…ちゃん!
…兄ちゃん!
…お兄ちゃん!!!
起きて!!!
レクタリス
レクタリス
レクタリス
部屋に置いておいたはずの
装備一式が綺麗に無くなっていた。
レクタリス
レクタリス
部屋を出ると
子爵の私兵たちが武器を構えて立っていた。
レクタリス
レクタリス
私兵
私兵
レクタリス
レクタリス
私兵
レクタリス
武器を持っていないレクタリスは
素手で私兵に立ち向かう。
防具も無いので
あっさりとあちこち切り裂かれたが、
彼は怯むことなく私兵たちを殴り倒していった。
しかし、
レクタリス
廊下の端へと追いやられる。
私兵
レクタリス
ルドレス
私兵
私兵が振り返ると
ルドレス
私兵
一瞬にして私兵たちが氷漬けにされてしまった。
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
投げてきたのは彼の装備一式だった。
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
・
・
レクタリス
馬上から先を行くルドレスに話しかける。
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
・
・
フェルエント
リズル
広い広い大聖堂。
そこに真っ白な祭服(さいふく)を纏った人々がいた。
中心に、金色の杖を携えた大司祭が佇んでいる。
リズルはその前に自ら歩いていき、跪いた。
大司祭
フェルエント
大司祭
フェルエント
大司祭
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
リズル
大司祭
大司祭
大司祭
大司祭
リズル
大司祭
大司祭
大司祭が言うと、
リズルを囲んでいた聖職者たちは大きく頷き、
そして、一斉に歌を歌い出す。
リズル
それは
神聖なる歌。
邪神を弱らせる効力を持った歌。
それは大聖堂の中で幾重にもなり、
響き渡る。
フェルエントと聖騎士が押さえていたが、
その腕の中でリズルは小さな体を捩って
苦痛の表情を浮かべる。
リズル
それはリズルの悲鳴ではない。
彼女の内にある
邪神の悲鳴だった。
頭を大きく降り、
はらりと落ちる
リズルの目元に巻かれた包帯。
フェルエント
フェルエント
包帯を外したのは、
共に彼女を押さえていた聖騎士だった。
聖騎士
フェルエント
聖騎士はフェルエントの首を刎ねた。
リズルの顔に鮮血がかかる。
すると、彼女の空っぽの眼窩から
目にも止まらぬ速さで黒い手が伸びて、
司祭の頭を掴み、
大司祭
あっさりと握りつぶした。
歌唱がピタリと止まる。
聖騎士
さらに聖騎士は、自分の喉を搔き切った。
誰かが”歌を止めるな!”と叫んだ。
ギュルルッ
眼窩から生えた無数の手は、
歌い出そうと息を吸った聖職者たちの頭を掴んで、
握りつぶした。
レクタリス
そこに馬ごと乗り込んできたレクタリスとルドレス。
レクタリス
ルドレス
しかし、驚く彼らを無視して
眼窩から伸びた手は
大聖堂の屋根を突き破る。
ルドレス
レクタリス
彼女の右目は虚ろだった。
レクタリス
ルドレス
彼は迷うことなく
空中に浮いているリズルの元に駆け寄った。
ルドレス
ルドレスが早口で唱えると、
レクタリスを氷が囲み、
間髪入れず
その上から屋根の塊が落ちてきた。
ルドレス
レクタリス
瓦礫の下から這い出して、
そして
見上げる。
そこには、
大聖堂を囲む光の防壁を黒い手で殴る
リズルの姿があった。
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリスは剣を構えた。
レクタリス
・
・
あの日
リズルと出会ったあの日は、
妹リュエットの命日だった。
妹のことを思い出して、
ちょっと自暴自棄だった俺は無茶をして、
そして、死にそうになった。
そこにたまたま通りかかった、リズル。
彼女は、こんなクズの命を救ってくれた。
全然、妹に似てねぇけど。
でも、
きっと
心のどこかでは
一緒にしていたんだと思う。
これは、きっと妹に出来なかった罪滅ぼし。
妹を幸せに出来なかった俺の
リズルには幸せになってほしいという、
一方的な願い。
だから、
最初から覚悟は出来てた。
リズルのために、
死ぬ
そんな覚悟は、
とうの昔から出来ていた。
・
・
レクタリス
一本、また一本と
振り下ろされる邪神の腕を切り落としていく。
邪神の攻撃は、
ルドレスが防壁を張って防いでくれた。
レクタリス
レクタリス
一本、また一本と
腕を斬り落としながら
一歩、また一歩とリズルに近づく。
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
滑るように伸びた黒い手が、
