TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

村瀬 蛍

はろォォォォォォォォォォォォォォ

大声を出して病室のドアを開ける

これが日課になってきた

ただ、今日は来るのが遅れてしまった

シーン

村瀬 蛍

あれ?蒼くーん?

蒼くん

ん?あぁ。

いつもは「うるさい」とか

言ってくる蒼くんが今日は少し

寂しそうだ。

村瀬 蛍

どったの?

そう言いながら蒼くんのベットに

腰掛ける

キシッとベットがきしむ。

村瀬 蛍

ほら、昨日の話の続きしよ?

蒼くん

うん、そうだね。

俯いていた蒼くんの顔がゆっくり上がり

私の顔をじっと見つめる。

ミーン ミーン

蝉の声がした。

蒼くんはいつもの優しい顔に戻る

蒼くん

もう、夏だね。

村瀬 蛍

そうだね。

蒼くんは窓の外を眺める。

蒼くん

そういえば蛍と初めて会ったのも
夏だったよね。

村瀬 蛍

うん。蒼くん、寂しそうな目だった

蒼くん

蛍が ずっと見てたから
変態かと思った。

村瀬 蛍

おい!

確かにずっと見てたけどさ、

村瀬 蛍

2人で おでこぶつけて
笑ってたね。

蒼くん

うん。バカかと思った。
バカだったけど((ボソ

村瀬 蛍

蒼くーん?全部聞こえてるよー?

そんな他愛ない会話を交したあと

村瀬 蛍

小6の夏だったでしょ?
今が高三になるかな。だから

蒼くん

出会って何年になるかな?

私が計算していると

蒼くん

6年かぁー

蒼くんがズバッと答えを言う

村瀬 蛍

長いねー

蒼くん

てかさ、蛍 髪結んだら?

蒼くん

いくらなんでも暑いよね?

気づいてたんだ

村瀬 蛍

ありがと、

村瀬 蛍

てか、話したかったのこれ?

蒼くん

違うよー。

違うんかい!

心の中でツッコミを入れたあと

村瀬 蛍

じゃ、何?

蒼くんの顔が急に寂しそうになる

蒼くん

あのね、僕

蒼くん

もうすぐ死ぬんだ。

村瀬 蛍

え?

何が起こってるのか 分からなかった

ただ、ただ時間が止まったように

私はあまりのことに動けなかった

蝉の声だけが飽和する

村瀬 蛍

蒼くんッ?冗談きついよ?

やっとのことで出した声は震えていた

村瀬 蛍

ね?.......ッ!

蒼くんの顔を見ると蒼くんの目は

真っ直ぐに私を見ていた。

村瀬 蛍

...そっか

蒼くん

ごめん。ごめんね。

蒼くん

大丈夫だよ。蛍は強いから、

村瀬 蛍

ッ!

蒼くんの優しい声が

私の涙を誘う。

だめだよ、泣いたら

蒼くんが困っちゃう。

蒼くん

それにね、蛍に叶えてほしいものが
あるんだ。

村瀬 蛍

叶えて...ほしいッもの?

少し声が裏返る

蒼くんは優しい声で話してくれる

蒼くん

昨日、歌い手になりたいって
話したでしょ?

村瀬 蛍

.....

コクッ

私は頷くことしかできなかった

蒼くん

それを、蛍に叶えてほしいんだ。

村瀬 蛍

へ?

蒼くん

だから、蛍が歌い手になるの!

村瀬 蛍

は?

ごめん、蒼くん。

何言ってるか分からない。

村瀬 蛍

無理だよ。

村瀬 蛍

私、歌ヘタじゃん。

蒼くん

そんなことないよ。

村瀬 蛍

なんで わかるの?

蒼くん

蛍なら できるよ。

なんで、サラッと言えちゃうかなー

蒼くん

きっと。

蒼くんが念を押すように言う。

村瀬 蛍

だめだよ、蒼くん。

蒼くん

なんで?

蒼くんは悲しそうな顔をした。

村瀬 蛍

来週は私の誕生日だよ?
生きてよ.. 祝ってよ。

蒼くん

ごめんね。

蒼くんは また俯く

そして、蒼くんの手の甲に涙が落ちた

村瀬 蛍

ッ!

