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ボスキと主様

第24話 - 第24話紅葉祭り (ハウレスと主デート編) 第4章

2024年09月15日

#悪魔執事と黒い猫

#ボスキ・アリーナス

aimer(エメ)

ハウレスと主は合流したあと、出店通りを歩いていた。

ハウレス

主様、みんなとは楽しめましたか？

主

うん///楽しかったよ。

ハウレス

それは、良かったです。

主

(色々あったけど、みんな私を愛してくれてるって実感しちゃったなぁ。ハウレスも本当に私を愛してくれているのかな？あれから、時間空いちゃったけど…。他のみんなは私にちょこちょこ会いに来たり、何かと2人きりの時間を作ろうとしてくれたけど、ハウレスだけは、いつも通りで、むしろ、前より素っ気ないような気が……。)

ハウレス

どうかなされましたか？主様。何やら難しい顔をなされているようですが……。

主

う、ううん。なんでもないよ!今日はよろしくね。

と無理して笑う主。

ハウレス

はい。よろしくお願いします。主様。

ハウレス

(〇〇さん。なんだか、無理してるような…。もしかして、お疲れなんだろうか。そりゃ、3人と1人ずつデートした後に、俺ともデートだからな…。お疲れにもなるだろうな…。なら、俺の時は〇〇さんにあまり、負担のかからないデートにしてやらなくちゃな。)

ハウレス

主様、お疲れではありませんか？

主

え？全然大丈夫だよ。どうして？もしかして、疲れた顔してた？！ごめん!
本当に大丈夫だから、気にしないで!

ハウレス

(やっぱり、無理をされているな。)

ハウレス

そうでしたか。これは、失礼しました。俺の勘違いです。主様に気を遣わせてしまい申し訳ありません。

主

ううん!こっちこそごめんね。

ハウレス

お気になさらずに。それより、主様はどちらか行かれたい場所はございますか？

主

え、うーん。あちこち見たからな…。とくにこれ!って場所が思いつかないんだけど…ハウレスは逆にどこ行きたいとかあるの？

ハウレス

主様が特段ないようであれば、1つ行きたい場所があるのですが、よろしいでしょうか？

主

もちろんだよ。行こう!

ハウレス

はい。では、お手を失礼いたします。

主

え？////

ハウレス

嫌でしたか？しかし、この人混みの中となると……。執事として、主様がはぐれたりしないようお手を拝借したいところですが、嫌であれば、すぐにお止めします。

といい、手を離そうとするハウレスの手を主は、恋人繋ぎに繋ぎなおし繋ぐ。

ハウレス

あ、主様？！////これは、流石に執事として主様に対し失礼では!///

とあくまで主と執事の関係を強調するハウレスに主はムッとし、

主

ハウレスは今日、私とデートしに来たんじゃないの？

と少し拗ねたようにハウレスにいう。

ハウレス

そ、そうですが////ここでは、目立ってしまいますから、せめて、もう少し人目がないところまで行くまでは、執事としての態度でいさせていただきたいのですが…/////

と照れるハウレスを見て

主

(あ、そっか。ハウレスは人目を気にして、後から私が困らないように、しっかり主と執事だって強調したかっただけなんだ…。なんだ。そういうことね。)

主

私こそごめん。あまりにハウレスが私によそよそしいような態度で、主と執事って強調するから…寂しくなっちゃっただけなの。本当にごめんなさい。

ハウレス

い、いえ。俺の方こそ、主様の気持ちを組めず申し訳ありません!

と執事らしい謝りをするハウレス。

主

ううん。私もだったから気にしないで。それより、ハウレスが行きたいところ行こう。

と笑う主に

ハウレス

はい。参りましょう。

とハウレスも笑う。

カランカラン

カフェの女店主

いらっしゃいませ～。ってハウレスちゃんじゃないの～。久しぶり～。

ハウレス

あぁ。久しぶりだな。

主

えっ知り合い？

カフェの女店主

あら？そちらは例の悪魔執事の主？
こんなところでよかったら、ゆっくりしていって～。

ハウレス

おい!俺にその態度は構わないが、主様にはきちんとしろ。

カフェの女店主

え～。だって、あたしの主じゃないもの～。あたしはこの店の店主!

