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夢野ひより
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コメント
4件
コンテストふぁいとです!!🫶🏻🔥
城中が燃えている。
夜だと言うのに 窓の中も外もオレンジに照らされて眩しいほどだ。熱い。
魔術で火を出さなくても充分明るい。 俺はまだ制御が上手く出来ないから、魔術を使う時は火気厳禁!だけど。
……今はそんな事言ってる場合じゃない。
あ。
あの蛇革の腕輪は見覚えがある。 俺が父さんの誕生日にあげたやつだ。仕立て屋のおばちゃんに教えて貰って俺が編んだやつだ。
父さんは肌身離さずこれを身に付けていた。 それが今床に放り出されてる。…凄い嫌な予感がする。
__その腕輪を拾い上げて気づいた。 血で べったりと湿っている。
心臓が口から飛び出してしまいそうだ。 なんとか腕輪から視線を剥がし、更に気付く。
床に点々と血の痕。
怖い。嫌だ。 __体の内側でそんな声が木霊してるのに、俺の足は血の痕を辿っていた。
______男が倒れていた。
剣と魔術の練習で疲れた時でもその背中を見ると肩の力が抜けた、
この世で一番大好きな背中に、銛(もり)が突き立っていた。 オレンジ色に照らされた柄。
それはまるで墓標のようだった。
鴉
乳白色のスープに蛇の頭が浮かんでいる。
__どうもこの軍のメンバーは豪胆揃いらしい。
いや普通に悪趣味だ。 蛇の頭部を美味しそうに頬張る向かいの男を見て、俺は眉をひそめた。
よく食べれるよな…。 蛇革産業はこいつらが滅ぼした「国」の主要産業だったと言うのに。
霧我
向かいの男がスープ皿に直に口をつけながら こちらを見る。
鴉
スプーンを握ってみるも食欲など湧かない。 むしろ胃液が逆流しそうだ。
霧我
轟姫
力豪
雅美
霧我
男の口がニタリと横に裂けた。 その歯には蛇の鱗がこびりついている。
鴉
剣と魔術の国、コルティアの王は、今は不在だ。
王と対立する思想を持つ者達の反乱の末、殺害されたのだ。
王族や護衛に携わる人が住む城は燃え、コルティアは一夜にして暴力が物を言う弱肉強食世界と為った。
___国王と、護衛騎士総長の命を奪ったのは、「四聖(しせい)」と呼ばれ、当時4部隊に構成されていた護衛騎士隊の各隊トップであり
現在 俺の前で蛇にフォークを突き刺す、こいつら4人だ。
エレメンツ 四元素 と名を改めた4人が今のコルティアを支配している。
国王思想に寄り添う「国王派」の殲滅。 殺しも厭わない過激派集団。
今日も「国王派」の男を、見せしめと家族の前でなぶり殺した____…
力豪
轟姫
雅美
霧我
4人の視線が一瞬だが確実に俺を撫でた。 俺は唾と胃液を押し返しながら首を振った。
鴉
霧我
雅美
力豪
鴉
轟姫
轟姫
霧我
霧我
鴉
あの4人はきっと、 俺が外部に武器や情報を流している事に気づいてる。
モタモタしてると俺は消される。
鴉
____遠く鐘の音。 就寝の時刻を告げる鐘だ。
鴉
……………遅い。
四元素どもに仕掛けた「盗聴蛇」が帰って来ない。
鴉
俺は舌打ちしながら自室のドアを開け_________
霧我
鴉
自室のドアを開けると 四元素が立っていた。
彼らの手には俺が仕掛けた盗聴蛇____の亡骸。
鴉
力豪
霧我
霧我が廊下の奥の暗がりに首をめぐらせた。 四元素が脇に退き、通路を空ける。
___闇を引きずり、 1人の老人が現れた。
鴉
四元素の頭脳。老いとは無縁の剣術。
俺と同時期にこの軍に入ったにも関わらず、瞬く間にこの軍の頭(かしら)に為った男。
常闇 残夢
トコヤミ ザンム 常闇 残夢
力豪
力豪(りきごう)が重々しく息を吐き出し、 霧我が肩で笑いながら背中の銛(もり)を抜いた。
霧我
轟姫
雅美
鴉
よく見なくても、四元素は全員武器を携えている。 確実に俺を狩る気だ。
このままでは殺される。
鴉
鴉
俺は生きねばならない。
俺は…
ガシャーーン!
力豪
轟姫
右頬を何かが掠める。炎の矢。 轟姫(とどろき)の魔術だ。
立ち止まったら駄目だ。 風切り音。
激痛。
鴉
足首を貫くのは鋭利な手裏剣。 雅美だ。
立ち止まったら駄目だ!
鴉
走れ
走れ。走れ。走れ。
走れ…!
四元素と残夢率いる「侵攻軍」の国民支配は苛烈を極めていた。
大部分の国民の戦意は喪失し、大人しく侵攻軍に服従していたが、 そうでは無い者達もいる。
失われた国王政権を取り戻し、信仰軍討伐を目的とする 「対抗勢力」___
レジスタンス。
イロハ
イロハ
ゴーム
イロハ
レジスタンス総本部にはここ最近、カラスがよく来る。
黒く鋭い嘴(くちばし)がくわえているのは、盗聴蛇に取り付ける専用の盗聴機。
ゴーム
イロハ
ミファエル
イロハ
ゴーム
イロハ
ゴーム
ゴーム
ゴーム
イロハ
ミファエル
ミファエル
ミファエル
振り向くと満月を背にミファエルが佇んでいた。 彼女の銀髪は、月光を浴びて神秘的な輝きを放っている。
アレン
ミファエル
時々夢を見る。とんでもない悪夢だ。
父さんが殺された日の夢。 忘れたくても忘れられない、 背中に突き立った銛(もり)。
ミファエル
アレン
アレン
アレン
ミファエル
アレン
アレン
ミファエル
背後からアレンに腕を回しながら、ミファエルは小さく呟く。
アレンも特に振り払ったりはせず、ミファエルの手に自身の手を重ね、そっと目を瞑った_____…
ガサッ
アレン
___が 静寂は破られた。
ミファエルが パッと飛び退き、アレンの背にも緊張が走る。
柔らかい草を踏み分け現れたのは____
鴉
黒衣の騎士。 片足を引きずり、顔は苦し気に歪んでいる。
アレン
鴉
鴉
アレン
かくて二者は出会い
後に歴史に刻まれる壮大な「反乱」の幕が上がる。