コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
半年後
太陽がギラギラと煌めく快晴の日に
俺は再び魔物と戦うことに決めた
ジュリア
ジュリアは心配をしているからか
紙に書かれている文字は酷く弱々しい
イアン
ジュリア
イアン
イアン
ジュリア
イアン
イアン
イアン
ジュリアは小さく頷いた
イアン
黄泉の森
イアン
深い霧の中をゆっくり歩き
周囲の音に耳をすませる
ドンッ…
微かな振動が体に響いた
イアン
剣を構えた瞬間さっきまでの霧が嘘のように晴れ
目の前に醜い姿をした魔物が現れた
イアン
俺は魔物の後方をとり斬りかかった
俺は修行中に分かったことがあった
魔物の体は鎧のように硬かったが
体全てを覆っているわけではないということだ
まだ理解出来てない人は多いだろう
分かりやすく説明すると甲冑だ
甲冑は全身を鎧でおおっているように見える
だが、膝の裏や首の後ろ、肘などの曲がるところ
つまり関節のある所は覆えていない
それは魔物も同じだった
だから俺は魔物の後方をとったんだ
イアン
俺は魔物の膝の裏を斬りつけた
斬りつけた場所からは緑色のドロドロとした血が流れでてき
魔物はよろよろとその場に跪いた
やはり考察は間違っていなかった
イアン
イアン
次は腕に斬りかかると、これも予感的中
何の苦もなく剣はするりと魔物の体を通った
魔物が苦しそうにうめき
その場に倒れ込んだ
イアン
イアン
だが、ここで隙を見せたのが間違いだった
魔物に一瞬の隙をつかれ
魔物の太くゴツゴツとした手で首を締め付けられた
イアン
イアン
どんどん意識が遠のいていく
イアン
もう力尽きてしまうという時
ジュリアの顔が浮かんだ
ニッコリと無邪気に微笑み
いつも俺の修行を手伝ってくれていた
俺は…
イアン
イアン
最後の力を振り絞り
剣を握る手に力を込め
魔物の手首を切り落とした
途端に新鮮な空気が身体中に充満した
イアン
俺は魔物の首を切り落とした
修行の成果なのか、苦には感じなかった
イアン
俺は魔物の周辺を探索した
すると大きな洞窟が見つかった
イアン
イアン
辺りを見回すと手のひらほどの小さな瓶が見つかった
イアン
その瓶は透明になっており
外に出てよく見てみると太陽の光に反射し
キラキラと輝いていた
イアン
イアン
俺は急いでジュリアの元へ駆け出した
…………
ジュリアの家が見えてきた
家の前ではジュリアが心配そうに
うろうろと歩き回っていた
イアン
ジュリア
俺がジュリアの名前を呼ぶと
顔をぱあっと華やかせ大きく手を振った
イアン
イアン
俺が瓶を差し出すと
ジュリアは懐かしそうに瓶を俺の手から抜き取った
ジュリア
ジュリアは
「開けてもいい?」
と言わんばかりに首を傾げた
イアン
俺がそう言うとジュリアは
そっと瓶のコルクを取った
すると、瓶の中に入っていたものが
ジュリアの身体の中に入っていった
イアン
ジュリア
ジュリア
ジュリア
ジュリアから発せられた声は
透き通っていて
優しくて、暖かい
例えるならば天使だろう
イアン
ジュリア
ジュリアと俺は抱き合った
ジュリア
イアン
ジュリア
イアン
イアン
俺たちはより一層強く抱き合った
イアン
ジュリア
それから俺たちが
幸せに暮らしたのは言うまでもないだろう
「夕刻に出会った少女」
[完]