ハウレス

まったく。

主

いいよ。ハウレス。私は大丈夫だから。

カフェの女店主

あら、優しいのね。噂通り。

主

うわさ？

ハウレス

あ、主様は気にされなくて大丈夫です////

カフェの女店主

そうよ～。そこのハウレスちゃんったら、ここに飲みに来る度に言うのよ～。主様は優しい～。主様は可愛い～。主様は…

ハウレス

あぁぁ!それ以上言うんじゃない!

主

//////

カフェの女店主

ふふっ。まいったか？プレイボーイ。

ハウレス

ぐっ////主様を連れて来るんじゃなかった////

主

私、来ない方が良かった？

ハウレス

いえ、決してそのようなことはありません!そういう意味ではなく…///

カフェの女店主

まぁまぁ、そんなとこ突っ立ってないで中に入りなよ～。2階の個室行っていいからさ～。

ハウレス

あぁ。助かる。

カフェの女店主

ここに来る連中の中には悪魔執事を嫌う連中もいるからね～。個室にいた方が、そういう連中と関わらなくて済むでしょ？

主

ハウレスを気遣って下さるんですね。それにいつも来てるみたいだし///ハウレスがお世話になってます。ありがとうございます。

カフェの女店主

へぇ～。珍しいね～。執事じゃなく、その主が頭を下げるなんて。本当に優しい心の澄んだ主なんだね。

ハウレス

あぁ。だから、その態度を改めてくれ。

カフェの女店主

そうだね。てっきり、本当にあの貴族連中みたいに上辺だけ優しいように見える連中と一緒かと思ったけど、主様は違うみたいだね。さっきの態度は詫びるよ。すまなかったね。

主

い、いえ!全然気にしてませんから!

ハウレス

いえ、俺が気にします!主様は俺の大切な人ですから!…あっ/////

主

//////

カフェの女店主

なおさら、個室に行ってくれ～。リア充見たくな～い。

ハウレス

勘違いするな!/////
あくまで、俺は執事としてだなぁ...。

カフェの女店主

はいはい。言い訳はいらないから、とっとと2階行ってくれ～。安心しなよ。私は貴族だのなんだのが大嫌いなんだ。だから、ハウレスちゃんを売るようなことはしないからさ～。
もちろん、主様もだよ。あんたみたいにいい人を売るような根性曲がったことはしないから安心しな。

主

あ、ありがとうございます。

ハウレス

恩に着る。

カフェの女店主

さぁさぁ、行った行った。
ハウレスちゃんはいつものかい？

ハウレス

あ、いや、今日はやめとく。主様の前だからな。

主

え、気にしなくていいよ？普段、ここで何飲んでるの？

カフェの女店主

ハウレスちゃんはね。いつもウイスキーのロックをここで飲んでるよ～。まぁ、主様には、カシオレやバイオレットフィズ、ワインとかがおすすめだけどね。
主様アルコールは飲めるのかい？

主

そうなんですね。
あ、はい。飲めます!

カフェの女店主

それは、良かったよ～。BARに来るのに飲めない人もいるからね～。何しに来た？って思うよ。本当に。

主

ははっ。
ねぇ、ハウレス飲んでいいんだよ？本当に。せっかく来たんだし、好きなもの飲んで欲しいな。

ハウレス

ですが…いざと言うとき、酔ってしまったら…。

カフェの女店主

言うほどハウレスちゃん、酔わないじゃないの～。たまに酔うのはあるけど、ちゃんとお代払って帰っていくし。あたしも大丈夫だと思うけどね～。

主

なら、一緒に飲もうよ。付き合ってくれるよね？ダメなんて言わないよね？

ハウレス

うっ。わかりました。主様がそう仰られるなら飲みます。

カフェの女店主

ひゅ～。主様はちゃんとハウレスちゃんをしりに敷いてるね～。いいぞ～。もっと、敷いちゃえ～!

