テラーノベル
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ファスナーが、 静かに開く。 中に入っていたのは、 いくつかの小さなケース。
曜日 時間 細かく分けられている
宮 侑
治
どちらも、 すぐに言葉を失った
宮 侑
治
さらに奥。 錠剤、同じ形 同じ色
宮 侑
治
箱の側面に貼られた、 小さな注意書き 《光刺激注意》 《睡眠不足時注意》 《発作の可能性》
宮 侑
治
治は視線を逸らした
宮 侑
声が、 無意識に低くなる
治
治
宮 侑
侑は口を閉じた でも、 頭は止まらない
宮 侑
治
宮 侑
治
治
机の引き出し 中にも、 同じ薬 予備 さらに予備
侑の指が、 わずかに震える
宮 侑
宮 侑
宮 侑
治
宮 侑
治
宮 侑
治
沈黙が、 部屋に落ちる
宮 侑
宮 侑
宮 侑
治
治
治は、 ポーチをそっと閉じた
治
治
宮 侑
宮 侑
治
宮 侑
治は、 答えなかった。 答えられなかった
治
ドアを閉める直前、 侑は部屋を見渡す。 整いすぎた部屋。 感情の痕跡が、ほとんどない
宮 侑
廊下に出る。 階段の下から、 声が聞こえる
角名
瀬戸 雪菜
宮 侑
何事もなかった顔で、 侑は階段を降りる
宮 侑
治
笑い声 いつも通りの空気 でも 侑の視線は、 無意識に雪菜を追っていた
宮 侑
宮 侑
瀬戸 雪菜
角名
宮 侑
声が、 少し遅れた。 治が、 その様子を一瞬だけ横目で見る
宮 侑
会話は続いているのに、 侑の意識は、 ずっと雪菜に向いていた。 (呼吸) (目線) (疲れとらんか) (眠そうやないか) (大丈夫か)
外に出ると、 夕方の光が目に刺さった。 夢主は、 一瞬だけ目を細める。 ほんの一瞬。 誰も気にしない程度の、 ほんの動作。 ――でも。 侑は、 それを見逃さなかった。
宮 侑
治
家に帰っても、 頭は切り替わらなかった。 風呂に入っても。 飯を食っても。 脳裏に浮かぶのは、 あのポーチ。 あの文字。 《発作》
その夜。 侑は、 布団の中で目を閉じる。 頭に浮かぶのは、 あの注意書き 光 睡眠 発作
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
検索画面。 指が止まる
宮 侑
スマホを伏せる。 布団に潜る。 でも、 目は閉じられない
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
考えが、 どんどん嫌な方向に行く
翌朝。 朝練。 体育館に入った瞬間、 眩しい照明がつく
宮 侑
無意識に雪菜を見る 雪菜は何事も無いように準備をしている
瀬戸 雪菜
宮 侑
治は、 何も言わない。 でも、 分かっている。 (もう始まっとる) アップ。 ランニング。 侑は、 いつもより夢主の位置を把握していた。
笛の音。 ボールの反響。 床に落ちる影。 夢主は、 いつもより少しだけ コートの端に立った
目を細める。 ほんの一瞬
宮 侑
瀬戸 雪菜
瀬戸 雪菜
侑は、 練習中も何度もこちらを見る。 水を渡す時。 タイムを取る時。 ボールが逸れた時
瀬戸 雪菜
宮 侑
瀬戸 雪菜
治が、 少し離れたところから見ている。 何も言わないけど、 表情が硬い
瀬戸 雪菜
練習後。 雪菜は、 片付けをしながら ポーチの位置を無意識に確認する。
治
瀬戸 雪菜
治
瀬戸 雪菜
治
治
瀬戸 雪菜
瀬戸 雪菜
瀬戸 雪菜
治
治は、納得していない顔だった
瀬戸 雪菜
治は何か言いかけてやめた
治
その「なんでもない」が、 一番信用できなかった
遠くで、 侑がまだこちらを見ている気配がする。
瀬戸 雪菜
コメント
16件
貴方様天才ですか?フォロ失です!
雪菜ちゃん……!お願いやから無理せんといてや……