TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

急な呼吸困難

医師は

ストレスによるもの

だと言った

少し考えていると

やっぱりなんか違う気がする

直前まではにこにこいていたし

俺に心当たりがある

これと決まった訳でもないけど

トラウマのフラッシュバック

誰かのちょっとした一言に

昔のトラウマが思い出される

そんなようなもの

弟たちは

4人で丸まってゲームをしている

その風景を

洗い物をしながら眺める

st

難しいなこのステージ

rt

んーもー!

rt

できないー!

ころちゃんが言った

別に

俺に対して言った訳でもない

たった一言

cl

なんでできないの!

nn

なんでできないの!

びっくりして

肩が跳ねる

父さん

おっきな声出すんじゃねえよ

父さん

うるせぇ

父さん

できないお前が悪い

父さん

弟はできるのにな

俺のせいで

また

俺のせいで兄ちゃんが怒られる

俺のせいで兄ちゃんが殴られる

俺のせいで弟たちが心配する

あれ、

息って

どうやって吸うんだっけ

rn

っお、ぇ……

息が上手く吸えない

俺が憎い

憎い

あー

みんなのお皿汚しちゃった

st

にぃちゃん、

rn

ごめんっ…

rn

ごめんねっ……

rn

また新しいお皿買ってくるねっ、

st

そうじゃなくて!

st

体調わるいなら言ってよ

st

俺やるからさ

rn

ぃやっ、

rn

大丈夫だからっ…

体調が悪いわけじゃない

これは

ちゃんと向き合おうとせず

蓋を無理矢理しめただけにした

おれのせいだから

st

大丈夫じゃないでしょ

st

ちゃんと向き合って

rn

ごめん

rn

ありがとっ、

みかちの過去を

知ることができたら

寄り添ってあげれるかな

なんて、

違う理由かもしれないけど

医者は

また起こった時は

安心を作ることでおさまる

と言って

家に帰した

実は

俺が今買い出しに来てるのには

別の理由がある

るぅちゃんが40度の高熱を出しているのだ

インフルエンザかなにかだと思うんだけど

夜も遅く病院も閉まってしまったので

明日病院に行くことにする

昨日も来たんだよな

この病院

rn

るぅちゃんだいじょーぶ…?

rt

んん……

rt

だいじょぶじゃない…

rn

そーだよなぁ

rn

だいじょぶなわけないよなぁ

しばらくすると

医者から衝撃の事実が伝えられる

"どのウイルスにも陽性反応がありません"

"大きな病院に行ってください"

なにか

大きな病気が?

いや

そんなはずない

るぅちゃんは

兄弟に比べて

好き嫌いもしないし

中学では運動部に入った

生活習慣病と言われるもの

彼はそれを恐れていた

じゃあ関係ない…?

るぅちゃん、

死んでしまうの……?

rt

だいじょぶだよ

rt

どーせ

rt

たいしたことないでしょ

言い聞かせるように言う

ダメだ

俺がこうなってちゃ

1番不安なのはるぅちゃんのはず

rt

いたいけんさとか、

rt

ないよね

rn

わかんない…

るぅちゃんは

ないよって言って欲しかったんだと思う

俺は

弟すらも

安心させてあげることができないのか

 

 

 

 

 

 

結局

 

大きな病院で検査をしても

 

 

 

原因は分からず

 

 

念の為

 

 

隔離をして生活している

 

 

 

るぅちゃんの看病を引き受けてくれたのは

ころちゃんだった

rs

ふぅ〜……

rn

おつかれさま

rn

今日はもう寝ちゃったら?

みかちの件で

寝不足な彼

rs

いや……

rs

申し訳ないんで…

rn

それって

rn

弟たちを

rn

俺に任せるのが?

rs

えっ…?