ハウレス

///////

主

…別に、そんなつもりじゃ////

こうして、ハウレスにBARに連れてきてもらった主は2階の個室でハウレスと飲むことになり、2階へ上がる。

ハウレス

主様。飲みすぎはダメですからね。

主

うん。

ハウレス

それで、主様は…。

といいかけ、悲しいような寂しいような顔をしている主にハウレスは気づく。

ハウレス

どうされましたか？何かありましたか？

主

名前………。

ハウレス

？

主

名前で呼んで欲しい……。

ハウレス

(そっか。ここは個室だしな。あの店主も知らない仲じゃないし、大丈夫か。)

ハウレス

〇〇さん。

主

うん。

ハウレス

〇〇さんは、何を飲まれますか？

主

ウイスキーのロック。

ハウレス

え、いや、だから、あまりそういうのは飲まれない方が…////

といいながら、洋館でのあの日の夜を思い出すハウレス。

主

ウイスキーのロック飲むの～!!!

ハウレス

わ、わかりました。

ハウレス

(何をそんなにムキになられているんだ？〇〇さんは…。この間のリベンジがされたいのか？)

主

ハウレスは？

ハウレス

では、俺はウーロン茶を…。

ハウレス

(ここは、俺が押さえておかないと帰りがやばくなる。やっぱりBARなんて連れてくるんじゃなかったな…。〇〇さんがお疲れのようだったから、近くで、休めて楽しめるところと思って提案はしたが…。)

主

ダメ!

ハウレス

え？

主

一緒に飲むって言ったじゃん!!

ハウレス

わ、わかりました。

ハウレス

(あ、これはもう、俺だけでどうにかなるような感じじゃないな。諦めるか…。)

そして、ハウレスは主が酔うことを見越して、1杯のウイスキーをゆっくり飲んだ。そして、主は、ウイスキーのロックを5杯飲んだ辺りから、酔った顔でグラスを握り締め離さなくなる。

カフェの女店主

ちょ、大丈夫なのかい？そんな飲ませて。

ハウレス

俺は止めたんだが…。

主

もう1杯!

カフェの女店主

もう、やめといたらどうだい？水持ってくるから、少し休みな～。主様。

主

嫌だ～!

カフェの女店主

ハウレスちゃん。私もこの店、長いことやってるから、言うけど、ハウレスちゃんの態度が主様をああさせちゃったんじゃないのかい？

ハウレス

え、俺が？！

カフェの女店主

ここだけの話、主様はハウレスちゃんのこれなんだろ～？

と小指を立てる店主に

ハウレス

……あぁ///そうだが。

カフェの女店主

なら、彼氏らしいことしておやりよ～。
どうせ。今日は、デートだったんだろ～？

主

そうなんです!!デートなのに、ハウレスずっと主様、主様って!私に言われるまで名前すら呼んでくれないんですよぉ？しかも、恋人繋ぎもダメって、ひどくないですか？

カフェの女店主

どうどう。主様。それは、ひどい話だね～。

と店主は主の背中をさする。

カフェの女店主

ほら、だから言ったろ～？ハウレスちゃん。後は、主様に水だけ!せめて、ジュースだけにしな。

ハウレス

わ、わかった。

ハウレス

(そうか。〇〇さんは俺が〇〇さんを彼女扱いしていないことに機嫌をそこなっていたのか……俺は的はずれなことを考えてたんだな。てっきり、疲れているものと。でも、俺なりに〇〇さんを特別扱いしているつもりだったんだが、そうか。これじゃ、ダメなのか…。)

そして、水を持って来てくれた店主とハウレスは個室の扉を閉め、扉の前で話し合う。

ハウレス

すまない。気を遣わせて。

カフェの女店主

いいよ～。ハウレスちゃんの大切な人みたいだからね～。

ハウレス

/////

ハウレス

と、ところで、その…。こんなことを聞くのは店主のあなたにも失礼かもしれないが……。

カフェの女店主

なによ～。私はまだ若いわよ～？

ハウレス

いや、そうではなく…女性はデートのとき男性にどうされるのを喜ぶものなんだ？////

カフェの女店主

はは～ん。デートをよく知らずにしてたわけだ～。バカだね～。普通、下調べするでしょうに。

ハウレス

いや、一応、しては来たんだが、〇〇さんが疲れてると思って、それらを蹴ってここに来たんだ。休んでもらえて楽しんでもらおうと。だが、はじめから、的はずれなことをしてしまってたようでな。

カフェの女店主

まぁ、ハウレスちゃんは青いからね～チェリーボーイだからね～。

ハウレス

なっ？！さすがに、俺は童貞じゃないぞ!!そこまで、青いつもりもない!

