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夜。 署の廊下では、人が減ると急に広く感じる。
道枝駿佑
デスクに戻った道枝は、無意識にスマホを確認した。 長尾からの連絡は、無い
道枝駿佑
それでも、気にしてしまう。 心配してしまう。
同僚
道枝駿佑
差し出されたのは、解析途中のデータ。
同僚
道枝駿佑
同僚
同僚は言いにくそうに続けた。
同僚
道枝の胸がざわついた
―――――――――――――――――――――――――――――――――
同時刻。【長尾視点】
スマホが静かに震えた。
長尾謙杜
画面に表示されたのは、知らない番号
【匿名メッセージ】 「全て知っている」 「お前が来なければ、次は警察だ」
長尾は、息を止めた。
長尾謙杜
予感は、的中していた。 これは、偶然じゃない。
長尾謙杜
位置情報。 行動。 関係。
全て、把握されている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
深夜。 道枝の部屋。
道枝駿佑
ソファには、長尾の姿はなかった。 キッチンにも、寝室にも。
道枝駿佑
胸の奥に、嫌な予感がする
その時、スマホが震えた。
道枝駿佑
画面に表示される前に、息が詰まる。
【道枝】 「長尾?」 【長尾】 『……みっちー』
少し声が遠い
【道枝】 「今どこ?」 【長尾】 『仕事、終わりそう』 【道枝】 「本当に?」
一瞬の沈黙。
【長尾】 『心配しすぎやって』
いつもの優しい声。 でも、どこか違う。
嘘をつく。 また。
長尾謙杜
でも、言えない。 いえば、絶対に止められる。
【長尾】 「みっちー」 【道枝】 『なに?』 【長尾】 「俺の事……信じてる?」
その問いに、道枝はすぐ答えられなかった。
長尾謙杜
疑われてもいい。 嫌われてもいい。
守れるなら。
電話を切ったあと。 道枝は、スマホを握りしめたまま立ち尽くしていた。
道枝駿佑
答えられなかった自分が、許せない。
その時。 別の通知が、静かに届いた。
【匿名メッセージ】 「恋人は、ひとりで来る」
道枝駿佑
血の気が引く。
道枝駿佑
位置情報。 ごく短い間だけ、共有された座標。
すぐに、消えた。
道枝は、上着を掴んで立ち上がった。
道枝駿佑
証拠は、ない。 令状も、ない。
それでも。
道枝駿佑
警察官としては、最悪の判断。 でも、恋人としては―― これ以外、選べなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【長尾視点】
指定された場所は、人気の無いエリアだった。
長尾謙杜
足を止める。 周囲を見渡す。
長尾謙杜
自分が来れば、 みっちーは守られる
それでいい。
スマホを、ポケットにしまう
長尾謙杜
もし戻れたら、 ちゃんと話したい。
そう思った瞬間、 背後で微かな物音がした。
道枝は、車を走らせながら、何度も名前を呼んだ。
道枝駿佑
返事は、ない
夜は、まだ深い。 そしてこの選択が、 取り返しのつかない夜へ続いていることを―― 道枝は、まだ知らなかった。
#5 終