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琴崎 源次郎

おー、よく来たなぁ美月。

琴崎 源次郎

あいたたたぁ、、、

琴崎 美月

もう、おじいちゃん大丈夫?

琴崎 美月

暫くはこっちに居るから

初めまして! 私、琴崎美月(コトザキ ミツキ)って言います!春から大学生2年生になって大学に馴染んできたってところでおじいちゃんが腰を痛めてしまって急遽帰省してきました。

琴崎 美月

(折角友達と遊ぶ約束してたのに、、、)

琴崎 源次郎

すまんなぁ…

琴崎 美月

そう思うなら早く治してよね!

琴崎 源次郎

手厳しいのぅ。気の強さはみさこ譲りかの

みさこはおじいちゃんの奥さん。つまりはおばあちゃんのこと。病気で私が産まれる前に亡くなっちゃって遺影でしか見たことは無いけど、とっても優しそうな顔をしてるの

琴崎 美月

(そんなに似てるかな?)

琴崎 源次郎

まぁ、真美子の方が面影はあるぞ?

琴崎 美月

!?

琴崎 美月

なんで私の考えてることがわかるの?ちっちゃい頃からそうだったよね。お母さんもそー言ってたし

真美子は私のお母さんの事ね

琴崎 源次郎

まぁ、長年、、、気持ちを察するのを強制されてきたからの

琴崎 源次郎

はっはっはっ!

琴崎 源次郎

げほっ、げほっ、ごほっ!

琴崎 美月

あぁ、もう、いきなり大声で笑ったりするから(背中をさする)

琴崎 源次郎

歳はとりたくないな笑笑

琴崎 美月

晩御飯作ってくるから、食べたら寝よう

琴崎 源次郎

そうじゃな

おーー。おきー。

ーっーー、こーちにーーーーーんー。

ーら、はやー、

おーのもーー、、、

琴崎 美月

__ん?

琴崎 美月

(目、覚めちゃった)

琴崎 美月

(なんか、夢を見てた気がするんだけど、、、)

琴崎 美月

なん、、だっけ、、、?

白兎

タシッタシッ(足踏み)

琴崎 美月

ん、、、兎、さん、、、

琴崎 美月

もう、お野菜、、、残ってないよ、、

琴崎 美月

ごめんね、また、、、明日、、

琴崎 美月

スゥ、、、スゥ、、、

白兎

フス、フス(鼻息)

白兎

昔から美月は変わってないね

しょうがないから、後もう少しだけ待っててあげる

白兎

ピョンッ(縁側から降りる)

???

ふふっ、、、、

琴崎 源次郎

何がおかしい

???

いや?何も。強いて言うなら

???

帰ってきたんだ

琴崎 源次郎

っ、

琴崎 源次郎

お主に、、否、

琴崎 源次郎

畜生にくれてやる孫なぞ授かっとらん!!!!!

???

そんなに怒るなよ

???

それに、畜生でも此処では立派な人型だぜ?

琴崎 源次郎

ふん

琴崎 源次郎

畜生如きが

???

その畜生の尻に敷かれてる死に損ないが

???

あ!お前が死ねば、次からはあの子が来てくれるかなぁ?

???

ふふっ

琴崎 源次郎

!?

琴崎 源次郎

もうあの子に執着するのは止めろ!ドンッ(木製格子を叩く)

???

ふふふ(にやけながらコテンと首を傾げる)

満月になるまで、後5日

琴崎 美月

んん〜〜〜!

琴崎 美月

……昨日の兎さんは夢、、、?

琴崎 美月

あ、

畳に兎の足跡がある

琴崎 美月

夢じゃない、、、

琴崎 源次郎

起きたか?美月

琴崎 美月

うん、おはよう。おじいちゃん

琴崎 源次郎

ん?動物の足跡か?

琴崎 美月

そうみたい。多分、、兎?

琴崎 源次郎

!、彼奴め……もう、、、

琴崎 美月

彼奴、、?

琴崎 源次郎

あぁ、いや、なんでもない

琴崎 美月

おかしいなぁ…… おじいちゃん、この町でも有名な動物愛護者で、害獣駆除としてーされた猪とか鹿とかの骨や遺体に墓を作るくらいなのに、、、そんなにあの兎ちゃんがいたずらっ子って事?でも、私の睡眠を邪魔したりはしなかったなぁ、、、

琴崎 源次郎

朝ごはん食うか

琴崎 美月

うん!おじいちゃんの手料理大好き!

琴崎 美月

あ、無理しないでね?!明日は私が作るから!