カフェの女店主

へ～。あの子としたんだ？///ハウレスちゃん。よく抱かせてくれたね～。信じられな～い。私なら無理!

ハウレス

あぁ、抱かせてもらったよ/////
いや、その前に、俺もおまえは無理だ!

カフェの女店主

ひど～い。

ハウレス

それで、どうなんだ？デートのとき、女性は何をしてもらったら喜ぶんだ？

カフェの女店主

そうね～…私なら、手を繋いで歩いたり、一緒にご飯に行ったり、ウィンドウショッピングもいいわね。あとは、プレゼントじゃないかな～？

ハウレス

プレゼント…か。

カフェの女店主

ふふっ。私が、暫く主様を見てるから。ハウレスちゃん買いに行ってきたら？

ハウレス

しかし、あなたも仕事があるだろう？さすがに、そこまで迷惑をかける訳には…。

カフェの女店主

いいよ～。気にしなくても。それに私も主様嫌いじゃないから～。さっき、あの子がハウレスちゃんの愚痴こぼすの聞いて、あ～、この子、本気でハウレスちゃんと向き合ってるんだなぁ～。受け止めようとしてるだなぁ～。って感心しちゃってね。でも、そんなあの子をハウレスちゃん泣かせちゃうんだもの～。もっと頑張んなさいよ～。そんなんじゃ、そのうち、あの子かっさわれちゃうわよ～？他の男に～。

ハウレス

わかってる…。ただ、俺が後ろめたくて彼氏としての態度をとりきれないんだ。

カフェの女店主

後ろめたい？なんで？
…まさか!
ハウレスちゃん、あの子…!？

ハウレス

あぁ。他に本命がいる。

カフェの女店主

…………。なんも言えないんだけど、え？そっちのがひどいんじゃないの～。納得だわ。ハウレスちゃん、それで、主様と執事の関係にこだわったわけか～。

ハウレス

ん？そういう風に見えたのか？

カフェの女店主

バッチリね。

ハウレス

そうか…。俺は昔から嘘をつけないし、真面目でなんの面白みもない正義感の塊みたいな人間だったからな…そんな俺が、彼女とであって彼女に恋をして、でも、彼女には彼氏がいて…それでも、諦めきれずに彼女に告白して付き合って…その彼氏と2人で彼女を抱いて…////

カフェの女店主

まてまて!えっ？どういうこと？つまり、彼女は先にハウレスちゃんじゃない彼氏がいて、その彼氏はハウレスちゃんもあの子の彼氏だと知っていて、合意の上で3人でやることやって、3人は付き合い続けてるってこと？

ハウレス

あぁ。そうだ。

カフェの女店主

あ、そうなのね～。世界って広いね～////うん。みんないいなら何も言わないわ～。

カフェの女店主

(意外と大胆なことしてんのね～///3人でとか////)

ハウレス

だから、後ろめたいんだ…。俺は間男だからな……。2人を傷つけるってわかっていて、それでも、彼女から離れることができない。

と苦しそうに言うハウレスに店主はいう。

カフェの女店主

そっか～…でも、2人ともそんなハウレスちゃんだから、認めてくれてるんじゃないの～？

ハウレス

え？

カフェの女店主

ふふっ。まぁ、恋愛なんてどう転ぶかわからないんだから、あんま肩に力を入れないで、素直なハウレスちゃんのままで、彼女との時間を気持ちのままに楽しめば～ってこと。

ハウレス

(あぁ...。そうか。ずっと後ろめたかったが、俺は俺のままでいいのか…そうだよな。最終的にどうなるかは結局、俺やボスキ、フェネス、アモンが決めることじゃない。彼女が決めることだしな。なら、他のやつより俺を選んでもらえる努力を俺自身がしなきゃ、意味ないよな…。)

