これは君と僕の物語
僕
そろそろ完成だな
僕はしがない発明家だ それも無名の。 僕はアンドロイドを開発していた 少女の形をした、機械生命体
僕
えーと、後はブラックボックスを稼働させて・・・。
僕
よし!
ラボの中心にいる少女が まるで生きているかのように 瞳を開いた
M2
・・・
M2
プログラム正常。稼働率56%。
M2
M2、正常に稼働
僕
やった!成功だ!
僕
僕は律。君を作った人だよ
M2
イエス、ドクター
僕
えーと、お茶でも飲む?
M2
必要性を感じません
僕
そう・・・
それから M2は正常に稼働していった
そう 機械のように正常に
僕は毎日 M2に 本を読み聞かせた
M2
本の読み聞かせには、何の意味があるのでしょうか
M2
私にデータを入れればいいのではないのですか、ドクター?
僕
そうだけど
僕
やりたいんだよ、僕が
M2
分かりました
M2は いつからか
笑うようになった
僕
M2君が生まれてから、もう一年だね
M2
はい
僕
人の習慣で、誕生日は祝うものなんだ
僕
だから、
M2
何ですか?これは
僕
ブローチだよ
安物でごめんね
安物でごめんね
M2
・・・
M2
・・・
M2
あり、がとうございます
そう言って
君は小さく笑った
儚げで、綺麗で
僕はつい頭をなでた
M2
どう、されたんですか?
僕
いや、何でも
それから、少したった時だった
僕は
病に倒れた
もう長くは生きられないだろう
僕
M2
僕
もう僕は死ぬ
僕
僕の側にいなくていい
そう言ったらM2は
目尻に涙を貯めて僕を睨んだ
M2
ドクターはまだ生きます
M2
生きるんです!
ひどく、強い口調だった
M2
生きるんです
M2
生き、るんです・・・
そして
終わりの時は来た
僕の体から、命が消えていく
僕
M、2
霞む視界で見えたのは
M2の泣き顔
君には、笑っていてほしいんだ!
泣かせたくない
君を抱き締めてあげたい
でも、もう腕は上がらない
僕
M2
そうか、この気持ちは
M2
ド、クター?
僕
僕は君を
僕
愛してたんだね
さよならだ
M2