昼休み
体育準備室
広井栄子
広井栄子
両親には言わないで
ください…
屋良瀬先生
屋良瀬先生
それはお前次第だ
屋良瀬先生
腐りきった心を
改めて…
屋良瀬先生
態度で示せるかに
かかっている…
広井栄子
わざとじゃないんです…
広井栄子
なかったんです!
広井栄子
広井栄子
展示してあったんです…
広井栄子
非売品だったんで…
広井栄子
中を見ていただけ
なんです…
広井栄子
大声で注意されて…
広井栄子
逃げちゃったんです…
広井栄子
本も離さず持って
いってしまっていて…
3日前
住宅街
広井栄子
はぁ…
広井栄子
広井栄子
広井栄子
逃げてきちゃった…
広井栄子
広井栄子
ちゃんと事情を話せば
許してくれる──
スッ…
そのとき、背後から 本が奪われた
広井栄子
背後には… 教師の屋良瀬が立っていた
屋良瀬先生
屋良瀬先生
ところを見ていたぞ
広井栄子
広井栄子
返してください!
屋良瀬先生
がっかりだ…
広井栄子
屋良瀬先生
あのゴミみたいな
1年5組の中でも…
屋良瀬先生
優等生だと
信じていたのに…
広井栄子
屋良瀬先生
お前が万引きを
するとは──
広井栄子
私、万引きする
つもりじゃ──!
屋良瀬先生
広井栄子
屋良瀬先生
言い訳をするな
屋良瀬先生
万引きだけの
問題じゃない…
屋良瀬先生
先生の期待も
裏切ったんだ…
屋良瀬先生
内申書に
書かせてもらう
屋良瀬先生
ご両親にも報告
しないといけない
広井栄子
勘弁してください!
屋良瀬先生
今さら遅いんだよ
屋良瀬先生
一度失われたら
取り戻せないんだ
広井栄子
信じてください…
屋良瀬先生
屋良瀬先生
俺の言うことを
何でも聞くか?
広井栄子
屋良瀬先生
信じたい…
屋良瀬先生
期待に応えて
くれるなら…
屋良瀬先生
信頼できる
かもしれない…
広井栄子
屋良瀬先生
先生の気持ち
屋良瀬先生
思っていたんだ…
屋良瀬先生
もうわかるだろ?
屋良瀬先生
望んでいるか…
広井栄子
屋良瀬先生
屋良瀬先生
ぶちまけて
ほしいのか!?
広井栄子
親には…!!
屋良瀬先生
ただお前の誠意を
見せてほしいんだ…
屋良瀬先生
あくまでも
お前の意志だ…
広井栄子
屋良瀬先生
待ってるぜ…
屋良瀬先生
待ちくたびれる
前にくれよ…
現在
体育準備室
広井栄子
何でも聞きます…
広井栄子
言わないでください…!
屋良瀬先生
広井はいいとこの
お嬢さんだもんな
屋良瀬先生
返事をくれた
屋良瀬先生
不良生徒だが
更正の余地がある
屋良瀬先生
体育準備室に
来てくれ…
広井栄子
──その会話を
壁庭ミミ
壁庭ミミが 隠れて 聞いていた──
カウンセラー ルーム
壁庭ミミ
吉良サグル
吉良サグル
関係なさそうですね
吉良サグル
壁庭ミミ
いいのかい?
吉良サグル
ありませんから…
吉良サグル
ないでしょう…
壁庭ミミ
吉良サグル
吉良サグル
思い出したんで…
…失礼します
壁庭ミミ
つかわなくていいよ
壁庭ミミ
壁庭ミミ
組織へ報告したり
しないからさ
吉良サグル
壁庭ミミ
積極的に関わろうと
しなかったのは…
壁庭ミミ
任務に巻き込みたく
ないからだろう?
壁庭ミミ
甘いところがある
からね…
吉良サグル
吉良サグル
殺し屋です──
壁庭ミミ
悪い意味じゃないよ
壁庭ミミ
嫌いじゃないって
言いたいだけさ
吉良サグル
吉良は カウンセラー室を出た
吉良サグル
屋良瀬先生
そのとき── 廊下の向こうから 屋良瀬が歩いてきた
屋良瀬先生
吉良先生
吉良サグル
良さそうですね
屋良瀬先生
いつもこんなもんだ
イエイ、イエイ♪
吉良サグル
屋良瀬先生
しけた面して
屋良瀬先生
怒鳴ったこと
気にしてんのか
屋良瀬先生
機嫌が悪くてな
許してくれや
屋良瀬先生
仲良くしていこうぜ
吉良サグル
屋良瀬先生
仲いいのか?
吉良サグル
屋良瀬先生
カウンセラーの
壁庭ミミさんだよ
屋良瀬先生
そこの部屋から
出てきただろ?
吉良サグル
相談に乗ってもらって
いただけです…
屋良瀬先生
けど、いい女
だよなぁ…
屋良瀬先生
狙ってるなら
諦めろよ
屋良瀬先生
たくましい体を
求めてるんだ
屋良瀬先生
強靱な肉体をな…
吉良サグル
屋良瀬先生
想像するだけで
興奮する…
屋良瀬先生
きっと体の相性も
最高だぜ…
屋良瀬先生
別にお楽しみが
あるんだった…
屋良瀬先生
吉良先生
屋良瀬は 立ち去った──
吉良サグル
吉良サグル
吉良サグル
壁庭ミミ
吉良サグル
聞いてたんですね
放課後
体育準備室
広井栄子
広井栄子
誰もいない?
カチャッ…
そのとき、背後の扉の 鍵が閉まった
広井栄子
屋良瀬先生
広井栄子
どうして部屋の鍵を
閉めたんですか?
屋良瀬先生
ちょっと思う
ところがあってな…
屋良瀬先生
出てきてくれ…
そのとき物陰から 覆面をした 2人の男が出てきた
広井栄子
広井栄子
誰なんですか!?
屋良瀬先生
先生の期待を
裏切った…
屋良瀬先生
信頼しきれない…
屋良瀬先生
反省の態度を
示しても…
屋良瀬先生
なってしまうんじゃ
ないかと…
屋良瀬先生
俺の信頼は
裏切られてしまう…
屋良瀬先生
証拠を残す
ことにした
広井栄子
屋良瀬先生
映像撮影のプロだ
屋良瀬先生
きっきり撮って
もらおうと思ってな
屋良瀬先生
不良のお前も
更生して…
屋良瀬先生
言うとおりに
なるだろう…?
広井栄子
聞いてません!
屋良瀬先生
聞くんだろう…?
広井栄子
広井栄子
ガシッ!
屋良瀬は 広井の腕を掴んで 逃がさない
広井栄子
離して!
屋良瀬先生
反抗的だな…
屋良瀬先生
始めるとするか…
屋良瀬先生
頼むぜ…
2人とも──
屋良瀬先生
屋良瀬先生
「3人おるやんけ!!」