彼は少し戸惑う

rs

……そう

rs

かもしれないっす…

彼はまだ

気がついていない

あの時の俺と同じように

"俺ら もうおっきくなったから"

"兄ちゃんしなくていいよ"

rn

ろぜくんが思ってるより

rn

あの子たちは子供じゃない

rn

そんなことより

rn

俺はろぜくんの体調の方が心配だよ

rs

……

rs

…説教?

rn

ちがうわ!

rs

あはw

rs

ありがとうりいぬくん!

rs

おれねてくる!

色白な彼の顔には

クマがよく目立っている

彼の大切な弟たちは

俺の大切な家族でもあるから

rn

いい夢見てね

るぅちゃんが熱を出して2週間

熱は下がる気配はなく

良くなっているわけでも

悪くなっているわけでもない

rn

るぅちゃんおはよ…

rt

おはよー……

rt

しんどいよぉ……

rt

りーぬにぃ……

rn

っ………

変わってあげられたら

どれだけ幸せだろうか

rn

ごめんね……

俺らには

この高熱に心当たりがあった

nn

39.7℃

nn

しんどいねぇ……

rn

………

nn

どうしようか……

さとちゃんの高熱だった

俺はこの時

人生で最大といっても過言では無い

大きな間違いをした

もしかしたら

移る病気かもしれない

兄ちゃんは

父さんの相手しないといけないし

じぇるくんもるぅちゃんもまだ小さい

それなら

rn

ころちゃん看病係にしたら?

rn

予定もないし大丈夫だよね?

cl

…………

nn

……大丈夫?

cl

……うん

nn

いや

nn

俺やるよ

rn

だめだよ兄ちゃんは

rn

塾もあるし

なにも考えてなかった

ころちゃんの気持ちなんて

ころちゃんなら移ってもいいなんて

そんなひどいこと言える兄がどこにいるだろう

rn

さとちゃんはやく治してよねー?

nn

よろしくころちゃん…

さとちゃんの熱は1ヶ月続いた

俺は未だに

謝れてない

いつか

謝れる時が来るだろうか

るぅちゃんが寝たので

リビングへ行く

rn

あら

rs

おはざす……

膝にみかちをのせた彼

rn

また寝てないでしょ

rs

起こしちゃうの申し訳なくて…

rn

そーゆーのどーでもいいから

rn

変わってもらいなって言ってるでしょ

rs

あは……w

rn

あ、まだ起きてる?

rs

はい…!

rs

やっと落ち着いてきたみたいで

rn

……w

rn

ふたりともお疲れ様

みかちの頭を撫でると

気持ちよさそうに目を瞑る

目は赤く腫れているけど

rs

ちょっと寝ようか

rs

目瞑ってていーよ

mk

ん〜っ

顔を腕の中に埋めると

ろぜくんは頭を撫で始める

俺よりも慣れた手つき

俺の方がお兄ちゃん期間長いはずなんだけどな〜

rs

変わってあげたいなぁ……

彼は

空に言う

彼とは

同じ気持ちみたいだ

rn

どうしようもないのが

rn

いちばんつらいんだよねぇ……

rn

ってか

rn

寝なよ

彼はにこっと笑う

rs

おれ……

rs

弟の寝顔みてる時間より

rs

好きなもんない…!

rs

ちょっとだけ聞いてくれる?

rn

なんなりと

rs

おれさぁ……

rs

すきなの

rs

ほんとに

rs

ねがお

rn

んふw

rn

わかるけども

rs

ほんっとにかわいくてさぁ

rs

おれ、こいつらのお兄ちゃんでいいんだって

rs

ほんとは血繋がってるんじゃないかなって

血の繋がっていない兄弟

矛盾でしかない言葉だけど

ここまで愛のある兄弟はそういない

rs

おれ、みんなのためなら

rs

死んでもいい

rs

りいぬくんもそう思ったことあるでしょ

rn

………うん

rs

弟のためならなんだってする

rs

寝る時間がなくなろうが

rs

体調が悪くなろうが

rs

みかちゃんが

rs

おれがいることで安心できるなら

彼が

弟のことを考えることができる

良いお兄ちゃんなのは

ずっと前から知ってる

俺にはできなかった

1度犯した間違いは

消えることはない

どれだけ反省しても

罪を償っても

彼の

みかちの頭を撫でる手がとまる

rn

あえ………?

