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※百合

※この物語はフィクションです

毎週月曜日の放課後。私が1番楽しみな時間だ

だって天使に会えるから

たまき

(かれんちゃん…まだかな)

そう思った瞬間ドアが開く

かれん

ごめんね、たまきちゃん。少し遅れちゃった

申し訳なさそうにかれんちゃんは私に謝る

たまき

ぜんぜん大丈夫だよ…!

たまき

(来てくれるだけで、嬉しいし…)

かれん

ほんとごめんね〜、今すぐ始めよっか

かれんちゃんは紙を挟んだ画板を持って来て私の目の前に座った

たまき

えっ、えっと…これをね

かれんちゃんは優しく相槌を打ちながら私の話を聞いてくれる

最初は慣れなかったが最近は少しだけ目を見て話せるようになった

かれん

そういえば、もうすぐクラス替えだね

かれん

早いね〜…もう一年生も終わりか〜

かれんちゃんは感慨深そうに言った

たまき

(そっか、もう二年生になるんだ)

たまき

か、かれんちゃんは文系?理系?

かれん

私は文系だよ。たまきちゃんは?

たまき

わ、私も文系…!

もしかしたら同じクラスになれるかもと思ったら、少しだけ声が弾んでしまった

かれん

そうなんだ。一緒のクラスになれるといいね

かれんちゃんはそうやって笑った

他の誰よりも優しくて上品な笑顔

たまき

(…かれんちゃんが同じクラスだったらどんなにいいだろう)

たまき

(でも…かれんちゃんはきっと人気者だから、私なんかと一緒には居られないよね…)

かれん

でも…

かれんちゃんの顔が曇る

かれん

クラス替えか…ちょっとだけ怖いな…

たまき

かれんちゃん…?どうしたの?

消えてしまいそうなくらい繊細な顔で私は急に心配になる

かれん

なんでもないの…ただ

不安そうに俯いて今にも泣き出しそうな雰囲気

たまき

(聞いちゃダメかな…?でも、ほっとけないよ…)

私は覚悟を決めた

たまき

か、かれんちゃん…何か辛いことがあるの…?

かれん

食いついてきた

私はたまきちゃんの目を盗み、横目で窓に反射する自分の姿を確認した

そこには、悲壮感の漂う繊細で儚い少女が居た

かれん

(よし…完璧ね)

たまき

あっ…言いたくなかったら、全然言わなくてもいいの…でも…

たまきちゃんは一生懸命私の目をみて話した

たまき

私にできることなら…なんでもするから!

たまきちゃんは真剣に私に向き合ってる

演技だとは微塵も思わずに

かれん

(たまきちゃん…いい子だなー…)

かれん

(でも…そんなにいい子だったら、利用されちゃうよ?たまきちゃん)

こんな風に

私は今にも泣き出しそうな声で話し始めた

かれん

…あのね…私

たまき

う、うん

かれん

少しだけ苦手な人が居て…

かれん

その人と一緒のクラスになるのが…すっごく怖くて…

私はこっそりたまきちゃんの様子を伺う

たまき

その…苦手な人って…?

 たまきちゃんはまるで世界一哀れで不幸な少女を見ているかのように、私を見つめていた

かれん

あのね…2組の…

なつみちゃんって人

たまき

…え?

少しの間時間が止まったようだった

たまきちゃんは呆然として硬直した

そして、少しずつ顔を歪ませていった

たまき

そんな…あ、あの女が…

たまきちゃんは心底悔しそうに下を見つめていた

そして目の奥には、恨みがあった

数えきれないほど莫大な

かれん

(これがゆのの言ってた恨み…たしかに尋常じゃないな)

時計を見ると18時を過ぎていた

かれん

(そろそろいい頃合いね…)

かれん

…ごめんね、暗い話になっちゃった

かれん

もう遅いし…今日は解散しよっか

たまき

…うん、そうだね

たまき

ごめん、私…先に帰るね

そういうとたまきちゃんは私に目も合わせず去っていった

かれん

…まるで別人ね

私は窓に近づいて反射した自分の顔をまじまじと見た

そこにはあの可哀想な少女は居なかった

いるのは私だけ

かれん

…顔。見られてなくて良かった

【創作百合】タヒ体が眠るワンルーム

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