カフェの女店主

なんか、踏ん切りついた顔になったんじゃないの～。

ハウレス

あぁ。ありがとう。
すまないが、少し席をはずす。〇〇さんを見ていてくれないか？

カフェの女店主

いいわよ～。行ってらっしゃ～い。

そうして、ハウレスは店を出ると走った。主を喜ばせるプレゼントを探しに…。

一方、主は

主

(ハウレス戻って来ないな...｡私に愛想尽かしちゃったのかな…。そうだよね…1人ですねて、馬鹿みたいに酒飲んで酔って…。)

カフェの女店主

お邪魔するよ～。主様～。

主

あ、店主さん!

といい、テーブルに突っ伏していた体を起こし、たたずまいを整える主に

カフェの女店主

あ～。いいよ～。楽にしてて。あんなに飲んだんだから。ゆっくりおしよ～。ほら、水持ってきたからさ。

そう言い、店主は主に水を渡す。

主

す、すみません!
ありがとうございます。

そういい、主は水を飲む。

ゴクゴク

そして、主は、一息つくとハウレスの姿が見えないことに気づき、店主に問う。

主

あ、あのハウレスは…？

カフェの女店主

ちょっと野暮用で外にでてるよ～。まぁ、後で戻ってくるから、少しあたしと話をしようじゃないか。

主

あ、はい。

主

(やっぱり、ハウレスは私に愛想尽かして、他の人呼びに言ったんだろうな...。)

そう、思えば思うほど主は涙を抑えられなくなり泣いてしまう。

主

うっ...うぅ…

カフェの女店主

あら～飲みすぎで泣き上戸になっちゃったのかい？

主

うっ…違うんです。うっ…ひっく。
ハウレスが私に愛想尽かしちゃったって…うっ…思ったら…悲しくなってきちゃって…ひっく…。

カフェの女店主

(あ～。この子純粋なんだね。2人彼氏がいる割には…///いや、案外他にもいそうだけど…///どちらかというと、その純粋さに漬け込んだのが男共の方なのかもしれないね～。)

と妙に的をいた考えにいたる店主。

カフェの女店主

大丈夫だよ。ハウレスちゃんはちゃんと主様を想ってるから。ただ、あいつは不器用な男なのさ～。それは、主様、あんたが1番わかってることじゃないのかい？

主

それは…ひっく。

主

(そうだ。ハウレスはいつも、私をフォローしてくれて、私が間違った事をしたときは、ちゃんと叱ってくれたし、正しいことをしたときには、褒めてくれた…。ハウレスは正義感強すぎて曲がったことが嫌いな性格で…人を何より大事にする人で。義理堅い人。そんな人なのに、私…。)

カフェの女店主

主様は、考えすぎなんじゃないかい？ハウレスちゃんもそうだったけど、恋愛に正解も不正解もないんだよ。まぁ、はじめ、あたしもハウレスちゃんの話聞いたときは驚いたし、主様、あんたが最低だと思ったよ。彼氏が他にもいるんだってね。

主

はい…。自分でも、最低なことしてるって…うっ…わかってます…。

カフェの女店主

だけどね。みんな納得して主様、あんたと付き合っているんだろう？なら、ありのままのあんたでいいんじゃないのかい？何をそんなに悩む必要があるんだい？

主

だって、私、なんの取り柄もなくて、無知で、運動もできなくて…。いつも、みんなを頼ってばかりで…。それなのに、そんな私をみんなは好きだって、愛してるって言ってくれて付き合ってくれて……。

カフェの女店主

なら、それでいいじゃないかい。

主

え？

カフェの女店主

あたしだって、店を切り盛りするノウハウはあるけど、こんなやさぐれた性格してるから、男なんてよってきやしない。取り柄がないなんて、主様、あんたに言われたら、あたしだってそうさ。男を引きつける取り柄は無いし、仕事以外、寝てばっかだから、家事だってろくにしない。取り柄のない人間さ。

主

そんな!
店主さんは、こうやって私やハウレスの話を聞いてくれて、優しくて、相手が誰であろうと臆せず、自分の意見がはっきり言える人じゃないですか!

