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ダンガンロンパV3×プロセカ【CHAPTER 1】

第8話 - 作戦実行

106

2023年09月30日

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やぎ。

【地下への階段の横にある教室】 (教室A)

トウヤ

小豆沢、遅くなってしまいすまない。随分待っただろう？…

トウヤ

神代さんが、小豆沢にカメラを渡した後で食堂に来ていてな…。長くなってしまった。

コハネ

あ…そうだったんだ。全然大丈夫だよ！

トウヤ

よかった…。
…それで、どうだ？カメラは完成してたんだよな？

コハネ

うん。これがその成果だよ。

コハネ

センサーが感知すると、自動で撮影してくれるカメラが2台と…

コハネ

こっちは、センサーが感知すると、受信機のブザーと同時に撮影してくれるカメラだね。

コハネ

もちろん、今はセンサーの電源を切ってあるから、勝手に撮影されたりはしないよ。

トウヤ

これは…元は使い捨てカメラなんだよな？フィルムを巻くのは手動じゃないといけないんじゃないか？

コハネ

それも、神代さんが改造してくれたよ。自動でフィルムを巻き取ってくれるように。

トウヤ

それなら、1度設置してしまえば、センサーが反応する度に、何枚でも撮影できるんだな。

コハネ

巻き上げ音もシャッター音も消してもらってるから、音のせいで気づかれる事もないはずだよ。

トウヤ

音も消してあるのか…完璧だな。

コハネ

失敗できないからね。過剰なくらいに慎重にやらないと。

トウヤ

ちなみに、このカメラはフラッシュも付いているんだな？

コハネ

あぁ…フラッシュの機能は残ってるけど、スイッチを切っておけば問題ないよ。

コハネ

でも、間違ってフラッシュを入れないようにね。撮影した瞬間に光って、首謀者にバレちゃうからさ。

トウヤ

……もちろん、気をつけるようにする。

トウヤ

だが、さすが神代さんだな。しっかりと要望通りに作ってくれたんだな。

コハネ

じゃあ、これを図書室に仕掛ける前に、この教室の説明もしておくね。

トウヤ

…ん？この教室の説明？

コハネ

カメラを仕掛けた後の見張り場所なんだけど、私はここがいいと思ってるんだ。

トウヤ

別に大丈夫だが…なぜこの教室なんだ？

コハネ

この教室なら地下に行く人を見張れるからだよ。ほら、少し扉を開けておけば…

コハネ

階段が見えるんだよ。

トウヤ

本当だな…
ここなら、地下に行く人を見張れるんだな。

コハネ

それと、私がこの教室を見張りの場所に選んだ理由はもう1つあるんだ。

トウヤ

もう1つの理由か…

トウヤ

この穴は…通気口か？

コハネ

地下の図書室と繋がってるんだよ。通気口の中の匂いを嗅いでみればわかると思う。

トウヤ

…匂い？

トウヤ

…………あ、本の匂いだな。これが図書室の？

コハネ

きっと、図書室の湿気を抜く為の通気口だと思うんだけど…

コハネ

青柳くんももう見たかもしれないけど、地下の廊下にもパイプが走ってたんだ。

コハネ

あのパイプが、図書室とこの教室とを繋げているんだよ。

トウヤ

だが、教室に通気口があるなんて、学校にしては珍しい設計だな。

まぁ…ちゃんとした学校ではないんだがな。

コハネ

私がこの教室を見張り場所に選んだもう1つの理由が、この通気口なんだ。

コハネ

この通気口の大きさならギリギリで人が通れそうだから、ここも見張っておいた方がいいと思って。

トウヤ

この大きさだと俺は無理だが…、小柄なら可能性がない訳ではないな。

トウヤ

あぁ。なら見張り場所はここに決めていいと思うぞ。

コハネ

じゃあ…そろそろ図書室にカメラを仕掛けに行こうか。

いよいよ、作戦実行って訳だな…

なんだか…緊張してきたな。

【図書室】

トウヤ

…それで、どこにカメラを仕掛けるんだ？

コハネ

まず、受信機と連動してるカメラで、動く本棚を狙おう。

コハネ

こっちの防犯センサーを動く本棚に仕掛けておけば、誰かが本棚を動かした時に…

コハネ

私達が持った受信機がそれを知らせてくれるはずだよ。

トウヤ

そして、それと同時に撮影してくれるカメラを動く本棚の方に向けておけば…

