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燦 .
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病室を出たあと
無陀野は廊下を歩いていた
表情はいつもと変わらない
だが、
内心は穏やかではなかった
一ノ瀬四季
あの言葉が頭から離れない
四季は昔から無茶をする
それは知っている
だが今回の無茶は違う
自分の限界を超えていることに気ずいている
それでも止まれない
それが一番危険だった
無陀野無人
窓の外を見る
夕日が沈んで行く
静かだった
静かすぎた
任務もない
報告書もない
呼び出しもない
本来なら喜ぶべきことだ
なのに
落ち着かない
胸の奥がざわつく
一ノ瀬四季
本当は違う
暇なのが嫌なんじゃない
必要とされていない気がした
今まで毎日呼ばれていた
任務があった
仕事があった
頼られていた
それが突然なくなった
すると
自分には何も残っていない気がした
一ノ瀬四季
だが考えるのを辞められない
一ノ瀬四季
一ノ瀬四季
一ノ瀬四季
そんな考えが頭をよぎる
ギュッ
シーツを握る
考えるな
考えたらダメだ
そう思うほど
頭は勝手に考えてしまう
その時
ブーッ📱
スマホが震えた
部隊のグループチャットだった
現場終了〜
誰か暇なやついるぅ?
ごめん、俺まだ残業の残りある
俺もパス
俺行けるー!
お!じゃあ飯くいに行こうぜぇ
お前ら食べすぎんなよ〜w
呼び出しくらっても知らんからなw
楽しそうな通知が流れる
内容は相変わらずだが
四季はしばらく画面を見ていた
そこに自分はいない
今までなら居たはずなのに
気ずけばスマホを伏せていた
見たくなかった
一ノ瀬四季
その夜
消灯後
四季は病室を抜け出した
誰もいない場所
ポケットからタバコを取り出す
火がつく
一ノ瀬四季
一口
二口
三口
少しだけ落ち着く
だが
虚しさは消えなかった
一ノ瀬四季
思わず漏れる
その声は誰にも届かない
はずだった
???
突然聞こえた声
四季が眉を震わせる
一ノ瀬四季
一ノ瀬四季
無陀野無人
一ノ瀬四季
沈黙
四季はタバコを持ったまま固まる
無陀野無人
無陀野無人
一ノ瀬四季
無陀野無人
一ノ瀬四季
四季は笑う
だが
その笑顔を見て無陀野は眉をひそめた
いつもの笑顔じゃない
空っぽだった
無陀野無人
呼ばれる
四季は返事をしない
無陀野も続けない
ただ静かにいった
無陀野無人
一ノ瀬四季
無陀野無人
一ノ瀬四季
一ノ瀬四季
無陀野無人
一ノ瀬四季
無陀野無人
一ノ瀬四季
無陀野は即答した
無陀野無人
四季の口が止まる
一瞬だけ
本当に一瞬だけ
なにか言い返せなくなった
だが
すぐに笑う
一ノ瀬四季
無陀野は何も言わない
ただ
静か四季を見ていた
その視線から逃げるように
四季はタバコを揉み消した
そして思う
一ノ瀬四季
一ノ瀬四季
見抜かないでくれ..
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