もう、ここに居られない

ここに居たら 私も泣いてしまう。

村瀬 蛍

っもう、帰るね。

蒼くんに涙は見せられない。

蒼くん

ごめんね。

蒼くんはまだ、謝っていた

村瀬 蛍

.......

やめてよ。

謝らないで。

そんなことも言えないまま

何も言わず病室を出た。

家に着いた

村瀬 蛍

明日、謝ろ

そして、伝えるんだ。

「私、歌い手やるよ。」

って。

気づいてたら寝ていたらしく

窓から朝日が刺していた

村瀬 蛍

うしっ!

パンッと頬を叩き気合を入れた

身支度を済ませドアノブに手をかける

村瀬 蛍

.........

私ならできる。

大丈夫、大丈夫

村瀬 蛍

行くか。

蒼くんのいる病院まで歩いて向かった

大丈夫だ。

村瀬 蛍

げんきィィィィィィィィィィィィ?

勢いよくドアを開けたが

一瞬で私は崩れ落ちた

ー目を開けてー

ー蒼?起きてー

そこにはベットで寝ている蒼くんに

もたれかけるように嘆く女性

村瀬 蛍

蒼くんママ?

女性は 振り返り

こちらを見て 涙を浮かばせる

あぁ、やっぱり蒼くんママだ。

村瀬 蛍

どうしたんですか?
蒼くん、まだ寝てるんですか?

???

あのぉ、

医者らしき人に話しかけられ

そちらを見る。

もうこれ以上は言う必要がないと言うように

医者は俯く。

嘘だ。

嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ

医者

蒼さんはもう、

蒼くんママ

蒼は さっきまで蛍ちゃんの
ことを話してたの。

村瀬 蛍

そう、ですか。

聞けば ついさっき

蒼くんは息を引き取ったらしい。

少しずつ歩いて蒼くんに近づく

蒼くんは穏やかな顔をしていた

ただ、眠っているような

文章を入力してください

村瀬 蛍

蒼くん、やほ。

少し震えた声で蒼くんに伝える

村瀬 蛍

昨日は ごめんね。

まずは、謝る

村瀬 蛍

私ね、歌い手やってみようと思うよ

村瀬 蛍

蒼くんが その人達から夢を貰ったように、私も色んな人に夢を

与えるんだ。

だからね、蒼くん

村瀬 蛍

見ててね、

こころなしか蒼くんが笑ったように見えた

村瀬 蛍

失礼します。

病室を後にして 帰り道を辿る

前より強くなった気がする

蒼くんがいてくれるから

村瀬 蛍

あ...

ここは確か赤髪の男性と

ぶつかった場所だったな

村瀬 蛍

そういえば、ハンカチ...

村瀬 蛍

渡したまんまだ

蒼くんに貰ったんだよな。 ハンカチ

村瀬 蛍

やだな、全部蒼くんに繋げちゃう

ポタッ ポタッ

村瀬 蛍

あ...れ?

ポタッポタッポタッ

涙が止まらなかった

どうして、あの時ケンカをしてしまったのか

どうして、あの時もっと早く家を出なかったのか

どうして、あの時走っていかなかったのか

どうして、あの時は歩かなかったのか

後悔が止まらなかった。

でも、泣いてても始まらない

村瀬 蛍

ンッ

目を擦って涙をころす。

村瀬 蛍

泣いてたら蒼くんに怒られるじゃん

村瀬 蛍

やってやろうじゃん、歌い手

天国の蒼くんまで

名前が届くように

村瀬 蛍

バッ!

私は青くて澄みきってて

綺麗な、まるで蒼くんのような空に

ピースを掲げる。

これは、私が最高の歌い手になるまでの

物語だ。

終わり。

いやー、一段落着きました。

主 うれしい。

叶えてほしいもの。#01の はーとが50を越えました!!

ありがとうございます!

フォローとか、してもらって( *ᐢ´꒳`ᐢ* ) 出来るだけフォローは返します。

これからもよろしくお願いします!

loading

この作品はいかがでしたか?

118

コメント

3

ユーザー

神作品だ……(´இ□இ`。)°

ユーザー

みるくさん 今、かいてるので 出来るだけ早く投稿できるよう頑張ります!気長に待ってて!

ユーザー

続き気になる

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