コハネ

うん。首謀者が本棚を動かした瞬間もばっちり抑えられるよ。

トウヤ

それなら、他の2台のセンサーが付いたカメラはどこに取り付けるんだ？

コハネ

図書室の出入り口は2つあるんだ。

コハネ

階段の近くにある”正面扉”と、奥の廊下に面した”裏口扉”だね…

コハネ

それぞれの扉の近くに仕掛けておこう。

コハネ

そうすれば、図書室に入ってきた人を撮影する事ができるからね。

トウヤ

だが…あそこはいいのか？

トウヤ

あの通気口は、教室と繋がっているんだよな？あそこも人が通れそうだと言っていたが…。

トウヤ

…あ、その前に、本当に通れるのか調べておいた方がよさそうだな。

コハネ

まぁ、私達があの教室を見張ってるから、大丈夫だと思うけど…

コハネ

一応、調べておこうか。

トウヤ

だが…あの高さだとさすがに届かないな。

トウヤ

…あ、この移動式脚立が使えるかもな。少し、これに登って通気口を調べてみる。

トウヤ

の、登ってみたら…
結構…た、高いんだな…。

コハネ

あ、青柳くん…高い所苦手なの？
大丈夫…？代わろうか？…

トウヤ

い、いや…大丈夫、だ。

コハネ

大丈夫じゃなさそうだけど…

こ、怖いのは我慢だ…。そんな事より…この通気口だな。

通気口には蓋がしてあるし…これだと、人が通ることはできなさそうだが…

この蓋は外れるのだろうか？

トウヤ

…………

トウヤ

…あ、簡単に蓋が外れた。

コハネ

青柳くん…何か壊した？

トウヤ

あ、いや…壊した訳ではないのだが…

コハネ

………………

きっと、ドジっ子を見るような目になっているであろう小豆沢の視線を感じつつ…

俺は、通気口の蓋を通気ダクトの中に押し込んで立て掛けておくと…

身を乗り出して中を覗き込んでみた。

コハネ

…どう？人は通れそうかな？

トウヤ

……通れないことはなさそうだが…これは厳しいかもしれないな。

トウヤ

通気口の周りにも本が山積みになっていて、身動きもできないしな…

コハネ

まぁ…そもそも…その通気口と繋がってる教室は、私達が見張ってるからね…

コハネ

大丈夫じゃないかな？

トウヤ

念の為、人が通りにくくなるように、通気口の周りに本を積み上げおく。

そう言いながら、俺は通気口付近に本を重ねて置いていった。

ある程度、本を積上げたところで、俺はようやく移動式の脚立から下りた。

トウヤ

………………

コハネ

…青柳くん？どうしたの？

トウヤ

………………

トウヤ

いける…これならいけるぞ。

コハネ

…え？

トウヤ

きっと、この計画ならみんなを守れるぞ！

トウヤ

…実は、ループ・ゴールドバーグ・マシンやドミノなんかの、ああいうカラクリが好きなんだ。

トウヤ

その俺が言うなら間違いない。この仕掛けは完璧だ。

コハネ

そ、そう…？

トウヤ

そうだ。これで絶対に首謀者を突き止めよう。それで、みんなでここから出るんだ。

トウヤ

という訳で、さっそくカメラを仕掛けないか？

コハネ

じゃあ…扉を狙う2台のカメラは、本棚の本の隙間に仕掛けるのがいいと思うから───

トウヤ

あ、少し待ってくれ。
さっき脚立に登って思ったんだが…

トウヤ

本棚の上なんかはどうだ？
こっそり撮影しても、気づかれなさそうじゃないか？

コハネ

でも…あれだけ本が積まれてると、カメラを仕掛けられそうな場所なんてないし…

トウヤ

それなら、小豆沢が本棚の中に仕掛ける準備をしている間に、俺が試してみる。

トウヤ

本棚の上の本を整理して、カメラを仕掛けられそうか場所が作れるかどうかをな。

トウヤ

そうすれば、時間のロスもない…いいよな？

コハネ

う、うん…それなら構わないけど…

トウヤ

よし。なら、さっそくやってみる。

俺は恐る恐る移動式の脚立に登り、本棚の上を覗いた。

トウヤ

思った以上に、かなりの本が山積みになっているな…規則性も全くなく乱雑だな。

トウヤ

これを脚立に登った状態で整理するのか…

トウヤ

いや、諦めないぞ…！

トウヤ

お、落ちても死にはしないしな…

俺は脚立を移動させながら、本を整理して並べ直していったが…

トウヤ

さ、さすがに本が多すぎだ…これは…カメラを仕掛けるのは難しいかもな。