カフェの女店主

そう言ってくれるのかい？有難いね。でも、こんなあたしでもそう。主様。あんたがいう取り柄っていうのがあるんだよ。だから、あんたにもちゃんとあるはずだ。でなきゃ、あのハウレスちゃんが、人の女に手を出してまで、主様、あんたと付き合おうとするわけないだろ？

主

あ…。

主

(そっか。私…ちゃんとハウレスに愛されてるんだ…。何をわがままなこと言ってたんだろう…。みんなの愛し方とハウレスの愛し方を比べて見たりして…。愛し方が違うのは当然のことなのに…!
私、本当に最低だ…。ハウレス自身を見ていなかったんだ。本当の意味で。)

カフェの女店主

気づいたみたいだね。

主

はい。私、ハウレスに愛されているんですね。

カフェの女店主

あぁ。もう、ベタ惚れで、こっちがうらやましくなるほどにね!///

主

ふふっ。

カフェの女店主

あははっ。

と笑う2人。

カフェの女店主

それじゃ、私も今日は店終いだ。一緒に飲んでくれるかい？

主

はい!飲みましょう!

そうして、店主は扉にCLOSEの札をかけに行き、主のところに戻ると一緒に酒を飲みあかした。

一方、その頃、ハウレスは

ハウレス

う～ん。〇〇さんはどんなものが好きだろうか？

と出店通りを歩く。

ハウレス

正直、女性へのプレゼントと言われて思い浮かぶものなど、カバンやアクセサリーの類しか思い浮かばないのだが…。そんなありきたりなものじゃ、〇〇さんも納得しないだろうしな…。何か特別なもの…何か特別なもの…。

と歩きながら周りを見渡すハウレス。

ハウレス

あ!これなら!

そして、ハウレスはプレゼントを選び買うと急いでまた、主が待つBARへと走るのだった。

ハウレスが店の前につくとCLOSEの札が掛けられていた。

ハウレス

あの店主…。わざわざ、店を閉めて、主様を見ていてくれてるのか…。本当に悪いことをしたな。今日のお代は上乗せして払ってやらないとな。

カランカラン

と音が2階の個室に響いてくる。

カフェの女店主

おや、帰ってきたようだね～。主様、あんたの旦那が～。

主

旦那じゃないです!////彼氏です!///

カフェの女店主

どっちも変わりゃしないよ～。

バタバタバタバタ

ギィーー

と急いで駆け上がるハウレスの足音が聞こえたと思ったら、主がいる部屋の扉が開かれる。

カフェの女店主

おかえり～ハウレスちゃ～ん。

主

おかえり///ハウレス。

ハウレス

はい。ただいま戻りました。はぁ…はぁ…

と息が上がって額と首に汗を流しいうハウレス。

カフェの女店主

ハウレスちゃん走ってきたのかい？!健気だね～。今、水持ってくるから、座って主様とお話でもしてな～。

ハウレス

あ、あぁ。すまない。
それより、店主。あんたも飲んでいたのか？

カフェの女店主

まぁね～。今日は、店は休みさ～。

ハウレス

本当にすまない。

カフェの女店主

謝ることないさ～。あたしが好きでやってんだ。気にするな～。

と優しく笑うと店主は1階に降りていく。

ハウレス

〇〇さん。体調悪くしてはいませんか？ずっと飲んでいるようですが…。

主

ううん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね。

ハウレス

そんな…俺は別に〇〇さんを責めているわけでは…。

主

うん。わかってる。ハウレスありがとう。

ハウレス

はい。
あの〇〇さん、少しよろしいでしょうか？

と改まり、主の前に座るハウレスに主もハウレスを見て、改まった姿勢で背筋を伸ばし座り直す。

ハウレス

〇〇さん。

主

はい!

