キョウヤは、パニック障害を患っていて
幼い頃に聞いた怒鳴り声
今も耳の奥に残っていて
彼を離さない
それを消すための音楽
仲間
どうしてこんなにも
不運のピースが集まったのか。
恭平
はい、これココアな。
キョウヤ
ありがとうございます。
キョウヤ
…あったかい。
恭平
ちょっとは、落ち着いたか?
キョウヤ
はい。ありがとうございます。
キョウヤ
あのね…恭平くん。
キョウヤ
この前のこと、他のメンバーには、まだいいけど…
キョウヤ
絶対に、風雅にだけは。
キョウヤ
話さないでください。
恭平
なんで?風雅だけ…?
キョウヤ
はい。
キョウヤ
僕の隣にずっといてくれて
キョウヤ
シンメで
キョウヤ
僕を可愛がってくれてて。
キョウヤ
彼、優しいから
キョウヤ
もし僕がこのことを言ったら、
キョウヤ
次会う時からもう、泣いてしまうと思うんです。
キョウヤ
泣かなかったとしても、心の中でずっともやもや考えて
キョウヤ
いつか爆発する。
キョウヤ
だから…
キョウヤ
彼にも、周りにも、
キョウヤ
迷惑をかけたくないし。
キョウヤ
お願いします。
恭平
…分かった。いいよ。
キョウヤ
ありがとうございます。
キョウヤ
本当に、恭平くんに 話して良かったです。
恭平
嬉しいこと言うな!
恭平
照れる…♡
キョウヤ
可愛いです!
恭平
…年下に言われるとか、もう…
キョウヤは家の事情から
小学 2年生で入所した。
恭平くんは、中3での入所だから
肩書きとしては
キョウヤが先輩になる。
でも、年上ということもあり
彼は律儀で、言葉遣いや先輩後輩の関係とかに厳しいから
敬語を使っている。
そんな彼に、まさかの出来事が起こった。
恭平
…なんかなったな。
恭平
ケータイ見るね。
キョウヤ
はい。
恭平
…え?嘘だろ。
キョウヤ
どうしたんですか?見せてください
恭平
見たらダメ!
キョウヤ
なら自分のケータイでみます。
恭平
ダメだって!
キョウヤ
うわぁ…!
恭平は、怒鳴ってしまった。
キョウヤに。
キョウヤ
…はあ、はあ、はあ。
恭平
ごめんキョウヤ。
恭平
過呼吸になってる。
恭平
ごめん、ごめんごめん。
キョウヤ
…はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。
キョウヤ
はあ、はあ。
恭平
キョウヤ…
キョウヤ
く、くすり…
恭平
クスリ?これだな。
キョウヤ
はあ、はあ。
数分たって、彼は落ち着いた。
キョウヤ
ありがとうございました。
恭平
いや、本当にこちらこそごめん。
キョウヤ
あの…なんだったんですか?
キョウヤ
見たらダメって。
恭平
…俺の口からは言えないから…
恭平
自分で調べり。
キョウヤ
はい。
キョウヤ
…え?
キョウヤ
俺…そんなんしたことない。
キョウヤ
親名乗る人物って…
キョウヤ
アイツかよ。
彼は、人生のどん底に送られた。
しかし、彼の心情は
自分の人生に対する怒り、ではなく
自分と血の繋がった親が
大切な仲間の生活に支障を作ったと
爆発できないほど溜まった怒りが
ついに、爆発する。