レクタリスの左腕が切り落とす。
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
さらに、右足が切り落とされる。
だが、
レクタリス
そう、いつの間にか邪神の腕は
二本まで減っていた。
それが横に滑り、
右足を切り落とす、が
同時に邪神の腕も切り落とした。
レクタリス
残り、一本。
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
リズル
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
右腕も切り落とされた。
リズル
リズル
虚ろだった右目が、
倒れているレクタリスの姿を捉える。
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
リズル
レクタリス
リズル
レクタリス
リズル
レクタリス
レクタリス
リズル
キラリと右目に明るさが戻ると、
眼窩から伸びていた邪神の手を掴む。
レクタリス
レクタリスは口で剣を咥え、
全身をバネにして飛び上がる。
”ずぶり”と切り落とされる腕。
リズル
リズルが唱えると
一瞬にして彼女が掴んでいた黒い手が
燃え上がる。
リズル
レクタリス
リズル
リズル
眼窩からドロリと黒い液体が垂れた。
リズル
リズル
ふらつく足で、
倒れている彼の元へ歩みを進め。
側にへたりこむ。
リズル
彼女が手をかざしても、
そこからはあの暖かな光りは出なかった。
リズル
リズル
リズル
レクタリス
レクタリスは乾いた笑みをこぼす。
リズル
リズル
右目から大粒の涙が零れ落ちる。
レクタリス
レクタリス
リズル
レクタリス
リズル
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
レクタリス
リズル
リズルは
レクタリスを抱き締める。
リズル
リズル
左目から零れる黒い液体は
止まることなくあふれてこぼれ、
右目から流れていた涙も、
黒く染まる。
リズル
レクタリス
リズル
そのまま
彼女の左の頬が”ズルリ”と溶け落ちた。
レクタリス
リズル
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレスを見上げた彼女の顔から、
左耳が、顎が、溶け落ちる。
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
リズル
その言葉と共に左腕が肩口から溶け落ちる。
リズル
レクタリス
口から黒い液体を吐き出す。
ルドレス
ルドレス
ルドレス
淡々と語るルドレス。
彼女の頭皮が”ズルリ”と落ちた。
リズル
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
ルドレス
レクタリス
彼女の崩壊は止まらない。
無事だった右目が溶け落ち、
頬が耳が腕が……
レクタリス
リズル
リズル
レクタリス
レクタリス
レクタリス
リズル
リズル
リズル
リズル
リズル
リズル
頭が首から外れ、
レクタリス
床に落ちると
腐ったトマトのように潰れて
中から黒い液体を辺りに散らした。
レクタリス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
レクタリス
レクタリス
・
・
兵士
ルドレス
兵士
ルドレス
ルドレス
ルドレス
兵士
ルドレス
兵士
兵士
ルドレス
ルドレス
兵士
兵士
兵士
兵士
ルドレス
ルドレス
兵士
ルドレス
ルドレス
兵士
若い兵士はバタバタと走り去る。
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
ルドレス
・
・
兵士
町民
兵士
兵士
町民
兵士
町民
馬車の手綱を持っていた人物は
身軽に降りると
ホロを開いて見せる。
そこには全身に包帯を巻かれた、
手足の無い男性が横になっていた。
兵士
町民
町民
町民
兵士
兵士
兵士
町民
兵士
・
・
・
END
お題
秘密を抱えている 片目の無い少女 両手足が無い (もしくは奪われる)
コメント
12件
Twitterで紹介してらしたので読んできました! 最初のテンポ良いシーンで「なんかハッピー…いやそんなはずないよな…?」と思って読んでました リズルが1人で出ていくところで「あっ…(なんとなく察し)」だったんですけど、やっぱりバッドエンド 救いようのないくらい突き落としたバッドエンドで凄かったです!
バトルシーン、かっこよかったです!! リズルの台詞もリアルで、ドキドキしました。 悲しいラストですが、面白かったです!!