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果実に伸ばされた手は、サクヤとは違うものだった。
カエデ
サクヤ
一見学生のようだが、どこか達観した雰囲気を持つ青年。
肩にかけた鞄からは、分厚い本がいくつか見えている。
サクヤ
カエデ
サクヤ
カエデ
サクヤ
地名を聞いた途端、青年の瞳が輝き出す。
愛想は良いが、どうやら知識に貪欲な人物らしい。
カエデ
カエデ
サクヤ
カエデ
サクヤが尋ねると、青年は思い出したかのように呟き、背を正した。
カエデ
"カエデ"と名乗る青年は、親しげに右手を差し出しサクヤに握手を求めた。
サクヤも快く手を握り、自己紹介をする。 すると。
_____________ブワァッ
サクヤ
握った2人の手を、桃色の花びらがひとりでに包み込んだ。
慌てて手を離すと、花びらはしばらく空中を回り、やがてどこかに飛び去っていった。
サクヤ
地面に色のくすんだ異物を落として。
サクヤは訝しげな顔をして、その異物を摘まみ上げる。
片手で握り込める程の大きさのそれは、ブニブニしていて気味が悪い。
ふとカエデの顔を見やると、彼はひどく驚いた表情を浮かべてサクヤを見つめていた。
カエデ