琴崎 源次郎

ははっ、それは楽しみだ

琴崎 美月

もぐ( ˙༥˙ )もぐ

琴崎 美月

美味し〜!

琴崎 源次郎

そうか。それは良かったよ

琴崎 源次郎

都会の味に慣れた美月の舌に合うか心配だったんだ

琴崎 美月

も〜、、それちょっと馬鹿にしてない?私だってちゃんと家庭料理とか郷土料理作ったりしてるんだから!

琴崎 源次郎

わしよりは劣るがな笑

琴崎 美月

そりゃそうでしょ!料理の腕で何年の差があると思ってるの〜?

琴崎 源次郎

ははっ、すまんすまん

琴崎 美月

あ、そーだ。おじいちゃん、まだ“月野菜”育ててるの?

琴崎 源次郎

あ、あぁ。そうだよ

琴崎 美月

あれ不思議だよねー。おじいちゃんしか育てられてないんだもんね

月野菜 月光のみで育てられた野菜。ほんのり甘味があり、野菜本来の味が強く、色白いのが特徴。 他の農家の人がチャレンジしたけど育てられなくて、おじいちゃんもおじいちゃんで月光以外についての栽培方法は誰にも教えていない。偶に食べたりしたけど、本当に美味しかった。沢山食べたいけど、それ程量産出来ないみたい

琴崎 源次郎

この家に伝わる栽培方法だからのぉ、、、

琴崎 美月

え、じゃあ、私にも教えてくれる?!その栽培方法!

琴崎 源次郎

ははっ、美月にはまだ少し早いかの

琴崎 美月

いつまで子供扱いするのよおじいちゃん〜!

琴崎 源次郎

すまんすまん笑

それから3日が経った

祖父の腰の調子も良くなり、飛行機のチケットが取れたのは明後日の朝だった

美月は荷造りを初め、祖父はそれを手伝い、時にお土産を忍ばせながら過ごしていった

その間、夜だけでなく日中にも白兎が来るようになった 然し、それに祖父はいい顔をせず、白兎も祖父の前へは姿を現せたがらない

祖父の家へ来て5日目の夜

琴崎 源次郎

いいか?夜は危ないから外へ出てはいかんぞ?

琴崎 美月

もう、子供じゃないんだからわかってるって

琴崎 源次郎

じゃあ、わしは組合に行ってくる

琴崎 美月

はーい

スー_カタ

琴崎 美月

(と言っても、まだ7時だし眠たくないな〜)

琴崎 美月

スマホでも弄ってよ~

白兎

ピョン(縁側から来て、布団の傍に来る)

白兎

タシタシッ(足踏み)

琴崎 美月

ん?あ、兎さん!

琴崎 美月

どうしたの?ごめんね、お野菜はもう無いの

白兎

ピョンピョン(縁側に行く)

白兎

フスフス(振り返る)

琴崎 美月

ついて来いってこと?

琴崎 美月

でも、外に出るなって…

白兎

ピョン(降りる)

琴崎 美月

あ、

白兎

チラ(縁から顔を覗かせる)

琴崎 美月

か、かわいい!

琴崎 美月

もう、しょうがないなぁ。おじいちゃんが帰ってくるまでだからね?

白兎

ピョンピョン

琴崎 美月

なに?これ?

琴崎 美月

小屋?でも、結構廃れてる…

白兎

カチャカチャン(口に鍵を咥えている)

琴崎 美月

え、ここの鍵?

琴崎 美月

(あれ、これ2種類ある…中にも鍵付きの何かがあるのかな?というか、)

琴崎 美月

鍵なんてどこにも、、、あ。南京錠がある…しかも、結構古い型だ……

琴崎 美月

錆びてて同化してた…ちゃんと開くのかな~?

ガチャン

琴崎 美月

あ、開いた

琴崎 美月

し、失礼しマース、、、、

???

やぁ、いらっしゃい

琴崎 美月

わぁ?!?!

白兎

ピョンピョン(木製格子をくぐって近寄る)

白兎

フスフス(擦り寄る)

???

ふふっ、道案内ありがと

琴崎 美月

(木で出来た牢屋…?砂壁だし、これ、昔の家、、というか小屋?)

琴崎 美月

(なんで中に人が、、、もしかして罪人?!?!)

琴崎 美月

あ、あの、、

???

ねぇ、その鍵でここを開けてくれない?

琴崎 美月

え?でも、

???

お願い!間違って入っちゃって、出られないんだ

琴崎 美月

そうだったんですか?!今開けます!

ガチャン

???

