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僕はいつも母さんに愛されたかった
虹(こう)の母
虹(こう)
もうよく思い出せないくらい昔
ガチャ
虹(こう)の父
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
家族仲は良かった
・・・けど
ある日学校から帰ったら
ガチャ
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)の父
虹(こう)の母
虹(こう)の父
虹(こう)の母
この時僕は怖くて何も出来なかった
あんなに怒っている母は初めて見た
その日から両親は毎日ケンカだった
理由は浮気だった
具体的内容は後から知ったが
どうやら浮気相手との子供が出来てしまったらしい
それでだろうか
虹(こう)の父
虹(こう)の母
虹(こう)
ある日突然
父は居なくなった
バタン
最初は意味がよく分からなかったが
数秒後。僕は意味を理解した。
虹(こう)
ブロロロロロロロ・・・
それからもう父とは一度も会っていない
それから母さんは
僕の事が嫌いになった
ボコッドンッ
虹(こう)
虹(こう)の母
パァン・・・ボコッ・・・
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
その次の日
僕はテストで珍しく百点を取った
褒めて貰えると思った
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
ビリビリ
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
その日の夜
僕は洗物をした
褒められなかった
というか怒られた
ゴシゴシ・・・
虹(こう)
パリィーン
ゴンッ
虹(こう)
その日僕は、軍手をしないとお皿の破片で手を怪我すると知らず
手が傷だらけになってしまった。
でもそんなことよりも
お母さんに嫌われているというその感覚が
辛くて
母親によく暴力を振るわれる
悪口を言われる
褒めて貰えない
「ありがとう」も「ごめんなさい」も言われない
ただただその現実が悲しくて
悔しかった
年月が流れ
そのまま15歳になった
僕はお母さんが大好きなお金が稼いでみたかった
今度こそお母さんが褒めてくれるんじゃないかと思った
まだ・・・諦められなかった
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
普段大事にされないからだろうか
多分普通じゃないくらい嬉しかった
母さんが珍しく喜んでくれた
あの母さんが「ありがとう」って言ってくれた
あの母さんが僕を必要としてくれた
もっとお金を稼いだら
もっと「必要」になったら
また、小さい頃みたいに
愛してくれるのかな
そう思って僕は
親に大事にされたくてがんばって手に入れた
学年トップの座を簡単に手放した
まあ手放したと言っても
名門校の平均点取ってたわけだから
そんなに馬鹿じゃなかったと思うけど
数年後
僕は受験勉強のためにバイトをやめた
高学歴の方が高収入になりやすい
つまりいっぱい勉強していい大学に入った方が
お金をいっぱい稼ぎやすい!
母さんが僕を必要としてくれる
また大事にしてくれる
それだけ
それだけで十分だった
僕がお金を渡さなくなったせいで
母さんに「ありがとう」と言われなくなった
でもその時は、大人になった後に
たくさん愛してもらえるんだ
と思って我慢していた
その時期は勉強の事ばかり考えていた
クラスで浮いたってどうでもよかった
東大に主席で合格した
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
母さんは相変わらずどうでもよさそうだった
でもそれでも
後数年で劇的に変わるって
思い込んでいた
数年後
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
周りはどんどん就職先が決まっているのに
学年でトップレベルの僕は受からなかった
そのまま大学の卒業式になってしまった
悲しかった
悔しかった
もっと母さんに大事にされたいのに
そのためだけに勉強したのに
全然上手くいかない
僕はバイトに明け暮れていた
家賃・食事代・電気代・水道代・ガス代・奨学金の返済
簡単に消えていくお金
昔は、勉強代は奨学金でどうにかして
他は親が「数年後に返してもらえるなら」と
渋々貸してくれていたお金とバイト代でどうにかしていた
が、「もう大学卒業したから自分で稼げるはず」
と親からの仕送りがなくなった
のに
急にバイトをクビになった
なんか目が怖いらしい
目つきが悪いと感じた事無いのに
心なしか店長も少し怖がっている気がした
その後はどのバイトも同じ理由で落ちた
あまり人と関わらなそうなバイトもだめだった
どうして?
もし本当に目つきが悪いとしても
ここまで受からない物なのか
一体何がだめだというんだ
そう思いながら
僕はあきらめなかった
が、結果は残酷で
ついに
貯金が底をついた
虹(こう)
不在着信
母さんに電話をかけたが繋がらなかった
だから実家に帰った
ピーンポーン
ガチャリ
虹(こう)の母
第一声がそれだった
それでも僕は
虹(こう)
と謝った。今機嫌を損ねたら泊めてもらえない
震える声で僕は言った。
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
リビング
虹(こう)の母
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)の母
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
僕の手と声は多分、震えていたと思う
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
母さんが怖がっている気がしたけど
そんなことはもうどうでもよくなっていた
昔の僕ならどうでもよくはないだろう
突然フラッシュバックして
今までの事が頭に流れ込んできた
そして気づけば・・・
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
ポタ・・・ポタ・・・
血塗れの包丁を持った自分と
見るに耐えない姿で目の前に倒れている母さんがいた
ぼんやりと思い出した
僕は母さんを何度も何度も刺しては抜いて刺しては抜いてを繰り返していた
何回刺したんだろう
でも、謝ろうとは思わなかった。
だって・・・
虹(こう)の母
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)
虹(こう)の母
虹(こう)の母
母さんは死んだ
まあこの怪我なら無理は無いか
なのに
急に背筋が凍った
よく考えたら
もう二度と母さんに 愛してもらえない
それはだめだ
でも
死んだ人は生き返らない
じゃあ
生きる意味は無い
死ねばいい
END