晶
いらっしゃい。
魔羅
お邪魔します!
魔羅
初めて、晶さんのお家に呼んでくれた!
魔羅
私、嬉しい!
晶
マリが喜んでくれるならいいけど…。
魔羅
そうだ、奥さんとは離婚の話できた?
晶
あぁ、それはまだ、できてないんだよ。
魔羅
そう。
魔羅
まだ、できてないのね。
晶
あぁ、すまない。
晶
なかなか、妻とのタイミングが合わなくてね。
魔羅
妻?
魔羅
それも、そうよね。
魔羅
タイミングは、肝心だもの。
魔羅
もう、そんな堅くならないで、
魔羅
今日はね、私が晶さんのために料理をしようと思って、
魔羅
食材も買ってきたの。
晶
そうだったのか?
晶
楽しみだな!
魔羅
は〜い、魔羅特製ビーフシチューで〜す。
晶
美味しそうだ。
魔羅
お酒飲む?
晶
貰おうかな?
魔羅
赤ワインがね、ビーフシチューに合うの!
晶
あ、ホントだ!
晶
マリは、こういう事結構知ってるよね!
魔羅
そりゃ、そうだよ!
魔羅
社長秘書だもん。
魔羅
ふふふふ
晶
関係は、みんなには内密に…。
魔羅
ふふふふ
魔羅
晶さん、私のこと疑ってる?
魔羅
私が晶さんとの関係をばらすとでも
晶
いや、違うよ。
晶
忠告をしておいただけだよ。
晶
マリとの関係が知れ渡れば僕は、君をきらなければならない。
晶
そうだろ?
魔羅
ふふふふ
魔羅
わざわざ、自分の首を締めるような事しないわ。
晶
まぁ、そうだな!
魔羅
こんな話やめましょう!
魔羅
美味しいワインとビーフシチューが不味くなっちゃう。
晶
そうだな。
晶
この花は、何の花だ?
魔羅
あぁ…、それね、
魔羅
さっきベランダで咲いてるの見つけたの、
晶
マリの物には、入っていないようだが?
魔羅
入ってたわよ!
魔羅
もう、たべちゃったの。
晶
そうか!
晶
美味しかったか?
魔羅
ええ!
晶
じゃあ、食べてみようかな?
ぱく
魔羅
どう?
魔羅
美味しい?
晶
うん、不味くないな。
魔羅
美味しいて言ってくれないのね。
晶
花の話だろ?
魔羅
ふふふふ
晶
違うのか?
魔羅
ふふふふ
魔羅
ビーフシチューの事聞いてたんだけど?
晶
あ、あははは
晶
マリが作ったんだ、美味しいに決まってる。
魔羅
そう、良かった!
魔羅
どうしたの?
魔羅
さっきから、息が浅いみたいだけど…。
晶
悪い、もう、帰ってくれ!
晶
体調が悪くなったみたいなんだ。
魔羅
じゃあ病院行かなきゃ。
晶
ダメだ、マリがいたら妻に怪しまれる。
魔羅
でも…、
晶
お願いだ。
晶
必ず、病院には行くから。
魔羅
分かった、晶さんがそこまで言うなら
魔羅
あ、そうだ!
晶
なんだ?
魔羅
晶さんに忠告しておこうと思って
晶
何を?
魔羅
ビーフシチューの中に入ってた花、
魔羅
トリカブトよ!
晶
トリカブト?
魔羅
安心して、私は捕まらない。
晶
何を言ってるんだ?
魔羅
忠告!
魔羅
それに、
魔羅
私、あの花食べてないの、
魔羅
嘘ついちゃった!
魔羅
でも、かわいい嘘だと思って
魔羅
晶さんを殺そうとしたのは、
魔羅
私じゃない誰かよ。
晶
ハァ…、ハァ…、ハァ…
ドタ
魔羅
もう1つ忠告、
魔羅
私がこの場にいた証拠も全て消しておいたから、
魔羅
晶さんが一度でも一番愛してくれたなら、
魔羅
私を守ってくれるでしょう!
晶
ハァ…。
魔羅
ありがとう
ガチャ
ガチャ 、ガチャ
晶
たす…け………て
私は、鍵を掛けた。彼がこの家から一歩も出られないように。