"この生活が楽しいから帰ってくる事のなにが悪いんだよ…"
その言葉に戸惑いと同時に嬉しさがあった───
正直、私は迷っていた
このまま好きになってもらえるかわからない桐原くんより、律月くんの方がいいのかな?って思い始めていた──
一ノ瀬 花音
遅いよ…
桐原 蒼大
…え?
一ノ瀬 花音
律月くんといい感じなんだから
桐原 蒼大
律月のこと好きになった?
一ノ瀬 花音
…っ
一ノ瀬 花音
( そんな簡単に気持ちは変わらないよ
桐原 蒼大
…っ(フッ
一ノ瀬 花音
なに…?
桐原 蒼大
別に(ニヤ
何か言いたそうに笑う桐原くん
一ノ瀬 花音
…っ 律月くんのところ行ってくる
そう言って私は家を飛び出した
家に帰る前は晴れていたのに 今は雨が降っていた───
一ノ瀬 花音
( 笑うところじゃなかったよね…
一ノ瀬 花音
( どうせ俺のこと好きなくせにって思って笑ったんでしょ…
一ノ瀬 花音
( そうだよ…好きだよ
一ノ瀬 花音
( でも桐原くんの気持ちは私にはない
一ノ瀬 花音
( もう片想いは…
桐原 蒼大
一ノ瀬!
傘をささずに私を追ってきたのか 振り返ると桐原くんがいた───
一ノ瀬 花音
なに…?
桐原 蒼大
本当に律月のところ行く気かよ
一ノ瀬 花音
返事してくるの…
桐原 蒼大
ちゃんと話聞けよ!
一ノ瀬 花音
もう遅いの…
桐原 蒼大
遅いってなんだよ
一ノ瀬 花音
辛いの…
一ノ瀬 花音
私だけが好きなのが…
一ノ瀬 花音
一人で浮かれてるのが…
一ノ瀬 花音
だから私…
一ノ瀬 花音
もう桐原くんを好きなの辞めっ──!
フワッ───
桐原 蒼大
ごめん…
一ノ瀬 花音
…っ!
一ノ瀬 花音
桐…原…くん?
桐原 蒼大
ごめん…
桐原 蒼大
好きになるのが怖いんだ…
一ノ瀬 花音
…っえ?
桐原 蒼大
美月の時みたいになるのが…怖い
桐原 蒼大
でも…それ以上にお前が他の奴の所に行くのはもっと怖い…
桐原 蒼大
お前は俺が好きなんだよ!
桐原 蒼大
俺を好きでいればいいんだよ…
一ノ瀬 花音
…っ///
桐原くんの気持ちがやっと聞けた
一ノ瀬 花音
私は…今でも桐原くんのこと…
桐原 蒼大
知ってる
一ノ瀬 花音
私は…美月さんとは違うよ?
桐原 蒼大
…っえ?
一ノ瀬 花音
そりゃあ、ずっとそばにいて欲しい…けど、桐原くんのやりたいことを邪魔しない
桐原 蒼大
うん…
一ノ瀬 花音
だから…
桐原 蒼大
待って…
一ノ瀬 花音
…っ?
桐原 蒼大
好きになるの怖いけど…
桐原 蒼大
お前が律月のとこ行くのも、塚本のとこ行くのもやだ…
一ノ瀬 花音
…っ///
桐原 蒼大
最初はお前のこと興味なかった…
桐原 蒼大
けど、今は…
桐原 蒼大
俺のそばにいてほしい…
一ノ瀬 花音
…っグス
桐原 蒼大
ばーか!泣くなよ
一ノ瀬 花音
…だって…グス
桐原 蒼大
これからお前のこと好きになる
一ノ瀬 花音
…っ///
桐原 蒼大
付き合お?
一ノ瀬 花音
…っえ?///
桐原 蒼大
俺と付き合ってください///
一ノ瀬 花音
…っはい///
桐原 蒼大
これから宜しくな?
一ノ瀬 花音
…っうん///
桐原くんに告白され、付き合うことになった───
思ってもいなかった───