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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
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第43話『軋む境界』
朝。
目覚ましの音と同時に、らんは布団の中で眉をひそめた。
頭の奥で微かな痛みが波打っている。
昨日から続いている、あのいやな感覚。
らん
ゆっくりと体を起こす。
窓から差し込む光は心地よいはずなのに、視界の端が少しにじんでいる気がした。
リビングに行くと、いるまが既にソファに腰かけてスマホを見ていた。
らん
いるま
何気ない挨拶を返しながら、らんは無意識にこめかみを押さえる。
痛みは一瞬引くが、すぐにまた戻ってくる。
昼。
簡単な昼食を終えたあと、いるまに誘われて少し散歩に出ることになった。
近所の公園。
新緑が揺れ、子どもたちの笑い声が響く。
いるま
らん
らんは歩きながら深呼吸をした。
だが、突然――
らん
どこからともなく、強いリズムが脳内に響いた。
耳元ではない。
頭の中だ。
次の瞬間、視界がぐらりと揺れる。
足が止まり、思わず木の柵に手をついた。
目の前に広がったのは――
スタジオの鏡。
並んで踊る仲間たち。
床を踏み鳴らす音、息を合わせる掛け声。
らん
らん
しかし、現実の耳には子どもの笑い声が届いている。
二重の音が重なり、吐き気に似た感覚が込み上げた。
いるま
いるまの声が現実に引き戻す。
視界がぼやけたまま、らんは苦笑を浮かべた。
らん
らん
いるま
らん
らん
そう言いながらも、心臓の鼓動は速くなっていた。
夕方。
家に戻ったらんは、自室でノートPCを開いた。
ファイルの一覧を眺めていると、ふと手が止まった。
日付のついていない動画ファイル。
いつのものかわからない。
クリックすると、映し出されたのは――
自分がカメラを構えて笑っている映像。
レンズの向こうには、仲間たちが踊り、笑っている。
らん
らん
らん
その瞬間、頭の奥で「ガリッ」とノイズが走った。
映像が乱れ、画面の中の「自分」がこちらを振り返る。
らん
ノイズ混じりの笑顔。
だが、その口が確かに動いた。
らん
刹那、らんは椅子を蹴って立ち上がった。
らん
頭痛が襲い、視界が暗転しかける。
机に手をつき、必死に呼吸を整えた。
らん
らん
混乱の中、ドアをノックする音が響いた。
いるま
いるまの声。
らん
かすれた声で返しながら、画面を閉じる。
証拠を消すように。
夜。
夕食を終え、布団に横になったが、眠気は訪れなかった。
瞼を閉じれば、すぐにあの映像が浮かぶ。
ダンスのステップ。
仲間の笑顔。
カメラの中の自分。
らん
らん
そう確信する一方で、疑問が膨らむ。
――なぜ、自分はそれを忘れていたのか。
――もう一人の「俺」が、それを隠していたのか。
胸の奥でざわめく恐怖。
そして、形にならない懐かしさ。
らん
小さく呟いた名前に、答える声はなかった。
けれど、確かにそこに繋がっている気がした。
らんはこめかみを押さえ、暗闇の中で目を開けたまま、朝を待つしかなかった。
第43話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡440
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コメント
1件
もう1人の桃くんとは違う感じがする… 思い出してよってことはあれが記憶なくす前の桃くんなのかな…? 続き気になる!楽しみです🥹💗