コハネ

やっぱり…そうだよね？

トウヤ

だが、待ってくれ…！もう少し頑張れば…

コハネ

前から思ってたけど……青柳くんって意外と負けず嫌いなんだね。

それでも、俺はさらに脚立を移動させ、次から次へと本棚の上の本を整理していった。

トウヤ

…重そうな本ばかりで整理が大変だな。これは…百科事典だろうか？

と、俺は何気なくそれらの本を開いてみた。

トウヤ

………………

トウヤ

……………………

コハネ

青柳くん…本を読んでる場合じゃないよね？

トウヤ

あ…すまない。読書は元々好きだったからな…1度開いたらつい読んでしまった。

などと言い訳をしながら、俺は慌てて重い本を置き直していくのだが…

コハネ

やっぱり…本が多過ぎるよ。
いくら整理してもスペースが作れないでしょ？

トウヤ

下に降ろせたら楽なんだが…、本の置き場所が大きく変わったら怪しいよな？

コハネ

うん…首謀者に気付かれるリスクは避けた方がいいね。

トウヤ

なら…やはり小豆沢の提案通りに、本棚の本の隙間がいいのかもな。

コハネ

……でしょ？？

トウヤ

ふふ…なんだか嬉しそうだな。

コハネ

そ、そんな事ないけど…

コハネ

まぁ…本棚の上ってなっちゃったら、かなり見下ろす形になるから、画角を調整するのも大変そうだからさ。

トウヤ

なんだか…悔しいな。
いい案だと思ったんだがな…

コハネ

ふふっ…やっぱり負けず嫌いなんだね。

コハネ

あ…、それで、実際にカメラを仕掛ける場所なんだけどね…

コハネ

防犯センサーを仕掛ける位置は、動く本棚の上でいいとして…

コハネ

それと連動するカメラは、この位置に仕掛けるのがいいと思うんだよね。

コハネ

ここなら、首謀者が本棚を動かした決定的瞬間をしっかり撮影できるから。

トウヤ

残りの2台のカメラは、2つの出入り口の近くに取り付けるんだよな？

コハネ

ここと…

コハネ

ここの本棚がいいと思う。

コハネ

どっちの扉から入ったとしても、動く本棚に向かう為には必ず通る位置だからね。

トウヤ

あぁ。いいと思うぞ。

トウヤ

それなら、防犯センサーと連動するカメラは俺が取り付けておこう。

コハネ

だったら、私は、動く本棚の上に取り付ける防犯センサーと…

コハネ

それぞれの扉近くに取り付ける2台のカメラをやっておくね。

コハネ

あ…倉庫からガムテープを持ってきたから、これを使って。

トウヤ

あぁ。ありがとう。

そして、俺達はすぐに行動を開始した。

この部屋にやって来る首謀者を暴く為、本棚の隙間に慎重にカメラを仕掛けていく…

トウヤ

特に…動く本棚を狙うカメラは慎重に設置しないとな。

簡単に取れてしまったら困るから、念入りにガムテープで固定しておかないとな。

重要なカメラだからな…しっかりと。

トウヤ

…よし、これで大丈夫だ。

コハネ

こっちも終わったよ。

コハネ

これで、首謀者がどっちの扉から入って来たとしても、隠し扉に向かう途中で、必ずカメラに写るはずだよ。

コハネ

しかも、その人が隠し扉のある本棚を動かすと、そこに仕掛けられた防犯センサーが感知して…

コハネ

私達が持ってる受信機がブザーを鳴らして、それを知らせてくれるはずだよ。

トウヤ

そして、その決定的瞬間も、防犯センサーと連動したカメラで撮影されてしまう…。そういう事だな。

トウヤ

…………………

これなら…大丈夫だ。間違いない。

きっと、上手くいくはずだ。

いや…”きっと”ではない。 ”絶対”に…だ。

コハネ

じゃあ、図書室から出る前に、カメラのセンサーの電源を入れてくるね。

トウヤ

あぁ…そういえば、センサーに電源を入れないといけないんだったな。

コハネ

電源を入れてから10秒くらいで立ち上がるらしいから、その隙に図書室から出よう。

トウヤ

あぁ。間違って俺達が写ってしまったら、フィルムがもったいないしな。

こうして、罠を仕掛け終えた俺達は、カメラに付いたセンサーの電源を入れると…

大急ぎで図書室を後にした。

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やぎ。

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