ハウレス

俺は、〇〇さんが好きです。愛しています。ただ、俺は、ずっとボスキに対して、後ろめたくて…〇〇さんに相応しくない態度をとってしまっていました。すみません。

主

そんな、ハウレスは悪くないよ！私の方こそ、わがままいってごめん。ハウレスはハウレスなりに私を大事にしようとしてくれていたのに、他の人と愛し方が違うからって見比べたりなんかしてた。
本当にごめんなさい。
私も、ハウレスが好き。そのままのハウレスを愛してる。こんな私でも良かったら、これからもそばにいてください。

ハウレス

〇〇さん…。当たり前です。俺はどこかになど行きません!〇〇さんのお傍にずっといます。だから、これからも俺の彼女でいてください。

そういうと、ハウレスは小包を主に渡す。

主

え？これは…？

ハウレス

俺からの〇〇さんへのプレゼントです。気に入っていただけるかは分かりませんが、良かったら受け取っていただけませんか？

主

野暮用って…まさか私へのプレゼントを探しに…？

ハウレス

はい。今日は、〇〇さんに彼氏らしいことが出来ていませんでしたから。そのお詫びといいますか…なんといいますか…///

そう照れたように頭をかくハウレス。

主

ありがとう。開けてもいい？

ハウレス

もちろんです!

そして、主が包みを開けるとその中には…。

主

ハンドクリームだ～!

ハウレス

はい。乾燥しやすい時期ですので。〇〇さん。毎年手荒れが気になるって仰ってたのを思い出しまして、そちらのハンドクリームをと…。

主

ありがとう!ハウレス!

と喜ぶ主にハウレスは申し訳なさそうにいう。

ハウレス

でも、すみません。〇〇さんならバックやアクセサリーの方が欲しかったかもしれませんよね？ただ、そんなありきたりなプレゼントじゃ、俺の気持ちは伝わらないって思って、そんな俺じゃ飽きられてしまって〇〇さんが離れて行ってしまうかもしれないって怖くなったのも事実で。

と素直に話すハウレスに

主

そんなことないよ。だって、そんなに汗をかくくらい一生懸命、私のために選んできてくれたんでしょ？その気持ちが何より私は嬉しいの。あぁ、私、ちゃんとハウレスに愛されてるんだなって実感出来るから。

とハンドクリームを手にし、微笑む主。

ハウレス

〇〇さん…。はい。
俺は、間違いなく〇〇さんを愛していますし、これからも愛し続けます。こんな真面目で〇〇さんからしたら、つまらないかもしれない俺ですが、それでもいいのなら…ずっと俺の傍にいてくたさい。

主

はい////います////

そして、主は、ハウレスにキスをする。

ちゅっ

ハウレス

？！//////

主

ハウレス顔真っ赤だよ？お酒回っちゃった？

とイタズラに笑う主に

ハウレス

いえ////ただ、俺、汗臭くないですか？そんな今の俺にキスなんて…////

主

関係ないよ。だって、ハウレスはハウレスだもの。どんなハウレスも大好き。愛してる。

と笑う主にハウレスはドキッと胸の高鳴りを覚えると、主の右頬に自分の右手を添え、キスをする。長く甘いキスを…。

ちゅっちゅっレロ

主

ん…////むぅん…////

ハウレス

(愛してる。〇〇さん。いつか俺だけを見てくれる日が来るように…。俺はあなたのために変わってみせる!)

そうハウレスは心に誓うのだった。

その頃、主たちがいる部屋の前に一人水を持ち、2人の会話を聞く店主。

カフェの女店主

…………。

カフェの女店主

(すっかり、入るタイミングを逃してしまったね～。にしても、ここはBARだ。これ以上イチャつかれて、店を汚されても困る!中に入るか～。気まず～。)

カフェの女店主

ハウレスちゃ～ん、主様～。入るよ～。

ハウレス

？！//////

主

？！//////

カフェの女店主

(あらら、やっぱり案の定気まずい空気になったね～。)

ハウレス

(まさか、今までのやり取り聞かれてたのか？！)

主

(どうしよう…////そういえば、水取りに行くって言ってたし、そんな時間かかるわけないよね？今のやりとりとか聞かれてたんじゃ……/////)