ありがとう!本当に助かったよ!

琴崎 美月

それにしても、どうしてこんなところに?結構森の中ですけど、、

かぐや

あ、俺はかぐや!

琴崎 美月

え、あ、私は

かぐや

美月でしょ?

琴崎 美月

っえ、なんで知って、、、

琴崎 美月

(そう言えば、扉鍵が掛かってたのに、この人どうやって中に、、、南京錠は、中から鍵をかけられないはず、、)

かぐや

お礼にいい所連れてってあげる!

かぐや

ギュッ(手を握る)

かぐや

来て!

琴崎 美月

え?あ、ちょ?!

かぐや

ほら!ここだよ!

琴崎 美月

う、わぁ、、、綺麗、、

そこは木々の中にぽっかりと空いた広場で、満月が一際大きく見え、月明かりで満たされていた

かぐや

ふふっ、ここなら迎えが来れるかな…

琴崎 美月

え、迎え?空から?

かぐや

んー、、、

かぐや

空って言うより、月から?

琴崎 美月

はぁ?

かぐや

ねぇ、知ってる?

かぐやが月を背にこちらを向く

かぐや

“竹取物語”…かぐや姫の物語のお話

琴崎 美月

え、勿論知ってるけど…

かぐや

本当は、月から来たお姫様はかぐやって名付けられていないんだ

琴崎 美月

え????

かぐや

本当は、お姫様と一緒に堕ちたペットがお姫様の代わりに変化して名付けられたんだ

かぐや

そのペットって、なんだと思う?

琴崎 美月

い、いきなり?!え、えーと、、月だから、兎とか?笑

かぐや

正解!

琴崎 美月

え"

かぐや

兎がお姫様の代わりを務めている間、お姫様は1人の男と巡り会い、子を授かった。けど、とうとうお別れの時が来た。子は男に任せ、お姫様は兎の元へ帰ってきた

かぐや

でも、お姫様が帰る時、ペットの兎は人間に阻まれて月に、、ご主人様と一緒に帰れなかったんだ

かぐや

それからずっと、かぐやと名付けられた兎はご主人様が迎えに来てくれるのを待ってるんだ

かぐや

ちなみに、人間達は迎えに来たお姫様を捕らえる為、兎を牢屋へ閉じ込めたんだ。それの見張りをお姫様の子供達に任せた。その頃は、呪いや呪詛が普通に信じられていたから、自分たちが恨まれないようになんだろうね

琴崎 美月

、、、ねぇ、

かぐや

んー?

琴崎 美月

それって、、もしかしなくても

かぐや

ふふっ

かぐや

そう!俺だよ!

かぐや

俺がご主人様の為に奮闘した、兎!

そう言うと、ポフンと煙が上がり、晴れるとうさ耳としっぽが付いたかぐやが居た

かぐや

そして、君はご主人様の子孫

琴崎 美月

え、嘘、、、

かぐや

いーや、ホントのことさ

かぐや

そして君は俺と一緒に月に行ける権利がある

琴崎 美月

?!

かぐや

ふふっ(見つめる)

琴崎 美月

(あ、れ、、なんか、頭が、、、ボーッと、、、)

琴崎 源次郎

美月!!!!

琴崎 美月

お、じいちゃ(((

かぐや

あーあ、来やがった来やがった

かぐや

でも、もう手遅れだよーだ

かぐや

ほら、月からも迎えが来た

月明かりに透かされて、小さな雲と人が数人薄らと遠くに見える

かぐや

ふふっ、ざーんねーん!

かぐや

それじゃ、行こっか?美月

琴崎 美月

、、、うん

かぐや

月に行ったら俺は兎の姿に戻っちゃうけど、俺のお嫁さんになってくれる?

琴崎 美月

、、うん

かぐや

やった!やっぱり美月なら頷いてくれるって思ってたよ!

かぐや

じゃーねー、源次郎。一人ぼっちで頑張って?

琴崎 源次郎

ダメだ!行くな!美月!!

琴崎 美月

(頭がポーっとする、、でも、この人にはついて行かなきゃいけない気がする、、、)

琴崎 美月

………行こう?かぐや

かぐや

!、うん!

かぐや

月に行ったら、結婚式挙げよ!

かぐや

白無垢と、うえでぃんぐどれす?っていうのがあるんだよね?それも着てみようよ!

琴崎 美月

うん

琴崎 源次郎

み、づき、、、

琴崎 源次郎

いくな、、!いかないでくれ、、、っ!

琴崎 美月

ばいばい、おじいちゃん

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