総司
総司
総司
総司
9月1日 8時15分
俺はいよいよあの曲がり角を曲がった。
総司
総司
総司
総司
総司
総司
しかし…
その瞬間
俺はまばゆい光に包まれた。
総司
総司
10月19日 早朝
美希
美希
雄太
美希
美希
総司
総司
先生
先生
総司
俺の曲がった曲がり角に沢山の花が供えられ、先生と生徒達が手を合わせていた。
雄太
雄太
雄太
雄太が俺に一度も見せた事のない涙を流した。
美希
美希
美希
美希
美希は次から次へと流れる涙を拭こうともせず訴えかけた。
総司
総司
総司
総司
総司
先生
先生
先生
雄太
雄太
総司
総司
総司
総司
宙に浮いたまま、俺は叫び続けた。
しかし、誰にも気付いてもらえず、苦しい叫びだけが空を切った。
総司
総司
そして俺はようやく思い出したんだ。
8月31日 早朝
宿題をギリギリまでやったが全然できず…
時間ギリギリになって、走って学校へ向かった。
そして…
あの曲がり角で車にぶつかり…
俺は死んだのだ。
総司
総司
総司
幽霊は自分が死んだ事に気付かないと成仏できないと言う。
死ぬ前に俺は「宿題を終わらせていない」という焦りを抱えていた。
きっとそれが俺の中で未練となり
死んだ事に気付かずに思念として俺は現世で同じ事を繰り返していたのだ…。
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
総司
でも…
総司
総司
総司
暖かい光が俺を抱き上げるように身体を包み込んだ。
総司
総司
総司
総司
コメント
58件
未練が宿題ww面白かったです!
あやー、、、、神ですか?
天才ですか。!!!!!!!