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急な呼吸困難
医師は
ストレスによるもの
だと言った
少し考えていると
やっぱりなんか違う気がする
直前まではにこにこいていたし
俺に心当たりがある
これと決まった訳でもないけど
トラウマのフラッシュバック
誰かのちょっとした一言に
昔のトラウマが思い出される
そんなようなもの
弟たちは
4人で丸まってゲームをしている
その風景を
洗い物をしながら眺める
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ころちゃんが言った
別に
俺に対して言った訳でもない
たった一言
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びっくりして
肩が跳ねる
父さん
父さん
父さん
父さん
俺のせいで
また
俺のせいで兄ちゃんが怒られる
俺のせいで兄ちゃんが殴られる
俺のせいで弟たちが心配する
あれ、
息って
どうやって吸うんだっけ
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息が上手く吸えない
俺が憎い
憎い
あー
みんなのお皿汚しちゃった
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体調が悪いわけじゃない
これは
ちゃんと向き合おうとせず
蓋を無理矢理しめただけにした
おれのせいだから
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みかちの過去を
知ることができたら
寄り添ってあげれるかな
なんて、
違う理由かもしれないけど
医者は
また起こった時は
安心を作ることでおさまる
と言って
家に帰した
実は
俺が今買い出しに来てるのには
別の理由がある
るぅちゃんが40度の高熱を出しているのだ
インフルエンザかなにかだと思うんだけど
夜も遅く病院も閉まってしまったので
明日病院に行くことにする
昨日も来たんだよな
この病院
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しばらくすると
医者から衝撃の事実が伝えられる
"どのウイルスにも陽性反応がありません"
"大きな病院に行ってください"
なにか
大きな病気が?
いや
そんなはずない
るぅちゃんは
兄弟に比べて
好き嫌いもしないし
中学では運動部に入った
生活習慣病と言われるもの
彼はそれを恐れていた
じゃあ関係ない…?
るぅちゃん、
死んでしまうの……?
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言い聞かせるように言う
ダメだ
俺がこうなってちゃ
1番不安なのはるぅちゃんのはず
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るぅちゃんは
ないよって言って欲しかったんだと思う
俺は
弟すらも
安心させてあげることができないのか
結局
大きな病院で検査をしても
原因は分からず
念の為
隔離をして生活している
るぅちゃんの看病を引き受けてくれたのは
ころちゃんだった
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みかちの件で
寝不足な彼
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彼は少し戸惑う
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彼はまだ
気がついていない
あの時の俺と同じように
"俺ら もうおっきくなったから"
"兄ちゃんしなくていいよ"
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色白な彼の顔には
クマがよく目立っている
彼の大切な弟たちは
俺の大切な家族でもあるから
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るぅちゃんが熱を出して2週間
熱は下がる気配はなく
良くなっているわけでも
悪くなっているわけでもない
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変わってあげられたら
どれだけ幸せだろうか
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俺らには
この高熱に心当たりがあった
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さとちゃんの高熱だった
俺はこの時
人生で最大といっても過言では無い
大きな間違いをした
もしかしたら
移る病気かもしれない
兄ちゃんは
父さんの相手しないといけないし
じぇるくんもるぅちゃんもまだ小さい
それなら
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なにも考えてなかった
ころちゃんの気持ちなんて
ころちゃんなら移ってもいいなんて
そんなひどいこと言える兄がどこにいるだろう
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さとちゃんの熱は1ヶ月続いた
俺は未だに
謝れてない
いつか
謝れる時が来るだろうか
るぅちゃんが寝たので
リビングへ行く
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膝にみかちをのせた彼
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みかちの頭を撫でると
気持ちよさそうに目を瞑る
目は赤く腫れているけど
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顔を腕の中に埋めると
ろぜくんは頭を撫で始める
俺よりも慣れた手つき
俺の方がお兄ちゃん期間長いはずなんだけどな〜
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彼は
空に言う
彼とは
同じ気持ちみたいだ
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彼はにこっと笑う
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血の繋がっていない兄弟
矛盾でしかない言葉だけど
ここまで愛のある兄弟はそういない
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彼が
弟のことを考えることができる
良いお兄ちゃんなのは
ずっと前から知ってる
俺にはできなかった
1度犯した間違いは
消えることはない
どれだけ反省しても
罪を償っても
彼の
みかちの頭を撫でる手がとまる
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彼は目を瞑っている
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彼が途中で起きてしまわないように
寝室に運んであげることにした
まぜにぃにアイスを買ってもらった
買ってもらったと言うより
バグでとってもらった?
みっつも!
あまり人のいない部屋のドアを開ける
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なんでよりによってお前らなんだよ…
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せっかくまぜにぃちゃんに貰ったのに…
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mk
ml
段々暑くなってきた
引っ越してきたばかりの時の
暖かさはどこへ行ってしまったのか
ちなみに
俺らが仲良くなったのは
引っ越してから2日たった時だった
どうしてこいつは
俺にだけ心を開いてくれたのか
未だに分からない
でも
こいつは
このままにしちゃいけないと思ったんだ
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みかさは
アホな顔をしてこちらを見ている
ほんまにアホなんだから
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めるとが胸の当たりをぎゅっと抑えている
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みかさの顔が青くなる
おれは
コレの対処法を知らない
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床に倒れ込む
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どうすれば、
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pr
mk
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背中をさすることすらできない
体が動かない
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mk
mk
過呼吸は止まらない
加速していく一方だ
扉が開く
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助かったと思った
心からホッとした
それと同時に
自分の無力さを痛感する
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みかさを抱くと
背中を上下にさする
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めるとが廊下に走っていく
誰か呼びに行ったのか?
しばらくすると
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すごくかっこいいと思った
俺にはないもの
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しかし
さとみくんとこいつの関わりは
ほぼなかったはず
どうして対処法を知っていたのか
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ころんくんの
弱いところ
そういえば
みかさの言葉には
どんな意味があったのだろう
俺には知る由もない
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静かな部屋のドアを開ける
廊下には
誰かの気配がした
ガチャ
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床にうずくまるめると
床には
黄色っぽい液体のようなものが
広がっている
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pr
俺に出来ること
さとみくんみたいに
大きくなったら
増えるのかな