彼は目を瞑っている

rn

寝ちゃった……?

rn

おーい……?

rn

……w

rn

もー……w

rn

ゆっくり寝るんだよ

彼が途中で起きてしまわないように

寝室に運んであげることにした

まぜにぃにアイスを買ってもらった

買ってもらったと言うより

バグでとってもらった?

みっつも!

あまり人のいない部屋のドアを開ける

pr

あ……

ml

ぷりっつだ!

mk

ぷりっつくんやん!

なんでよりによってお前らなんだよ…

mk

なぁにそれー?

pr

げっ……

ml

アイス?おいしそー!

せっかくまぜにぃちゃんに貰ったのに…

pr

……しょうがねぇな

ml

わーい!

mk

やったー!

ml

ありがとうー!

段々暑くなってきた

引っ越してきたばかりの時の

暖かさはどこへ行ってしまったのか

ちなみに

俺らが仲良くなったのは

引っ越してから2日たった時だった

どうしてこいつは

俺にだけ心を開いてくれたのか

未だに分からない

でも

こいつは

このままにしちゃいけないと思ったんだ

pr

お前

pr

ちゃんと礼言えるようになったよな

ml

?…うん……!

みかさは

アホな顔をしてこちらを見ている

ほんまにアホなんだから

mk

おれは…?

pr

あほ

mk

は!?

ml

あははっw

ml

おまえさぁ……

mk

うん

めるとが胸の当たりをぎゅっと抑えている

ml

なんで……

ml

なんで苦しくなっちゃうの…?

mk

……………

pr

おまっ……!

みかさの顔が青くなる

おれは

コレの対処法を知らない

mk

はぁっ…はぁっ……

床に倒れ込む

pr

おい…!

どうすれば、

mk

きゅうにっ、…でてくるのっ

pr

は……?

mk

めるとがっ……ひゅぅっ、…

pr

一旦良いからっ…!

背中をさすることすらできない

体が動かない

ml

……

mk

めるとがっ、ごめんなさいって…

mk

言ってたこと……っ

過呼吸は止まらない

加速していく一方だ

扉が開く

st

……おい

pr

…さとみくんっ……!

助かったと思った

心からホッとした

それと同時に

自分の無力さを痛感する

st

大丈夫…大丈夫……

みかさを抱くと

背中を上下にさする

pr

………!?

pr

おい、…!

めるとが廊下に走っていく

誰か呼びに行ったのか?

しばらくすると

mk

すー…すぅ…

st

ふぅ……

pr

ありがとうさとみくん

st

見てた?今の

st

こいつのためにも

st

安心させてやれるようにしとけよ

すごくかっこいいと思った

俺にはないもの

pr

おぼえときます!

st

よろしい

しかし

さとみくんとこいつの関わりは

ほぼなかったはず

どうして対処法を知っていたのか

st

ころんもたまになるんだよ

st

これ

pr

へー……

ころんくんの

弱いところ

そういえば

みかさの言葉には

どんな意味があったのだろう

俺には知る由もない

st

一旦リビング行くか

pr

うん…!

静かな部屋のドアを開ける

廊下には

誰かの気配がした

ガチャ

st

…っおい…!

ml

ぅ……っ

pr

はぁっ………?

床にうずくまるめると

床には

黄色っぽい液体のようなものが

広がっている

ml

けほっ………

st

ぷりっつ!

st

兄ちゃん呼んできて!

pr

っはい、!!

俺に出来ること

さとみくんみたいに

大きくなったら

増えるのかな

幸せと思えるまで

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,112

コメント

2

ユーザー

夜遅くにすみません . 今まで見てきた中で ダントツで好きです ߹𖥦߹ とても素敵な内容で気付いたら涙してました 🥲💭 続きまってます ♩

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