テラーノベル
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新造になってからるなができることは目に見えて増えた。
宴席では花魁のすぐそばに控える。
堕姫
蕨姫がそう切り出すと客は興味深そうにるなを見る。
客
堕姫
月
私はそう言って微笑んだ。
客
客
堕姫
堕姫
蕨姫がそう言うとるなに目配せをする。
堕姫
私はこくりと頷いた。
杯を受け取りながらるなは客に向き直る。
月
客
客
月
月
客
堕姫
客の声が少し和らぐ。蕨姫はその様子を黙って眺めていた。
しばらくして蕨姫が扇子を閉じる。
堕姫
堕姫
座敷が静まる。るなは琴の前に座り指を揃える。
――一音。澄んだ音が座敷に広がり、るなはそのまま歌い出した。
琴の音に寄り添うように透き通った声を重ねる。
客
客は思わず息を飲んだ。
堕姫
客
ざわつきかけた空気はすぐに静まった。
控えめでけれど耳に残る声。最後の音が消えると沈黙が落ちる。
客
客
客
客
蕨姫は誇らしげに微笑む。
堕姫
堕姫
宴席の空気は一段とやわらいだ。
夜が終わり花魁の部屋。
堕姫
蕨姫がるなを見る。
月
月
堕姫
扇子で軽く肩を叩かれる。
堕姫
堕姫
堕姫
月
忙しさはさらに増していった。宴席や芸、稽古。
嫉妬の視線もひそひそ話も確かにある。
けれど――それを気に病む暇はもうない。
今はただ前へ進いている感覚だけが確かにそこにあった。
コメント
1件
るなちゃん良かったね♡