🏫第5話「文化祭準備」
教室には、色とりどりの画用紙とペンキの匂い。 今年のクラス企画は「レトロ喫茶」——昭和でも令和でもない、“平成風”のカフェを作ることになった。
友達A
そっち持ってって〜!
あ、しょうくん、ポスター描く係だっけ?
あ、しょうくん、ポスター描く係だっけ?
しょう(真顔)
任せてくれ。
俺、美術で“激アツ”って言われてたからな。
俺、美術で“激アツ”って言われてたからな。
咲花
……“激アツ”って評価基準初めて聞いたけど?
しょう(真顔)
心が燃えるんだ。
平成の魂ってやつ。
平成の魂ってやつ。
友達B
(小声)え、なんか名言ぽくない?平成魂……
咲花
メモしないで⁉︎
しょうは筆を持って真剣に描き始める。 だがその筆跡——
咲花
……それ、“カフェ”の文字、ギャル文字じゃない?
しょう(真顔)
そう。時代は回るんだ。
ギャルは永遠のトレンドリーダー
ギャルは永遠のトレンドリーダー
友達A
平成が文化祭に逆輸入されてるww
友達B
“ぉk”とか“ぃぃ”とか、読めないけどエモい……!
咲花
これもう読める人いないからね!?
休憩中、咲花は飲み物を取りに行く。 しょうはペンキで少し汚れた手を見て、苦笑した。
しょう(真顔)
……文化祭って、エモいな
咲花
エモい、って平成語なんでしょ?
しょう(真顔)
あぁ。意味は
“感情が爆発するほど尊い”
“感情が爆発するほど尊い”
咲花
(小声)……なんか、そう言われると、いい言葉かも
しょう(真顔)
ん?なんか言った?
咲花
べ、別に!
教室に戻ると、ポスターの真ん中に大きく描かれた文字
『平成喫茶☆バチコリ営業中!!』
友達A
しょうくん、それ店名!?
しょう(真顔)
令和に“平成”を置いてきた男の意地だ
咲花
いや、置いてくんな⁉︎
教室中が笑いに包まれ、 咲花の心にも、少しだけ温かい“エモさ”が灯った——






