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キーンコーンカーンコーン

美波(みなみ)

(あ、次古典だから移動しなくちゃ)

楓(かえで)

みなっち!次古典でしょ?一緒に行こ!

美波(みなみ)

あ、うん!行こ行こ!

私が通っている寺相高校は、単位制。 人によっては取っている授業が違う。

だからみんな、それぞれ指定された教室に移動して授業を受ける。

美波(みなみ)

(あ〜あ。なんか毎日毎日つまんないなぁ...。)

美波(みなみ)

(なんか、面白いこと起きないかなぁ。)

楓(かえで)

え、まって!!あと1分でチャイムなるよ!!

楓(かえで)

みなっち早く早く!!

私は深いため息をついた後、 楓と慌てて次の教室へ向かった。

キーンコーンカーンコーン

古典の先生

では、今日はここまでにします。

古典の先生

きちんと、復習しておいて下さいね。

美波(みなみ)

(はぁ...やっと終わった...)

美波(みなみ)

(古典、難しくてわかんないんだよなぁ。)

楓(かえで)

はぁ...みなっち、やっと終わったね...

美波(みなみ)

んね...というか

美波(みなみ)

かえで寝てたでしょ笑

楓(かえで)

バレた?笑

楓(かえで)

だってぇ〜!眠いんだもん〜〜!

楓(かえで)

あとつまんないし!

美波(みなみ)

わかる。

楓(かえで)

んね。

楓(かえで)

それよか、早く自分達のクラス戻ろ!

楓(かえで)

今日、彼氏とデートだから早くホームルーム終わらせたい!笑

美波(みなみ)

え、そうなの!いいねいいね〜!

「私も恋したいな」と言いかけたのを、咄嗟に飲み込んだ。

美波(みなみ)

じゃあ、早くホームルーム終わらせなきゃね!クラス戻ろ!!

私は代わりにそう言って、楓と自分達のクラスに向かった。

自分達のクラスに着き、私は自分の席に深く腰を下ろした。

担任の先生

そろそろ、ホームルーム始めますよ〜

美波(みなみ)

(はぁ、疲れたなぁ...)

美波(みなみ)

(....................ん?)

美波(みなみ)

(.....なにこれ?)

ふと、自分の机に書かれた落書きに目を落とす。

そこには、とても可愛らしい犬が描かれていると共に、「飼いたい」と、筆者の願いが綴られていた。

恐らく、前の授業で自分の席に座った人が書いたものだろう。

美波(みなみ)

(私の机に落書きしてそのまま消し忘れたんだ)

美波(みなみ)

(なんか...面白い笑)

美波(みなみ)

(あとこの犬、ココアに似てるな)

私が小さいころから飼ってるチワワに、どこか似てた。

美波(みなみ)

 (うーん...消すの勿体ないなぁ)

私はなんとなく、そのまま残してくことにした。

担任の先生

それでは、ホームルームを終わります。

担任の先生

皆さん、気をつけて帰ってくださいね〜

楓(かえで)

みなっち!私帰るね!!

楓(かえで)

またあした!

美波(みなみ)

うん!また明日ね

楓を見送った後、少し教室が静かになるのを待って、私も教室を後にした。

1週間後

私は、まだあの落書きを消せずにいた。

英語の先生

ここまでが主語で、ここからは動詞ね!

美波(みなみ)

(次古典か...。めんどくさいな。)

美波(みなみ)

(というかこの落書き、消せないで1週間経ってるし)

美波(みなみ)

(さすがにこのままじゃまずいかな)

美波(みなみ)

(そろそろ消さなきゃな...)

美波(みなみ)

美波(みなみ)

(ん......?ちょっと待てよ)

美波(みなみ)

(次ここに座る人って、この絵を描いた人だよね?)

美波(みなみ)

(なんか書いたら、読んでくれるかな?)

そう考えた私は、この落書きの主へ向けてメッセージを残した。

「絵、上手ですね。自分の飼っている犬に似てて驚きました。笑」

「次、猫描いてほしいです!」

美波(みなみ)

(さすがにリクエストは図々しいかな?笑)

キーンコーンカーンコーン

授業終わりのチャイムが鳴った。

美波(みなみ)

かえで!次、古典移動しよ!

楓(かえで)

ちょっとまって、準備出来てない笑

楓(かえで)

てか準備めずらしく早いね笑

美波(みなみ)

そうかな?笑

美波(みなみ)

いいから早く早く!

楓(かえで)

楓(かえで)

おけ!準備できた!いこ!

私は、胸が少しだけ弾んだのを感じた。

それを誤魔化すように、足早に次の教室へ向かった。

私の好きは机から。

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