カフェの女店主

いや～待たせちゃって悪いね～。馴染みの客が窓から見えてね～。窓開けて話してたらすっかり来るのが遅くなっちまったよ～。
ほら、水だよ。ハウレスちゃん。

とハウレスに渡す店主。

ハウレス

そうか。すまない。

ハウレス

(ふぅ...とりあえず、安心だな。あんなやり取り、他に聞かれでもしたら、恥ずかしくて、夜も眠れなくなるところだった////)

主

色々ありがとうございます。

カフェの女店主

いいんだよ～。

主

(良かった～。聞かれてないっぽい。聞かれてたら、恥ずかしくて、夜も眠れなくなるところだったよ～。)

カフェの女店主

それより、酔いが少し冷めたなら、今日は店終いだから、帰っておくれ～。

ハウレス

あぁ。すまない。わかった。

ハウレス

〇〇さん、帰りましょう。

主

うん。

主

店主さんありがとうございました。

と笑顔で返事をする主に

カフェの女店主

いいんだよ///気にしないで、早くお帰り～。主様。

主

はい。また、来ます!!

カフェの女店主

(なんだい///この子…////こんな可愛い顔するのかい。女の私でもドキッとしちまうなら、そりゃ男共がほっとくわけないわな～。)

カフェの女店主

ちゃんと取り柄あるじゃないかい。

主

え？

カフェの女店主

なんでもないよ。さぁさぁ、帰った帰った。

それから店主は、2人を玄関まで見送る。帰り際に、ハウレスは店主に上乗せした金額でお金を渡したが、

カフェの女店主

今日は、いらないよ。とっときな。

ハウレス

しかし!ここまでしてもらって、それは…。

カフェの女店主

いいんだよ～。今日は、店を開いていない。ただ、個人的にあたしは、ハウレスちゃんたちと飲んだだけ。そんなんで金なんかとったら、商売あがっちまうよ～。
だから、その金は、ハウレスちゃんが彼女に使っておやりよ。

ハウレス

店主…。あぁ。恩に着る。

主

ありがとうございます。店主さん。

カフェの女店主

いいよ～。次はとるからね～。覚悟をおし。ハウレスちゃん。

ハウレス

あぁ。わかった。

こうして、2人が帰ったあと、店主は1人ため息をつく。

カフェの女店主

はぁ～…。まったく、とんでもない2人だったね～。だけど、あたしも彼氏が欲しくなっちゃったよ。あ～誰かあたしと付き合ってくれる酔狂な男はいないかね～？

それから、2人はまた、出店通りへ戻る。

ハウレス

主様。体調は本当に大丈夫ですか？だいぶ酔われているようですが…。

主

大丈夫らよ～。

安心して気が抜け、出店通りを歩くうちに、主は酔いが回ってくる。

ハウレス

いえ、大丈夫じゃないですね。呂律が回っていません。失礼かとは思いますが、少し俺に身を預けてください。

主

え？

そういうと、主をお姫様抱っこするハウレス。

主

え、あ!////本当に大丈夫らから!降ろして～!////

と暴れる主を

ハウレス

危ないです。暴れないでください。今の主様を歩かせるなんて、俺にはできません。ですから、黙って大人しく俺に身を預けてください!

と強く言うハウレスに抵抗をやめる主。

ハウレス

みんなのところに戻りますよ。いいですね？

主

はい…////

そうして、主は力強いハウレスの腕の中で、ハウレスの温もりに包まれ、ハウレスの愛を噛みしめながら、酔いが回りきり、眠りに落ちる。

主

すぅ～すぅ～

ハウレス

寝てしまわれましたか…。本当に〇〇さんは可愛いくて、わがままでどうしようもない人だ。でも、そんなあなたを俺は、愛していますよ。

と周りからの視線など気にせず、主の額にキスをする。

ちゅっ

主

ん～ハウレス～。すぅ～すぅ～。

ハウレス

…////俺の夢を見てくれているんですか？嬉しいです。ずっと俺が主様をお守りしますからね。安心して今は、おやすみください。

そう、眠る主に優しく語りかけるハウレスはムーたちがいる場所へと向かうのであった。

次回へ続く

ボスキと主様

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ボスキと主様

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