ガチャ
というドアの開く音。
はやまる鼓動
瑠奈
えっ……だ…
瑠奈
○○…!?
瑠奈
か、帰ってきてくれたの!?
○○
る、な……
瑠奈
な、なに?
瑠奈
とりあえず中入ってよ!!お母さんも喜ぶよ!
本当に鈍感な姉だ。
親が喜ぶ?
そんなわけないじゃないか。
瑠奈
お母さん今お風呂入ってるんだ〜
○○
…あとで
○○
お母さんにも話がしたい。いまは…瑠奈と。
瑠奈
…私にも?何かあった?
○○
…私は、帰ってきた訳じゃなくて…ただ、話がしたいだけだから…
瑠奈
…え、?ど、どういう…?帰ってきたんじゃないの…?本当に家出しちゃうの…?
○○
…瑠奈は嫌?
瑠奈
嫌だよ!!
瑠奈
ずっと!小さい時から傍にいたじゃん…!
○○
瑠奈…私がいなくても、あなたには優しい親と親しい友達がいる
○○
私なんて…必要ないでしょ?
瑠奈
何言ってるの!?親しい友達よりも○○が好きだよ!?
○○
私は…あなたが嫌い
瑠奈
それは……
瑠奈
知ってる、よ…
瑠奈
ずっとわかってた…でもね、もっと嫌われないために気付かないふりしてた…
○○
…どういうこと?
瑠奈
もし…私のこと嫌いでしょ?なんて言ったら…もう二度と私が話しかけても応えてくれなそうで…
瑠奈
怖くて…
…あぁ
なんだ
勘違いしていたのは私だったんだ。
○○
…ごめん、るな。今の家と学校に…居場所はないんだ。だから…まだ帰れない。ごめん
瑠奈とちゃんと喋ったなはいつぶりだろう。
瑠奈
…お母さんに嫌われてるの
○○
…私が?
瑠奈
ううん
○○
…え?
瑠奈
私が。
○○
…瑠奈が?
瑠奈
うん
○○
何言ってるの…?愛されてるよ。美味しいものを食べさせてもらえて、好きなものを買ってもらえて、優しい言葉をたくさん掛けてもらってるんでしょ…
瑠奈
うん
瑠奈
たくさん愛されてきた
瑠奈
でも
瑠奈
その愛はさ…本物じゃなくて、嘘だったんだよね
瑠奈
私…殺されちゃうかもしれないんだぁ
○○
…はぁ?
瑠奈
きこえちゃったの
瑠奈
もういらないって
瑠奈
あの子は金がかかるのよ。保険金かけて殺すわって。あはは、無責任な母親だよね。
○○
…いつの話?
瑠奈
一昨日くらい。○○もいないしいい機会ねって。
瑠奈
そのうちあなたも殺されるかもしれないから気をつけてね?
○○
いいの?
○○
殺されても
○○
怖くないんだ
瑠奈
いいよ
瑠奈
私…顔だけが取り柄だったもん。自分でもそこら辺の女の子よりは可愛いって自覚してた。実はあなたより性格悪いんだよ、私。
○○
…なんだ
○○
やっぱり私達って双子だったんだね
瑠奈
いつも周りの期待に応えなきゃいけないからさすがにもうだるくって。いっそ事件に巻き込まれないかなー、みたいに思ってたら殺されるみたいだから丁度いいやって
○○
…ばかだなぁるなは。
瑠奈
え、なんでよ!?
○○
親に必要としてもらえなくても、あなたのことが大好きな人は何人もいるんだから死んじゃダメでしょうが
瑠奈
…殺されちゃうのに代わりはないと思うし…
ガタッ
瑠奈
…あっ…
瑠奈
お母さん出てくるよ!
○○
…どっかに隠れとく
瑠奈
え?話すんじゃ…
○○
いいから
○○
何も無かった事にしといて
瑠奈
…わかった
’’最後’’に
役目を果たさないとね。